日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
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68 巻, 4 号
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論文
  • 矢田 竣太郎, 浅石 卓真, 宮田 玲
    原稿種別: 論文
    2022 年 68 巻 4 号 p. 215-232
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/30
    ジャーナル フリー

     学校図書館による教員支援の一つに,授業向け図書の選定,すなわち教材提供がある。 探究学習の重視に合わせ教材提供の意義も高まっているが,既存の図書館用ツールでは十分にサポートされてこなかった。本研究では,授業の単元に関連する図書の候補を教科書の章から直接提示できる教材図書提供支援システムBookReach を開発し,そのユーザビリティを評価した。BookReach は授業単元ごとに内容的に関連するNDC 記号を紐付けた対応表に基づき,学校図書館の蔵書から教材候補図書を書影で一覧表示するのが特徴である。 学校図書館職員18 名にBookReach を使った模擬的な教材提供を延べ4 授業分依頼し,有効性・効率性・満足度の3 観点でシステムを評価したところ,提示図書の内容的妥当性, OPAC に比した選定時間短縮効果,および操作の容易性が認められた。また,実験の所感を問う自由記述からは,図書表示形式の設定や蔵書データ操作に関する課題・要望が得られた。

  • 谷口 祥一, 橋詰 秋子
    原稿種別: 論文
    2022 年 68 巻 4 号 p. 233-251
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/30
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は,RDF データとして表現された,日本目録規則2018 年版(NCR2018)における個別規定間の参照関係を対象にして,参照関係の集計等による実態の把握と,ネットワーク分析による大局的なレベルでの特徴の把握を行うことである。1)規定内における参照指示が範囲指定形式の場合も多く,参照先として採用すべき規定を同定する方針を設定した。2)NCR 第2・4・6 章から抽出された参照関係を条項番号単位等で集計し,参照をもつ割合を明らかにした。3)参照関係が形成するグラフについてノード数やエッジ数とその出現回数などを集計し,併せてグラフの特徴量を算出し個別グラフの特徴をまとめた。4)グラフの中心性を4 つの尺度で求め,上位ノード群を抽出し統合した上で階層的クラスタリングを実行し,形成されたクラスタ群の内容を確認した。これらにより, NCR 参照指示の様相を具体的な数値をもって確認するとともに,参照関係の大局的な特徴をおおよそ俯瞰できた。

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