日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第20回秋季シンポジウム
選択された号の論文の832件中751~800を表示しています
  • 金 成浩, 関野 徹, 楠瀬 尚史
    セッションID: 3E04
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    イットリア安定化ジルコニアは基板金属と同様の熱膨張率を持つため、熱遮蔽コーティング材料として主に使われている。しかし、イットリア安定化ジルコニアは1200度付近で相変態が発生するため、高温での適用が制限される。もっと高温安定性を付与するため、高温安定化剤または新たな材料に関する研究が進んだ。本研究では、高温安定性を付与するために、高温で他の酸化物との反応が発生しないモナザイトをジルコニアに添加し複合体を作製した。大気プラズマ溶射法でジルコニア/モナザイトセラミックス膜を作製し、膜の微細構造及び特性を検討した。
  • 松本 峰明, 加藤 丈晴, 山口 哲央, 北岡 諭, 松原 秀彰
    セッションID: 3E05
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    電子ビームPVD法による遮熱コーティングについて、耐酸化性と耐久性に及ぼす、金属結合層上の初期Al2O3層の組織の影響を調べた。予備酸化処理をしない試料では、初期Al2O3はナノ結晶で構成されていた。一方、成膜前に予備酸化処理を行った試料では、初期に粒径の大きいAl2O3が生成しており、耐酸化性と熱サイクル特性が大きく向上した。粒界の大きいAl2O3層の生成により、酸素の拡散パスとなる粒界が減少し、耐酸化性が向上したものと考えられる。
  • 山口 哲央, 松本 峰明, 松原 秀彰
    セッションID: 3E06
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    熱遮蔽コーティングの形成法として注目されている電子ビーム蒸着(EB-PVD)法で形成されるセラミックスコーティングにおいて、独特の柱状構造が耐熱サイクル特性、耐剥離性に有利と考えられるが、高温での焼結収縮を要因とする剥離が問題となっている。本研究では、EB-PVDにより作製したYSZを中心としたジルコニア(YSZ)系トップコートの耐剥離性について、トップコート構造、トップコート/ボンドコート界面などとの関連を調査した結果を報告する。
  • 野村 浩, 山口 哲央, 松本 峰明, 松原 秀彰
    セッションID: 3E07
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    電子ビームPVD法による成膜した熱遮蔽膜はナノポアを多数含んでおり、これにより遮熱効果が得られている。しかしながら高温では、ナノポアが消滅することで熱遮蔽膜自体に収縮が起こり、密着している基材との界面に歪みが生じて膜がはがれることがある。そこで本研究では、JFCCの持つ計算手法により、基材上の多孔質膜におけるナノポア消滅過程と、基材と膜界面に生じるひずみ等を検証する。
  • 山田 祐司, 赤津 隆, 篠田 豊, 若井 史博
    セッションID: 3E08
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    チタン表面の熱的・機械的特性を向上させる目的で,火花放電を伴う陽極酸化処理を行った.その結果,チタン表面に多孔質の酸化チタンが生成し,処理時間が長くなるにしたがって,気孔が消滅していくことが明らかとなった.また,180V以上の電圧で火花放電が発生し,酸化物皮膜の生成速度が顕著に増大することが分かった.酸化物皮膜の結晶相をXRDで同定し,微細構造をSEMにより観察した.さらに,皮膜の力学的特性をナノインデンテーション法で評価した.結果の詳細については当日発表する.
  • 松尾 陽太郎
    セッションID: 3E13
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    エンジニアリングセラミックスを構造部材として使いこなすためには、強度信頼性を確保するための基礎理論を構築する必要がある。本発表では、著者が今まで展開してきた破壊統計と破壊力学の融合理論-多種破壊原因・多軸応力状態・時間依存型破壊に適用できる3変数確率分布関数-について概括し、周辺分布として得られる破壊原因別強度分布、破壊位置分布、欠陥寸法分布、欠陥方向分布、疲労寿命分布の特徴と適用例について説明する。さらに、欠陥寸法分布の応用として、非破壊検査理論と表面強化理論が導出される過程についても論じ、今後の展望を述べる。
  • 安田 公一, 古嶋 亮一, 松尾 陽太郎, 塩田 忠
    セッションID: 3E16
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    耐火物や黒鉛材料では,応力/ひずみ曲線に非線形性が現れ,その原因として材料内部の局所的な損傷の累積によるものと考えられている.しかし,応力/ひずみ曲線の非線形性から,直接,損傷発生歪を求めることはほとんど検討されていない.そこで,本研究では,荷重負荷時の応力/ひずみ曲線の非線形性から,局所的な損傷発生歪を推測するための理論解析を行い,昨年の秋季シンポジウムで報告した,今回は,推測した損傷歪の発生分布を用いて,除荷曲線を新たに推測する理論解析を行ったので,その概要を報告する.
  • 古嶋 亮一, 安田 公一, 松尾 陽太郎, 塩田 忠
    セッションID: 3E17
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    多結晶黒鉛に圧縮応力を負荷・除荷した時に得られる応力-歪曲線は、非線形挙動を示すことがわかっている。この非線形挙動を材料中に発生したマイクロクラックによるみかけのヤング率の減少が要因であると仮定し、安田が損傷発生歪分布関数を用いて任意の歪における応力を求める理論を提案した。この理論において、除荷過程の応力は、負荷過程の応力-歪曲線を推定するために必要なパラメータを用いて求められる。そこで本研究では、多結晶黒鉛に一軸圧縮試験を行った際の負荷過程の応力-歪曲線を実測値と一致するように推定した上で、得られた推定パラメータを用いて除荷曲線を予測した。また、得られた除荷曲線と実測値を比較し、除荷に関する安田の理論の妥当性の検証を行った。
  • MOHD IMRAN ZAINUDDIN, SATOSHI TANAKA, KEIZO UEMATSU
    セッションID: 3E18
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    An improved organic binder system namely polyacrylic acid (PAA) with both binding and dispersing properties was used in preparing spray-dried granules. The effect of the binder system on the strength of green and sintered dry-pressed compact was studied in comparison with the conventional PVA binder system. The results were discussed with respect to its mechanical properties and internal microstructure. PAA shows similar green strength but higher flexural strength compared to PVA binder system.
  • 林 拓志, 松尾 陽太郎, 安田 公一, 塩田 忠
    セッションID: 3E19
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    セラミックスは、複数の破壊原因が互いに競合し、最も弱い破壊原因によって破壊することが知られている。応力勾配が無い場合、筆者らによって、破壊応力だけでなく、破壊源となった欠陥寸法分布も競合リスクモデルに従うことが証明されている。しかし、応力勾配が存在する場合、実測された破壊源欠陥寸法データを強度データと同様に順序づけることはできない。本論文では、等価き裂に換算することにより応力勾配がある場合でも、競合する欠陥寸法データを取り扱うことのできる数学的解析手法を新たに見出し、実験データに適用することにより、その有効性を明らかにした。
  • 塩田 忠, 安田 公一, 松尾 陽太郎
    セッションID: 3E20
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    セラミックスの破壊に伴い、フォトンやイオン等の粒子が放出されることは古くから知られている。フォトンエミッションとセラミックスの機械的性質の間には、相関関係があると考えられているが、ほとんど明らかにされていない。そこで本研究では、破壊に伴うフォトンエミッションについて研究例が多く、且つ機械的性質についてもよく知られている単結晶及び多結晶MgOにおいて、フォトンエミッションと曲げ強度の同時計測を行い、それらの相関関係を明らかにした。その結果、単結晶と多結晶では異なる相関関係が得られたため、相関関係に対する粒界の影響について検討した。
  • 多々見 純一, 辰巳 唯, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
    セッションID: 3E21
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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     強磁性体はトランス用コア材料や磁歪アクチュエーターなど広く利用されているが、システムの長寿命化、高信頼性化の要求を解決するためには、機械的特性、特に破壊に関する知見を得ることが必要不可欠である。本研究では、代表的な強磁性体であるMn-Znフェライトき裂進展挙動を微小領域での磁気的特性の評価が可能な磁気力顕微鏡を用いて観察した。形状像から得られる断面プロファイルから、このき裂は開口しておらずき裂を挟んで試料表面にわずかな段差を生じている様子が観察された。形状像と同時観察したき裂近傍の磁気力顕微鏡像から、き裂から約1μmの領域で片方のき裂面の領域のみ極性が反転している様子が確認された。これは、き裂進展に伴って生成したき裂を挟んだ同じ極性の領域に起因した磁気エネルギーを局所的に磁気モーメントが反転することにより安定化したことに起因すると考えられる。
  • 山川 和宏, 松本 晃, 池田 賢一, 中島 英治, 鈴木 達, 目 義雄
    セッションID: 3E22
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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     α-Al2O3の破壊におけるき裂進展挙動を結晶学的観点から調査することを本研究の目的とした。ここで、多結晶体において、そのき裂進展は粒界と粒内との二つに分けることができる。本研究では、粒内破壊時のき裂進展挙動を詳しく解明するために、単結晶α-Al2O3を用いて調査を行った。  実験方法としては、薄片にした試料を真鍮に貼り付け、四点曲げ試験によってき裂を導入した。導入したき裂周辺の結晶方位をSEM/EBSP法により解析し、き裂進展経路と結晶方位との関係を調査した。  単結晶α-Al2O3にき裂を導入したところ、へき開面の影響を強く受け、へき開面を通るような場合は直線的に、そうでない場合はジグザグに偏向するような挙動を示した。
  • 上高原 理暢, 倉内 貴司, 谷原 正夫, 井奥 洪二, 大槻 主税
    セッションID: 3G02
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    リン酸三カルシウム(TCP)は、生体吸収性セラミックスとして知られる。本研究では、骨形成の微量必須元素として知られるケイ素を添加したTCPの粉末を湿式法により合成し、これを焼結した。得られた焼結体の構造を調べたところ、粒子よりも粒界部分でケイ素濃度が高くなっていることが分かった。また、焼結体をpH=7.25の緩衝液中に浸漬したところ、ケイ素を添加した試料では、添加していない試料より小さな重量減少を示すことが分かった。TCPにケイ素を添加することで、その焼結体の生体内での溶解挙動を制御できる可能性を明らかにした。
  • 高橋 俊春, 川内 義一郎, 上高原 理暢, 井奥 洪二
    セッションID: 3G03
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    水酸アパタイト(HA,Ca10(PO4)6(OH)2)の有機物を吸着しやすい特性を利用して、HA顆粒をDDS(Drug Delivery System)として応用する研究が盛んに行われている。これまでに我々はα-リン酸三カルシウム粉末とゼラチン水溶液を混合したスラリーを油中に分散させ、その後、回収、焼成および水熱蒸気処理を施すことによって、HA柱状粒子からなる球状顆粒の作製ができることを報告した。また、合成の際に分散条件を変化させることで、その粒径を制御できることを明らかにした。HA顆粒の粒径を制御し、さらにその吸着特性をコントロールできれば、癌治療や骨再生などに応用が期待される。
  • 小野木 伯薫, 干川 康人, 朱 勝利, 王 新敏, 赤尾 勝, 杉山 直大, 安田 榮一, 吉村 昌弘, 井上 明久
    セッションID: 3G04
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    金属ガラスは、機械的強度、耐食性など既存の材料より優れた特性を持つことが知られており、これらの特性を生かした新規生体材料としての利用が期待されている。本報では、水熱プロセスを用いて、Tiを基材とした金属ガラスTi40Zr10Cu36Pd14の表面を生体活性化することを目的とした。
    Ti40Zr10Cu36Pd14丸板(直径4mm)を、リン酸水素カルシウム二水和物と水酸化カルシウムの混合粉と共に水熱ホットプレス用オートクレーブで表面処理した。擬似体液(SBF)浸漬試験により、アパタイト析出が認められたことから、その表面は十分な生体活性を有しているものと考えられる。水熱プロセスによる表面改質により、金属ガラス表面を生体活性化させることに成功した。
  • 伊藤 邦博, 中村 美穂, 田中 優実, 中村 聡, 西尾 圭史, 山下 仁大
    セッションID: 3G05
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    本研究グループでは、材料側から生体反応を積極的に制御する新規機能の付与を目的に、分極バイオセラミックスの研究に取り組んできた。分極処理を行ったハイドロキシアパタイト(HA)を試験動物に埋入した生体内試験では、その表面誘起電荷のはたらきにより、新生骨の形成・成長の促進が認められた。同時に、偏光顕微鏡を用いた観察により、新生骨が結晶配向性を有し、そのc軸方向が基板界面と垂直となることがわかった。本研究では、生体外試験の観点から、上記のメカニズムの解明を目指し、擬似生体環境に様々な生体材料を浸漬し、各表面に形成した骨類似アパタイトの結晶配向性を評価した。
  • 川下 将一, 荒木 怜, 高岡 義寛
    セッションID: 3G06
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    シリコーンゴムは、カテーテル、腹膜透析や人工呼吸器の経皮デバイスとして実用化されているが、生体親和性に乏しく、皮膚とはほとんど接着しないので、長期間経過後には生体とシリコーンゴムの境界面から皮膚組織が体内に陥入し、その陥入部位を通して細菌が感染することが問題となっている。一方、アパタイトは良好な生体親和性を示すことが知られている。従って、シリコーンゴムの表面にアパタイトを形成させれば、その生体親和性を向上させ得ると期待される。クラスターイオンは数個~数万個から成る塊状原子(あるいは分子)集団であり、多体衝突効果、高密度照射効果、低エネルギー照射効果、超平坦化効果など、クラスターイオン特有の照射効果を有する。そこで、本研究では、シリコーンゴムに種々のクラスターイオンビームを照射し、その表面構造変化および擬似体液(SBF)中におけるアパタイト形成能を調べた。
  • 六崎 裕高, 伊藤 敦夫, 坂根 正孝, 十河 友, 大矢根 綾子, 落合 直之
    セッションID: 3G07
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    皮膚貫通(経皮)して使用する創外骨折固定ピンの、皮膚界面でのトンネル感染率は30%と高率であり、患者のQOL低下、院内外ケアの負担増、院内感染の温床となっている。我々は、皮膚・血管再生能を有するFGF-2とアパタイトのナノ複合化皮膜を創外固定用チタンピン上に形成した。担持されたFGF-2はin vitro試験により活性を残していることが確認された。FGF-2-アパタイト複合皮膜をコーティングした創外骨折固定チタンピンをウサギ脛骨に経皮的に埋入すると、Tiのみ、あるいはアパタイト皮膜のみでは94%がトンネル感染(判定基準:発赤、膿潰)する厳しい条件下でも、感染率を44%に抑えることに成功した。
  • 高 美英, 川内 義一郎, 上高原 理暢, 菊田 浩一, 大槻 主税
    セッションID: 3G08
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    骨と結合する生体活性を示すケイ酸カルシウム系を基礎組成にした有機修飾セラミックスは、生体活性と柔軟性を併せ示す有機-無機ハイブリッドになり得る。これまでに出発原料としてテトラエトキシシラン (TEOS)、とカルシウム塩、およびポリテトラメチレンオキシド(PTMO)を用いて、生体活性な有機-無機ハイブリッドが合成されている。しかしその組成は狭い範囲でしか調べられていなかった。本研究ではPTMO/TEOSの重量比を20/80から90/10の範囲において、 PTMO/TEOS/ CaCl2系有機-無機ハイブリッドの合成を試み、得られた試料の生体活性を、擬似体液を用いたin vitro 実験による骨類似アパタイト層の形成によって評価した。すべての組成において、クラックや気孔がなく、均一で透明なゲルが得られた。ただし、擬似体液中で14日以内に骨類似アパタイト層を形成した組成は、PTMO/TEOS比が20/80から50/50までの範囲に限られており、有機成分の導入には制限があることが明らかになった。
  • 渡津 章, 斎藤 尚文
    セッションID: 3G09
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    リン酸カルシウムは骨と化学的に結合する材料であり、生体材料として大変有用である。ただし、もろい性質があり、大きな荷重がかかる部位での使用には限界がある。一方、チタンはオッセオインテグレーションの性質があり、強度も比較的高い。しかし、骨と化学的に結合しない。そのため、リン酸カルシウムとチタンが結合した複合材料が広く研究されてきた。本研究では、新しい鋳造法を用いたリン酸カルシウムとチタンの複合材料の作製を行った。通常では界面に大きな欠陥が生ずるが、その部分の温度制御によって、欠陥を少なくすることに成功した。
  • 田畑 泰彦
    セッションID: 3G13
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    先端医療の実現と医療を支える生物医学研究の進歩のために、多くのバイオマテリアルが利用されている。高分子、セラミックス、金属、あるいはそれらの複合体からなるバイオマテリアルを利用した細胞の増殖、分化のマニピュレーション、またはバイオマテリアル修飾によりタンパク質や核酸物質などの生物作用を高めるドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究が進められている。近年、増殖、分化能力の高い幹細胞の研究が進歩し、それらの細胞の能力を活用した生体組織の再生誘導治療(=再生医療)が現実味を帯びている。本講演では、この再生誘導治療に代表される先端医療と生物医学研究におけるバイオマテリアルの必要性を強調する。
  • 井川 信彰, 近江 靖則, 木村 辰雄, 佐野 庸治
    セッションID: 3G16
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    非晶質リン酸カルシウムは、安定相であるアパタイトへの相転移が容易に起こるために生体骨との結合が速く、人工骨材料としての応用が期待される。しかし、非晶質リン酸カルシウムは構造安定性が低く、その合成も容易ではない。最近、我々は、エタノールと水混合溶媒中で結晶性リン酸カルシウムの生成を抑制することにより、リン酸カルシウムとヘキサデシルアミン界面活性剤との複合化に成功した。本研究では、この手法を詳細に検討した結果に加え、リン酸カルシウムとアミノ酸との複合化並びに擬似体液中での複合体からアパタイトへの相転移を調査した。
  • 稲垣 雅彦, 斎藤 隆雄, 亀山 哲也
    セッションID: 3G17
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    高周波プラズマ溶射を用いて,基材表面に対して垂直方向にc軸が優先配向した水酸アパタイト(HA)皮膜を形成した.溶射時に形成されるHA皮膜中の副生成物相を熱処理と水熱処理の併用により除去した.等電点(pI)の異なるFITC標識したタンパク質の皮膜表面への吸着を蛍光顕微鏡で観察した.皮膜表面へのタンパク質の吸着と形成した配向皮膜の配向度との関係について検討した.
  • 奥村 承士, 齋藤 悠, 清水 和明, 小西 智也, 曽我 公平
    セッションID: 3G18
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
     Y2O3ナノ粒子にはアップコンバージョン発光利用した新たなバイオイメージング用プローブへの応用が期待される。Y2O3ナノ粒子は各種の溶液析出法により得られる前駆体を焼成して得ることができるが粒子が弱く焼結してしまうため、ナノ粒子分散体を得るには壊砕工程が必要となる。本研究ではY2O3前駆体粒子を焼成する際にK3PO4を前駆体粒子間に介在させた状態で焼成を行った後介在するK3PO4を水に溶解することにより、壊砕を経ずにY2O3ナノ粒子分散水溶液を得た。得られた試料はY2O3の単一結晶相であった。また粒子沈降速度を測定したところ本方法により得られた分散体は、高い分散性を示すことがわかった。
  • 大矢根 綾子, 鶴嶋 英夫, 伊藤 敦夫
    セッションID: 3G19
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    発表者らはこれまでに、BHK細胞を用いた実験により、ラミニン担持アパタイト層による遺伝子導入効率が、アパタイト層による導入効率よりも約一桁高く、脂質系遺伝子導入剤に匹敵することを報告してきた。本研究では、アパタイト層中へのラミニン担持量を変化させ、遺伝子導入効率に与える影響を評価した。その結果、ラミニン担持量の増加に伴い、遺伝子導入効率が向上することが分かった。また、種々の細胞を用いた実験により、本遺伝子導入システムが、BHK細胞以外にも様々な細胞に対して有効であることが分かった。ラミニン担持アパタイト層による遺伝子移行システムは、安全で高効率な遺伝子導入法として有用と期待される。
  • 古薗 勉, 岡田 正弘, 小粥 康充
    セッションID: 3G20
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    粒径および形態を制御し、分散性を高めた高結晶性(焼成)ハイドロキシアパタイト(HAp)ナノ単結晶を高分子基材界面へ強固に共有結合で結合させたソフトナノセラミック・プロセッシングを開発した。この製造方法を用い、感染防止を目的とした中心静脈カテーテル、グラフトおよびステントなどの医療機器を開発している。本セッションでは、高分散性・高結晶性HAp単結晶製造法(マトリックス支援焼成法)およびナノ無機・有機複合化法(ソフトナノセラミック・プロセッシング)による材料開発、フロック加工による医療機器の製造プロセス、そして動物実験による効能評価について発表する。
  • 木田 弘毅, 堀口 悠紀子, 織部 一弥, 森末 光, 松本 守雄, 戸山 芳昭, 相澤 守
    セッションID: 3G21
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    アパタイトセラミックスは整形外科領域で緻密体・多孔体・顆粒・セメントなどの形状で幅広く利用され、その中でアパタイトセメントは任意の形状に加工できるという特長をもつ。従来のセメントは酸性のリン酸水素カルシウムと塩基性のリン酸四カルシウムとを適切な混練液で混ぜてアパタイトを形成させて硬化させる。我々はこのような酸-塩基反応を伴わない全く新しいセメントの開発を進めている。すなわち、生体関連物質のイノシトールリン酸をアパタイト粒子の表面に修飾し、そのキレート能を活用して短時間でpH変動を伴わずに単一成分で硬化するセメントの開発に成功している。本発表では、作製したセメント試料片の生体適合性を骨芽細胞を用いたin vitro評価およびウサギ脛骨へのインプラント実験によるin vivo評価を行なったので、その結果を報告する。
  • Jiang Hong, 熊田 伸弘, 米崎 攻記, 武井 貴弘, 木野村 暢一
    セッションID: 3H01
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    水熱反応によってペロブスカイト型ビスマス酸化物を合成し、その結晶構造および特性を明らかにしたのでその結果について報告する。
  • 川野 哲也, 高橋 純一, 山田 高広, 山根 久典
    セッションID: 3H02
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    希土類,コバルト,ルテニウムの各酸化物粉末を所定のモル比で乾式混合し,大気中にて,1673 Kの温度で加熱する固相反応法により,四元系酸化物を合成した.得られた多結晶体試料の粉末X線回折パターンを用いたリートベルト解析により,格子定数や原子座標などの結晶構造パラメータを精密化した.また,およそ300 Kから1000 Kの温度範囲で,電気伝導率とゼーベック係数の温度依存性を測定し,出力因子を算出し,高温領域における熱電特性を評価した.そして,種々の希土類元素で合成された酸化物の結晶構造と格子定数および高温領域における熱電特性を比較し,その変化について調査した.
  • 杉浦 健二, 太田 裕道, 石田 行章, 野村 研二, 平野 正浩, 細野 秀雄, 河本 邦仁
    セッションID: 3H03
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    層間状態の変化により高熱起電力や超伝導など多彩な機能性を発現する層状コバルト酸化物の熱電変換性能向上と新機能発現を目指し、本研究ではその設計指針を確立するため、反応性固相エピタキシャル成長+イオン交換という独自薄膜作製法により作製したCa0.32CoO2エピタキシャル薄膜を用いて、その層間状態とキャリア輸送特性を調べた結果、層間のCaイオンのオーダリングの変化によって金属状態から絶縁化することを見出した。
  • 山本 晃久, 岩崎 航太, 山根 久典, 武田 隆史, 吉野 正人, 有田 裕二, 長崎 正雅, 松井 恒雄
    セッションID: 3H04
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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     本研究ではBa3Co2O6(CO3)0.7の単結晶試料をフラックス法により合成し、その結晶構造解析を行った。Ba3Co2O6(CO3)0.7の空間群はP-6、格子定数はa=9.6936(4)Å、c=4.75707(17) Åであった。Ba3Co2O6(CO3)0.7はCoO6八面体が面共有でc軸方向に配列したCo-O一次元鎖を有し、Baは各Co-O鎖の間に位置する。その構造は2H-ペロブスカイト型のBaCoO3と類似しているが、Ba3Co2O6(CO3)0.7においてはBaCoO3構造にみられるCo-O鎖の3本に1本が,CO3炭酸基が統計的に配置するサイトに置き換えられている点で構造が異なる。また、Ba3Co2O6(CO3)0.7の導電率を評価したところ、Co-O鎖方向において金属的な挙動が観察された。
  • 礒部 正彦, 山内 徹, 植田 浩明, 上田 寛
    セッションID: 3H05
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    最近我々が見出した、3つの遷移金属酸化物の新奇な相転移について報告する。1つ目は、NaTiSi2O6における、軌道秩序を伴うスピンパイエルス的な相転移。2つ目は、3次元的なスピネル酸化物MgTi2O4におけるパイエルス的な金属-絶縁体転移。3つ目は、混合原子価をもつホーランダイト型酸化物K2V8O16における電荷秩序転移である。それぞれ構造、合成、物性について報告する。
  • 分島 亮, 山村 和広, 日夏 幸雄, 松平 和之
    セッションID: 3H06
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    希土類元素を含むパイロクロア型オスミウム酸化物Ln2Os2O7を合成し、その電気伝導性と磁気的性質について調べた。この化合物群の電気伝導性はいずれも金属的挙動を示した。また、その磁気的性質は希土類元素によって異なり、SmおよびNd化合物では、4f電子の長距離磁気秩序が見られたのに対し、Dy, Gd化合物では低温でフラストレートした磁性を示すことを見出した。
  • 下田 有紀, 土井 貴弘, 日夏 幸雄
    セッションID: 3H07
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
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    RuイオンとLnイオンを共に含む新規ペロブスカイト関連化合物Ba4LnRu3O12を合成した。粉末X線回折、粉末中性子回折(いずれも室温)の結果、これらの化合物はRu3O12トライマーとLnO6八面体が頂点を共有してつながった12L-タイプの結晶構造をとることが明らかになった。磁化率はCurie-Weiss則に従わない温度依存性を示し、室温での有効磁気モーメントはスピンのみの理論値よりも小さな値となった。これはトライマー内のRu間に強い反強磁性相互作用の存在を示唆している。また、Ln=Ceを除く全ての化合物が低温で長距離磁気秩序によると考えられる磁気異常を示し、比熱の測定結果にも対応する温度で異常が現れた。
  • 片岡 邦光, 高橋 靖彦, 木嶋 倫人, 早川 博, 秋本 順二, 大嶋 建一
    セッションID: 3H08
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    Ba-Ti-O系酸化物において、Ti3+を有する化合物がこれまでに数種類報告されている。その中でも六方昌系BaTiO3-xについては、酸素欠損に伴う電気伝導率の変化が報告されている。一方で、Ba2Ti13O22、Ba1+xTi8O16等については物性に関する報告はほとんどない。これはTi3+を含有することから本系の合成が非常に困難であり、詳細な合成法が不明であるあることが原因であると推測される。 今回、既報の合成方法を再検討し、良質なBa2Ti13O22、Ba1.2Ti8O16試料の合成に成功したので、結晶構造、物性測定結果について報告する。
  • 土井 貴弘, 阿部 恭輔, 日夏 幸雄
    セッションID: 3H09
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    六方晶Ba6Nd2Fe4O15型構造を持つ酸化物の合成を行い、粉末X線回折・中性子回折により結晶構造を明らかにした。この構造では、磁性イオンは八面体サイトと四面体サイトを占有する。磁化率の特異な温度依存性が観測され、八面体-四面体サイト間の強い磁気的相互作用によって、磁気的なクラスターとして振る舞っていることが明らかになった。この一連の化合物は、クラスターを構成する磁性イオン自体の性質、クラスター内相互作用、クラスター間相互作用の違いにより、低温で反強磁性からフェリ磁性、また、スピングラス的挙動といった様々な磁気的挙動示すことが明らかになった。比熱や中性子回折等の測定を行って、その磁気的挙動の解明を試みた。
  • 福田 功一郎, 久村 美由紀, 岩田 知之
    セッションID: 3H13
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    新物質である層状炭化物の合成に成功し,X線粉末回折法で結晶構造の決定と精密化を行った.この物質は厚さが数十ナノメートルの「電気伝導度の比較的高い層」と「比較的低い層」が交互に積層した結晶構造を示すことから,n型熱電変換材料への応用を着想し,その評価を行った.
  • 藤 祐輔, 嶋田 志郎
    セッションID: 3H15
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    成膜用原料としてアルコキシドを使用し、熱プラズマCVD法でTiB2-SiC複合膜を作製した報告はない。我々は、熱プラズマCVD法で原料にチタニウムテトラエトキシドとヘキサメチルジシロキサンの混合溶液を用い、約800℃でSiウエハーとWC-Co基板上にTiB2-SiC複合膜を作製し、XRD、SEM、TEM、ボールオンディスク法による摩擦係数測定、微小硬度測定で評価した。XRDから複合膜は結晶性の良いTiB2、TiCとSiC微粒子からなることがわかり、膜厚は2~3μmで微小硬度は最高値で20 GPaを示した。
  • 川村 文洋, 山根 久典, 山田 高広, 殷 シュウ, 佐藤 次雄
    セッションID: 3H16
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    フラーレンもしくはアモルファスカーボンとSiを原料とし,これらに金属ナトリウムを加えることにより,Ar雰囲気下1000Kの加熱でβ型SiCを合成することができた.この新しい合成法では,炭素とSiの混合原料成型体に直接ナトリウムを加えた場合にはナノ粉体が,Na蒸気中で加熱した場合には多孔体が得られた.また,木材を炭化して得た活性炭をNa-Si混合融液に浸すことにより,木材細胞壁の高次構造を保ったβ-SiC多孔体を合成することができた.
  • 三浦 章, 嶋田 志郎, 関口 隆史, 横山 政昭, 溝渕 文章, 北村 寿朗
    セッションID: 3H17
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    GaNへの不純物ドーピングは、その電気・光学特性に大きな影響を及ぼす。しかし、高濃度のドーピングが結晶の特性に与える影響は余り解っていない。そこで我々は、Ga2O3の炭素還元によって発生したGa2Oガスを約1200℃、NH3雰囲気で窒化することで、0.5 –1 at.%の高濃度の酸素を含む1-3 mmのGaN単結晶を育成し、その特性を評価した。育成した結晶は高結晶性と高電子密度 (>1019 cm-3)を有し、そのバンドギャップ付近の発光は約120 meVのブルーシフトを起こすことがわかった。このシフトを、酸素置換したGaN超格子の電子状態密度計算結果に基づいて説明した。
  • 山中 浩悦, 武田 隆史, 吉川 信一
    セッションID: 3H18
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    巨大飽和磁化をもつとされるFe16N2微粉体が、低温窒化法によって合成できることを既に報告した。低温窒化法は酸化鉄を原料とし、水素還元して得たα-Fe微粉体を低温で窒化する。このため、アンモニアガスの純度や反応管の径および原料の含水量により反応性が大きく異なり、残留水分が窒化反応性に大きく影響することが判った。 さらにXRDではFe16N2の単一相でも、メスバウアスペクトルには常磁性の成分が混在しいており、磁化はα-Fe程度の値であった。常磁性の原因は試料のわずかな酸化や窒素原子の不規則配列であると考えられ、酸化防止およびアニールによる窒素原子の配列規則化による磁気特性の向上についても検討する。
  • 手塚 慶太郎, 南保 太郎, 野澤 昌孝, 単 躍進, 井本 英夫
    セッションID: 3H19
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    R2CrS4 (R=Y, Dy-Lu)は,ヤーン・テラーイオンである二価のクロムを含んだ化合物であることから,結晶構造や磁気的性質に興味が持たれる。これまで,Er2CrS4に関してのみ結晶構造解析の報告があるが,他は知られていない。そこで,本研究では,これらの化合物の結晶構造と磁気的性質について調べた。結晶構造については,R2CrS4(R=Y, Dy-Tm)は,Er2CrS4と同型の構造をしていることが分かった。Ybの場合は,Ybの一部が2価になっていた。Lu2CrS4は,これまでにない新しい結晶構造をしていることを見いだした。磁気的性質や磁気構造についても調べた。
  • 阿部 充, 手塚 慶太郎, 単 躍進, 井本 英夫
    セッションID: 3H20
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は, 2価のクロムを含む新規複合硫化物の合成を目的とした。2価のクロムを含む複合硫化物はあまり知られておらず, また, 2価のクロムは[Ar]3d4電子配置であり, ヤーン・テラー歪みを生じ易く, 興味深い結晶構造をとることが期待できる。そこで, ルテチウムとカルシウムを含むLu-Cr-Caの系において原料の仕込み比を変化させて, 新規化合物の探索とその結晶構造の解析を試みた。
  • 篠崎 和夫, 林 聖悟, 木口 賢紀, 田中 順三, 脇谷 尚樹
    セッションID: 3L01
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    Epitaxial Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3 (PMN-PT) thin films were fabricated successively on (La,Sr)CoO3/CeO2/ YSZ coated Si substrates by double-pulse excitation PLD with and without a mask. For double-pulse excitation PLD without a mask in conditions of Nd:YAG laser irradiation before defocused KrF-excimer-laser irradiation, the surface roughness of PMN-PT thin films was rather less than that of the films fabricated using Nd:YAG single laser PLD. Thin films with smoother surfaces were deposited at the high deposition rate of 5.6 nm in-1 using the mask and the double-pulse excitation PLD method in conditions of irradiation of Nd:YAG laser after KrF excimer laser at 0.5 micro second delay. We succeeded to make a optoelectric thin film of Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3.
  • 高  鉉龍, 脇谷 尚樹, 木口 賢紀, 吉岡 朋彦, 田中 順三, 篠崎 和夫
    セッションID: 3L03
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    Si基板上に酸化物をエピタキシャル成長させるための基本的なバッファー層の一種である蛍石構造CeO2/YSZ薄膜上に、SrTiO3(STO)をはじめとして、ほとんどのペロブスカイト型絶縁性酸化物を成膜すると、(110)配向することが知られている。これに対して、(La0.5Sr0.5)CoO3 (LSCO)を成膜すると(001)配向すること、SrRuO3(SRO)の場合には完全な(001)配向膜を作る事が困難で(110)配向が混在しやすいことなどが経験的に知られている。しかしながら、その原因は必ずしも明らかではない。本研究ではRHEED観察によりCeO2上におけるSROを(001)配向させるための条件を明らかにすることを目的とする。
  • 秋山 幸太, 原 和香奈, 加藤 侑志, 吉本 護, 佐伯 和彦
    セッションID: 3L04
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    電子デバイス応用の観点から期待されているSiCは熱伝導度や融点が高いため大電圧、大電流、高温下での半導体としての利用が期待されている。また、SiCはSiと比較して数倍の絶縁破壊電界を持ち、キャリア濃度を低く調整することでSiより数桁高い絶縁性を得ることが出来る。このため、酸化皮膜を用いることなしに高抵抗の高周波デバイス用基板として利用できる可能性がある。今回は、そのための良質な結晶性と高絶縁性を併せ持つSiC薄膜の合成を目指して、PLD法を用い、単結晶サファイア(α-Al2O3)基板上に窒化物系バッファ層を用いた場合のSiC薄膜のエピタキシャル成長と結晶性制御の可能性について検討した。
  • 舟窪 浩, 永井 篤史, 南館 純, Choi Chel Jong, Koo June-Mo, Park Youngsoo
    セッションID: 3L05
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    PZTの3次元キャパシタ作製をMOCVD法で試みたので報告する。膜厚の均一性のみならず、組成の均一を確保するため、原料の選択、製膜条件、電極とPZTの最適化を行った。
  • 廣瀬 左京, 中山 晃慶, 新見 秀明, 景山 恵介, 鷹木 洋
    セッションID: 3L06
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
     我々は、現在次世代不揮発性メモリーとして注目を浴びている巨大抵抗スイッチング現象が多結晶体SrTiO3/Pd積層素子でも発現することを見出した。  フォーミング処理後に電流-電圧特性において大きなヒステリシスが見られ、+方向で高抵抗⇒低抵抗状態、-方向極性で低抵抗⇒高抵抗状態へのスイッチングが発現した。また抵抗状態を±50V以上の電圧パルスを印加することでも制御することができ、最大2桁の大きな抵抗変化率を得た。大きなスイッチング電圧、大きな抵抗変化率、インピーダンス測定の結果などから、本現象は電極界面だけでなく、SrTiO3粒界で抵抗スイッチングが起こっているものと考えられる。
  • 安田 喜昭, 谷 雅直, 赤松 雅洋
    セッションID: 3L07
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/10/02
    会議録・要旨集 フリー
    高密度プラズマを利用したアーク放電イオンプレーティング法(ADRIP)によって膜厚が3μm以上のPZT厚膜を高速に(~5μm/h)成膜する技術を開発し、MEMSデバイスの駆動源となる圧電マイクロアクチュエータの形成に適用した。このアクチュエータで駆動される共振型2次元光スキャナを試作し、レーザ光のラスタースキャンを基本とするプロジェクションディスプレイの可能性を示した。さらに、複数の圧電マイクロアクチュエータを折り返し構造で連結することにより、非共振駆動によっても従来の共振駆動と同等の振れ角を得ることに成功した。この非共振アクチュエータを垂直走査に用いることにより、VGA表示が可能な2次元光スキャナを試作することができた。
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