水質汚濁研究
Print ISSN : 0387-2025
14 巻, 10 号
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  • 茂庭 竹生
    1991 年 14 巻 10 号 p. 651
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
  • 内海 英雄
    1991 年 14 巻 10 号 p. 652
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
  • 河口 英樹
    1991 年 14 巻 10 号 p. 659-664,653
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    農薬汚染排水を排出源において, 太陽光を利用して処理する方法の開発研究の一環として, 二酸化チタンを光触媒とする除草剤2, 4-D-ブチルの光触媒分解の動力学的研究を行った。得られた結果は次の通りである。
    1) 分解の速度式としてラングミュア型速度式
    γ=kKC/ (1+KC)
    が有効であり, 2, 4-D-ブチル初濃度が2.1×10-6mol・l-1 (0.58ppm) 以下であれば1次式に近似できる。
    2) 速度定数kは光の完全吸収の条件で光触媒濃度および光強度のいずれも0.5乗に比例する。
    3) 吸着の平衡定数Kは光触媒濃度および光強度に関係なく一定値をとる。
    4) 光触媒濃度が300mg・l-1以上のときは, 分解反応は光の入射面から0.5cm以内のところで90%以上起こる。
  • 菌体外高分子の機能を活用した排水処理
    宮 晶子, 安井 智子, 三島 浩二, 栃久保 英二
    1991 年 14 巻 10 号 p. 665-673,653
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    AUSB法は好気性排水処理における自己固定化法の一つで, 酸素溶解槽とAUSB反応槽で構成され, 沈降性に優れた粒状体汚泥を形成することを特徴とする。汚泥の粒状化過程を菌体外高分子を指標として追跡した。団地下水を用いたベンチスケールの実験では, 汚泥が粒状化するに従い, 菌体外高分子量が増加し, 菌体外高分子のカオリンに対する凝集活性も高くなった。都市下水を用いたパイロットスケールの実験では, AUSB法汚泥の菌体外高分子は同一原水を供給した標準法汚泥よりも量が多く, またカオリンに対する凝集活性も高かった。以上の結果から, AUSB法においては汚泥の粒状化に菌体外高分子量が重要な役割を果たしていることが示唆される。今後, このような菌体外高分子の機能を活用した新しい生物処理の開発が期待される。
  • 細見 正明, 須藤 隆一
    1991 年 14 巻 10 号 p. 674-681,654
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    アシなどの抽水植物が繁茂する湿地による水質浄化法の処理性能を明らかにするため, 水生植物の生育期間だけでなく, 水生生物が枯死して生物活性が低下する冬期も含めて, 湿地に実際の生活雑排水が流入している地域を調査対象として, 1986年3月から1990年2月までの4年間にわたって湿地の水質浄化能力を調査した。湿地への流入負荷量と湿地からの流出量から得られる調査期間の平均除去率は, BOD95%, COD80%, TOC85%, T-N67%, T-P77%であった。冬期 (1月~3月) における浄化能は, BOD2.2g・m-2・d-1, COD0.81g・m-2・d-1, TOC1.1g・m-2・d-1, T-N0.10g・m-2・d-1, T-P0.023g・m-2・d-1とT-Nを除けば年平均値と大きな差が認められなかった。湿地における冬期の窒素浄化能が低下する理由としては, 流入水中のNH4-N, 流入水中の有機態窒素が湿地で無機化されたNH4-Nおよび底質から溶出したNH4-Nが硝化されずに, そのまま流出したためと推定された。
  • 藤田 正憲, 岩堀 恵祐, 山川 公一郎, 武市 治
    1991 年 14 巻 10 号 p. 682-690,654
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    Aspergillus nigerの自己造粒pelletを用いたデンプン廃水処理の可能性を検討するため, 各種の回分培養実験および連続培養実験を行った結果, 以下の知見を得た。
    1) pellet化したA.nigerでデンプン廃水を処理した場合, 良好なデンプン分解能およびTOC除去能を持つことを示した。
    2) 回分培養実験により, デンプンの2段階分解における, 各段階の至適pHを示した。
    3) 連続培養期間中, pelletは, 曝気等の撹拌により形状が崩れることなく, 十分な強度が確認され, その径は徐々に大きく成長した。
    4) 2段反応槽による連続培養から, デンプン分解率90%以上, TOC除去率75%という結果が得られた。
  • 矢尾 真, 鈴木 辰彦, 石川 進
    1991 年 14 巻 10 号 p. 691-699,655
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    処理場流入下水の有機物は, 溶解成分と懸濁成分とに, 大きく二分できる。このうち, 溶解成分の生物による除去は, 懸濁成分に比して, 短時間で行われることは, よく知られている。よって, 懸濁成分の高度除去は, 生物処理の改善に貢献するものといえる。著者らは, バイオフォーカスWTにおいて, 建設省土木研究所との共同研究として, 「バイオリアクター組み合わせ用固液分離システムの開発」を, 昭和61年度より行ってきた。処理システムは, 無薬注加圧浮上処理と濾過処理の組み合わせによるものである。パイロットプラントでの実験結果によれば, SS除去率85%, BOD除去率70%と良好な処理結果が得られている。
    この固液分離処理水を用いた, 生物処理実験では, 浮遊法, 固着法のいずれの場合でも, 1~2時間の処理時間で, 通常の活性汚泥処理程度の処理が行えた。また, 嫌気-好気循環法で処理した場合でも, 嫌気2h, 好気4hの処理時間でT-N10mg・l-1程度までの処理が行えた。
  • 城田 久岳, 岸野 拓男, 浮田 正夫, 中西 弘
    1991 年 14 巻 10 号 p. 700-708,655
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    生物活性炭は, 生物分解阻害性物質および難分解性有機物を含有する廃水処理に有効な方法として注目されている。本研究では, 生物活性炭による写真廃液の処理特性について検討した。実験は, 好気性の生物膜固定床型リアクターを用い, 滞留時間24hで行った。全実験系で1週間以内にpH 3程度まで急速に低下した。これはイオウ酸化菌によってチオ硫酸塩が硫酸塩へ酸化されたためと考えられた。また, 多孔質セラミックを担体としたものとの比較実験から, 活性炭を担体とした方が同じ装置規模ではより早い生物馴致と, 高い処理効率を得ることが確認された。このことから, 活性炭の吸着現象が生物活性を高めていると推測された。さらに, 後段のpHを7にコントロールした二段処理システムについて検討し, COD減少量のうち63%がチオ硫酸塩の酸化によることが分かった。システム全体のCODおよびBODの除去率は83および99%と, 高い処理効率が得られた。
  • 若月 利之, 江角 比出郎, 小村 修一
    1991 年 14 巻 10 号 p. 709-719,656
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    多段土壌層法とは, 通水用土壌層と浄化用土壌層とをレンガ積層パターンで多段に積層させ, 汚水がこの多段土壌層を流下する間に浄化させようとするものである。
    浄化用土壌層は, マサ土に金属鉄粒とペレット化したジュートを各5~15%添加したものを, 厚さ7.5~10cm, 幅60cm, 長さ120~175cmの単位サイズで用いた。通水用土壌層としては, 粒径が1~5mmのゼオライトを5~10cmの層厚で用いた。この浄化用土壌層と通水用土壌層を各5~9段積層させた。また, 多段層の下の通気管を設置した。
    単独浄化槽排水と雑排水の合併排水を処理する実規模の装置を久留米市と松江市に設置して処理性能を1~半年間調査した。調査期間中, 負荷量100~800l・m-2・d-1で目詰まりは生じなかった。処理水の平均BOD5mg・l-1, T-N5mg・l-1, T-P0.8mg・l-1であった。通気は処理性能に大きな影響を与えた。本法は有機物, 窒素, リン除去能が高く, 富栄養化防止に有効な施設となり得ることを認めた。
  • 毛利 光男, 丹羽 千明
    1991 年 14 巻 10 号 p. 720-729,656
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    本研究では, 発泡ポリスチレン濾材と多段切り換え原水供給方式を用いた生下水の直接濾過において, 高効率除去に適した濾材径と原水供給管の設置間隔の選定, 浮上性濾層の固液分離特性, 濾材の耐久性, および分離懸濁物の沈降濃縮特性等について実験的に検討した。実験の結果, 濾材径は5.5mmが適切であり, 原水供給を濾層の閉塞により, 順次下の供給管に切り換える本濾過方式は濾過継続時間とSS捕捉量を大幅に増大することがわかった。濾層厚3m, 濾過速度150m・d-1~220m・d-1, および4段の切り換え濾過の場合, SS除去率が80%以上, BOD除去率が約50%, 濾過継続時間が30時間以上, および洗浄水量比が2~4%であった。濾材径は, 1.5年間の運転で初期値の約80%まで縮小するがその後はさほど縮小しないことがわかった。5,000と50,000m3・d-1規模の試設計の結果, 本濾過法の所用面積は最初沈殿池の35~50%であり, かなりの省面積化を図れることがわかった。
  • 平田 彰, 高橋 千秋, 高橋 友嗣
    1991 年 14 巻 10 号 p. 730-736,657
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    パイロットスケールの完全混合型三相流動槽を用いて, 学生食堂厨房排水の生物処理を行った。装置設計にはすでに筆者らが提案したBOD処理を指標とした1次反応近似式を用い, 処理効率を高めるため装置は4槽直列多段式とした。全装置容積は約1m3とし, 担体はCB濾材を容積で約20%充填した。処理水量を1m3・d-1とし, 1年半以上にわたり連続処理実験を行った。
    厨房排水の大きな負荷変動にもかかわらず, 年間を通してBOD・TOC・リン・油分等の良好な除去が得られた。窒素の除去は負荷変動の影響を受けた。また, 単位容積当りの処理速度はBODについて2,050g・m-3・d-1, TOCについて230g・m-3・d-1を得た。さらに, TOCを基準とした生物処理特性値として, 1次反応近似式を適用し, K/Km=0.0164m・d-1を得た。これらの結果より三相流動槽が厨房排水処理に充分適用可能であることが確認された。
  • 藤江 幸一, 新田 弘之, 浦野 紘平, 伊澤 哲夫, 室谷 憲男
    1991 年 14 巻 10 号 p. 737-746,657
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    加圧空気の吹き込みによる膜汚染物質の除去 (空気逆洗) を特徴とする中空糸精密濾過 (HMF) 膜と好気性バイオフィルターを組み合わせた2つの生物排水処理システムを考案し, 透過流束, 有機物除去率, 所要動力および維持管理の観点から性能評価を試みた。都市下水の直接HMF処理では, 有機物除去率が70~85%となり, 少ないクロスフロー流速で1.3×10-5m・s-1を上回る透過流束が得られ, 空気逆洗および薬液洗浄は, HMFの透過流束向上に効果的であった。HMF濾液は固定層バイオフィルターによって, 余剰汚泥をほとんど生成することなく処理が可能であった。一方, 移動層バイオフィルターによる都市下水処理水のHMFによる高度処理では, 透過流束は2.5×10-5m・s-1に達し, 単位動力消費あたりに処理できるBOD量として定義される動力効率は, 都市下水処理場での実操業値に近くなっており, これらのシステムが再利用を目的とした排水の処理に適していることを明らかにした。
  • 山口 登志子, 井藤 壯太郎, 益本 正憲, 寺西 靖治
    1991 年 14 巻 10 号 p. 747-754,658
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    本研究は土壌カラム (内径60cm) を用いてUF処理した2次処理下水中の窒素を脱窒素により除去することを目的としたものである。定常期においては供給下水中のNの90%が深さ0~5cmで除去された。Nの物質収支から 1) 供給したTNの30~50%がN2ガスとして回収された, 2) 38~40%のTNが土中に蓄積した, 3) 4%のTNが供給下水に溶解して流出したことが明らかになった。
    本研究で得られた各態窒素成分の実測データから, 反応移流分散方程式の逆問題として土壌内脱窒速度を同定した。
  • 角野 立夫, 江森 弘祥, 森 直道, 川口 幸男, 中村 芳男, 田中 和博
    1991 年 14 巻 10 号 p. 755-762,658
    発行日: 1991/10/10
    公開日: 2009/09/10
    ジャーナル フリー
    日本下水道事業団大阪北東エースセンターにおいて固定化微生物を用いた窒素除去技術を高濃度アンモニア含有排水に適用し, 今回, 初めて実用化した。本報では実プラントに至るまでに得られたペレットの物性におよぼす処理因子の特性, ペレットの寿命に関する知見および処理性能について, ペレットに主眼をおき報告する。アレニウス式を用いてポリエチレングリコールペレットの寿命を予測した結果, pH6~9の広範囲で5年以上あることが分かった。高濃度アンモニア性窒素を含む乾燥排ガススクラバ排水 (NH4-N濃度95~260mg・l-1) を固定化硝化細菌で処理した結果, パイロットプラントで滞留時間6h以上で, 除去率98%以上の高速処理が可能であることが分かった。さらに総容積140m3の実装置で, 滞留時間7hで処理した結果, 目標処理水質を達成でき, 処理性能を確認できた。
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