処理場流入下水の有機物は, 溶解成分と懸濁成分とに, 大きく二分できる。このうち, 溶解成分の生物による除去は, 懸濁成分に比して, 短時間で行われることは, よく知られている。よって, 懸濁成分の高度除去は, 生物処理の改善に貢献するものといえる。著者らは, バイオフォーカスWTにおいて, 建設省土木研究所との共同研究として, 「バイオリアクター組み合わせ用固液分離システムの開発」を, 昭和61年度より行ってきた。処理システムは, 無薬注加圧浮上処理と濾過処理の組み合わせによるものである。パイロットプラントでの実験結果によれば, SS除去率85%, BOD除去率70%と良好な処理結果が得られている。
この固液分離処理水を用いた, 生物処理実験では, 浮遊法, 固着法のいずれの場合でも, 1~2時間の処理時間で, 通常の活性汚泥処理程度の処理が行えた。また, 嫌気-好気循環法で処理した場合でも, 嫌気2h, 好気4hの処理時間でT-N10mg・
l-1程度までの処理が行えた。
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