日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
Print ISSN : 1344-8668
ISSN-L : 1344-8668
68 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
論文
  • 山下 樹子
    原稿種別: 論文
    2022 年68 巻3 号 p. 137-156
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

     本研究は,社会人の学びに対するニーズを把握し,ソーシャル・マーケティングを用いて図書館を拠点に社会人の学びを促進する方法を明らかにすることを目的としている。

     研究方法として,行動科学理論の「行動変容ステージモデル」を学びに応用したモデルを設計し,これに基づき社会人の学びについてインターネット調査を実施した。調査期間は2020 年10 月,調査対象は神奈川県在住の20 代から40 代の有業社会人900 人である。

     調査の結果,学びを実行するまでの行動変容の過程において,無関心期と関心期の間に障壁が存在すること,学びを阻害する要因は時間よりも年収であること,促進する要因は生き方に対する将来像を持ち働き方が積極的であることが明らかになった。この結果をもとに,学びの行動変容に介入する,一般の人々の利用に供する公共図書館によるマーケティングを試みている。

  • 古隅 阿子, 三輪 眞木子
    原稿種別: 論文
    2022 年68 巻3 号 p. 157-177
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

     教育研究環境の変化に伴い大学図書館に求められる役割や機能も変わりつつあるが,設置者の種類(国立・公立・私立)や大学の規模によって,新たな設備やサービスへの対応状況に格差が生じている。本研究の目的は,大学図書館で近年整備が進むアクティブ・ラーニング・スペース(以下,ALS)の整備状況における大学図書館の格差を把握し,その要因を探ることである。学術情報基盤実態調査のデータ分析から,公立大学や小規模大学におけるALS 設置状況が国立大学と比べて低調なことが明らかとなった。この結果を踏まえ,公立大学図書館に焦点を当ててALS 整備関連の事業報告を分析した。更に規模の異なる公立大学4 校の図書館へのインタビュー調査を実施し,現場を支える図書館職員の声を直接聞くことで,公立大学図書館が予算や人材の削減が続く厳しい状況に置かれていることを把握した。これらの知見は,公立大学図書館の将来を検討する際の手掛かりとなる。

研究ノート
  • ─1920 ~30 年代W・ホーフマンの活動に着目して─
    松井 健人
    原稿種別: 研究ノート
    2022 年68 巻3 号 p. 178-187
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル オープンアクセス

     本稿の目的は,ヴァイマル期ドイツで閉架式民衆図書館を主張したことで有名なヴァルター・ホーフマン(Hofmann, Walter.)の教育論を明らかにし,いかなる目的から閉架式民衆図書館が主張されたのか,その論理を解明することである。ホーフマンの教育論を検討した結果,彼が同時代ドイツの都市化・工業化に対して危機感を抱いており,民衆をフォルクとして教育するために,外部と隔絶した空間と教養財が必要であるとみなしていたことが判明した。この教育論が,閉架式図書館の実践に結びついていた。閉架式図書館では,ホーフマンが良書とみなした図書を所蔵し,図書館員に対しては対話や読者カードを通して利用者について知悉することが求められた。しかし,この実践は,被教育者の主体性を認め得ない教育実践に陥る危険性を有していた。

書評
学会記事
feedback
Top