著者らはこれまでに,鉄接触材を浸漬して間欠曝気処理を行うリン・窒素同時除去の新しい方法を示した。しかしこの方法では,好気状態下で,リン酸鉄,酸化鉄等の防食性の被膜が鉄接触材表面に生成してくると,リン除去率は徐々に低下していった。
そこで本報では鉄接触材表面からこの被膜を取り除くために,実施設並みの旋回流速で,浸漬した鉄円板を回転させて,間欠曝気処理の室内実験を行った。また,DO濃度の変化と被膜生成の関係についても検討した。
この実験結果から,槽内流速とDOM濃度の制御は,鉄板表面の被膜生成を防ぎ,リン除去率の低下を防止する重要な要因であることがわかった。
なお,鉄接触材の浸漬はBOD,COD,窒素除去に何らの悪影響を及ぼさなかった。
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