活性汚泥処理におけるバルキングは, Type 021 Nや
Beggiatoaなどの糸状細菌の異常発生によって起こる。その対策のために, 従来種々の方法が検討されたが, 未だ確実な制御方法が見出されていない。著者らは1983年にバルキングが解消する際に繊毛虫類,
Trochilioides rectaの細胞数が増加していることを発見した。本研究では Type 021 N,
Beggiatoa sp.または短糸状菌に対する
T.rectaの 捕食様式を検討した。
T.rectaは Type 021 N に対して糸状体の先端または途中から捕食し, 糸状体中の細菌を摂食した後管状体を排出した。
Beggiatoa sp.に対しては先端から捕食し, 捕食速度はType 021 Nの場合の約7倍であった。また,
T.rectaは嫌気条件下で増殖する短糸状細菌も捕食した。以上の結果から,
T.rectaは糸状細菌の種類に関係なく補食することが考えられる。
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