石炭液化排水に含まれる12種類の主要な有機化合物の微生物分解性を合成排水で馴養した活性汚泥を用いて検討した。実験対象とした化合物はフェノール, 3種のクレゾール異性体, シクロヘキサノール, 3,5-キシレノール, アニリン, ο-トルイジン, ピリジン, α-ピコリン, キノリンおよびピロールである。その結果以下の知見を得た。
1) 各化合物の微生物分解が可能な限界濃度を測定した。限界濃度は化合物によって大幅に異なり, ο-トルイジンおよび3,5-キシレノールの100mg・l
-1からピリジンの4,000mg・l
-1までの範囲にあった。
2) 複数の化合物が共存することにより, それぞれの化合物の微生物分解限界濃度は単独の場合に示した値より低くなり, 相乗的な阻害効果があることがわかった。
3) 微生物を高濃度の活性阻害化合物で馴養することにより, ある程度高い耐性力が得られることがわかった。
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