日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
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69 巻, 4 号
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論文
  • 須賀 千絵, 汐﨑 順子
    原稿種別: 論文
    2023 年 69 巻 4 号 p. 169-185
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/31
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,2020 年1 月~5 月の新型コロナウイルス感染症拡大の第1 波の時期に,全国の公立図書館でその対策として実施された児童サービスについて,種類と特徴,および新たなサービスの実現までの過程と図書館員の認識を分析するため,web 情報の調査と公立図書館員2 名に対するインタビュー調査を実施した。まずweb 調査の結果から,提供されたサービスはリンク集や動画等のweb 上で完結するサービス,図書リスト,図書館福袋,自宅配本サービス,団体貸出等,紙の本の読書を前提としたサービス,双方向のやりとりのあるサービスの3 種類に区分できることを示した。次にインタビュー調査の結果から,サービス実現の背景には,「図書館員としてのサービスが何もできない」という焦燥感,また自治体幹部や旧知の図書館関係者からの期待や励ましがあったこと,ベテラン職員と経験の浅い職員が協力してサービスの開発に取り組んだことを明らかにした。

  • 朱 心茹, 浅石 卓真, 河村 俊太郎
    原稿種別: 論文
    2023 年 69 巻 4 号 p. 186-203
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/31
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,専門分野における個人の知識量を簡便に測定する方法として,個人が知っている専門用語の数を推定する専門語彙量推定テストを提案する。本論文では,図書館情報学分野の専門用語を対象とした専門語彙量推定テストの開発と評価について報告する。テストの開発においては,単語親密度を用いた語彙量推定の先行研究を参考に,各50 語で構成される 3 つのテスト問題の作成,語彙量推定アルゴリズムの設計,Web アプリケーションの開発を行った。テストの評価においては,計81 名を対象に2 回の実験を実施し,テストの有用性を検証した。評価実験の結果,専門語彙量推定テストは一定の信頼性と妥当性を有しており,知識量測定の方法として有用であることが分かった。また,テスト問題の回答時間は平均2.61 分であったことから,その簡便さが確認された。今後は学生が本テストを活用して知識量を測定し,学習到達度の自己確認などに活用することが期待される。

研究ノート
  • 設樂 成実, 北村 由美
    原稿種別: 研究ノート
    2023 年 69 巻 4 号 p. 204-217
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/31
    ジャーナル 認証あり

    本稿では,紀要の現状と課題について国内の紀要272 誌を対象とした質問紙調査及びその補完調査として11 誌11 名の編集者を対象に行ったインタビューの結果から明らかになった点を報告する。本稿では,学協会発行による学会誌に対して,大学,研究所,美術館,博物館等の発行する雑誌を紀要と位置付ける。回答のあった97 誌のうち,発行団体の予算により発行されているものが約9 割,発行媒体は紙版及び電子版によるものが約7 割を占め,電子版の約8 割が機関リポジトリで公開されていた。約8 割の紀要が,原稿不足,業務体制,雑誌の評価等,何らかの課題を抱えていた。このうち約5 割が対応を実施中または検討中であった。また,6 割の紀要が査読者の確保や広報に係る外部支援を希望していた。また,紀要の方向性により課題や求める支援には違いがあることが明らかになった。

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