日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
Print ISSN : 1344-8668
ISSN-L : 1344-8668
54 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
論文
  • ウエルトハイマー アンドリュー
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    図書館学の歴史研究は,一般的に記念すべき事柄にちなみ,その概要を扱う場合が大半である。しかし,司書に苦闘を強いる状況下,例えば戦時下における図書館のあり方に焦点をあてた研究は,我々により多くの示唆を与えてくれる。本論文は第二次世界大戦中にアメリカ政府によって収容所に拘束された日系人の図書館利用に関しての体験を検証する。通常日系人の強制収容所に関する研究は,英語を第一言語とする日系二世の体験を扱った研究がほとんどであるが,本稿は移民一世である浅野七之助がどのような過程で他の一世,帰米二世と共に日本語図書館を創立するにいたったか,また設立にあたり収容所の管理者であった民間戦時収容機関との間にどのような闘争があったのかに焦点をあてる。本論文は聞き取り調査,公文書,新聞記事などをもとに,浅野がどのように「日本的文化空間」を創造したかを考察する。
  • 河村 芳行, 歳森 敦, 植松 貞夫
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 16-38
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,大・中・小の規模の異なる複数の図書館が存在する地域において,図書館利用者がどのような理由で利用館を選択し,利用行動をしているのかについて,自宅からの最近隣館と主利用館とを軸とした類型を基に分析し,類型ごとの特性を明らかにした。また,札幌市北区・手稲区の住民がどのような条件下で大規模館を選択利用しているかについて,遠方の大規模館あるいは最寄りの中小規模館のどちらを選択するかを選択肢に,7種の説明変数を用いた二項ロジットモデルにより検証した。図書館利用が個人行動から「家族と一緒に自家用車で行く」行動に変化したことが,距離に対する抵抗を大幅に減じさせ,施設までの距離と規模,サービス内容の階層的な施設構成手法の基本が適用しない状況を生み出していることが検証できた。
  • 松本 直樹
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 1 号 p. 39-56
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    地方自治,特に住民自治を実現する制度的な機関である議会の公立図書館及び学校図書館への関心について検討するため,埼玉県内市議会を対象に,全41市の議会会議録の分析を行った。議会会議録の分析から,図書館に比較的強い関心を持つ議員が全体の2.4%存在し,彼らが全質問の28%を占めていた。政党・会派では,公明党,共産党の質問回数が多かった。また,女性議員の関心が高いことが分かった。質問内容としては,施設・職員の充実を望むものが多かった。
書評
学会記事
feedback
Top