-
横田 俊大, 加藤 英樹, 垣花 眞人
セッションID: 2H06
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
TiO
2にGa
3+とSb
5+またはTa
5+を共ドープすることで、TiO
2の光触媒特性の制御をおこなった。GaとSb(Ta)ドープ量の増加に伴って吸収端が低波長側にシフトすることが確認された。Ti
1-2xGa
xSb
xO
2 (x=0.02-0.1)でのO
2生成はTiO
2より高くなった。しかし、H
2生成においては金属イオンのドープによって低下することがわかった。この活性低下の理由を明らかにするため電気化学測定をおこなったところ、金属イオンのドープによりTiO
2表面の活性点が失われている可能性が示唆された。
抄録全体を表示
-
中村 美穂, 岡林 留美, 永井 亜希子, 山下 仁大
セッションID: 2J02
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
分極処理を施した水酸アパタイト粉体とフィブロインタンパク質の複合材料を作製し、血管内皮細胞挙動に対する効果を検討したところ、遊走性および管腔構造形成能に対する効果が認められた。また、豚全層皮膚欠損モデルにおいて創傷治癒効果を検討したところ、創傷治癒を早めることが認められた。
抄録全体を表示
-
鴈本 拓也, 島田 愛生, 安冨 由美子, 本田 みちよ, 水本 みのり, 松成 ひとみ, 竹内 靖浩, 長嶋 比呂志, 相澤 守
セッションID: 2J03
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
我々はこれまでにアパタイトファイバー (AF) を用いて、三次元培養が可能であり、骨芽細胞の分化を誘導する「アパタイトファイバースキャフォルド (AFS) 」を開発している。最近、我々は AFS 前駆体成形時に一軸加圧を加え、さらに 150 μm および 20 μm のカーボンビーズ (CB) を併用することで AFS の高強度化にも成功している [1]。本研究では、その高強度化AFSをクサビラオレンジ蛍光遺伝子を導入したブタ (huKO ブタ) の脛骨に埋入し、その硬組織適合性を評価した。
抄録全体を表示
-
重光 勇介, 本田 みちよ, 水本 みのり, 松成 ひとみ, 竹内 靖浩, 長嶋 比呂志, 相澤 守
セッションID: 2J04
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
骨腫瘍や骨折等の治療のために骨補填を必要とする場合があり、水酸アパタイト(HAp)やβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)などのバイオセラミックスが現在臨床応用されている。我々はこれまでにリン酸カルシウムファイバーを出発物質として、骨侵入の可能なマクロ気孔と栄養分の供給の役割を果たすミクロ気孔を兼ね備えた多孔質β-TCPセラミックスの作製に成功している。一方、長嶋らはクサビラオレンジ蛍光遺伝子を導入したクローンブタ(huKO)の作出に成功している。本研究では、作製した多孔質β-TCPセラミックスをhuKOブタの脛骨に埋入し、その硬組織適合性について調査した。
抄録全体を表示
-
早川 英, 兵藤 宏, 曽我 公平, 山野 友義, 岸本 英博
セッションID: 2J05
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
多孔質セラミックスは次世代生体内フィルターとしての応用が期待されており、その応用例の一つに、糖尿病治療を目的とした膵島移植用の免疫隔離デバイスが挙げられる。このデバイスの免疫隔離層には、酸素やブドウ糖、インスリンを透過しつつも、免疫系のタンパク質を透過しない機能が求められる。本研究では、多孔質セラミックスを用いて免疫隔離デバイスを構築し、多孔質セラミックスの空隙率または細孔径が物質透過性能及び免疫隔離機能に与える影響を検討することを目的とした。ブドウ糖透過性能評価の結果、空隙率が2倍程度異なるデバイスの拡散係数の差は40倍以上であった。デバイスに癌細胞を入れてin vitro及びin vivo環境における細胞生存率を求めた結果、全ての条件で高い生存率を示した。
抄録全体を表示
-
檜木 達也, Zhong Zhihong
セッションID: 2K01
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
炭化珪素のエンジニアリングセラミックスとしての利用範囲を広げるためには、金属材料との接合技術開発が必須である。しかしながら、ステンレス等の金属との接合は、特に熱膨張係数の大きな違いから健全な接合を得るのは非常に困難である。本研究では、これらの問題を解決するために界面層を導入し、炭化珪素とステンレスの接合技術の開発を目的とした。熱膨張係数差を緩和するためにニッケル層を導入し、炭化珪素とニッケル層との反応を制御するために間にタングステン層を入れることにより、引張強度で55MPaを有する健全な接合技術開発に成功した。
抄録全体を表示
-
堀田 幹則, 近藤 直樹, 北 英紀, 井筒 靖久
セッションID: 2K02
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
窒化ケイ素パイプを局所ヒーター加熱で接合して、窒化ケイ素長尺パイプを作製した。インサート材として、サイアロンガラス組成からなるSi3N4-Y2O3-Al2O3-SiO2混合粉末を用いた。窒化ケイ素パイプを接合するために、パイプ接合部の近傍を1600度、保持1時間、加圧力5MPa、窒素気流中で加熱した。長さ1メートルの窒化ケイ素パイプ3本を接合することで、接合部に隙間や剥離の無い、全長3メートルの窒化ケイ素長尺パイプを作製することができた。得られた長尺パイプ接合体から切り出した試験片の室温での4点曲げ強度は平均680MPaであった。
抄録全体を表示
-
宮崎 広行, 北 英紀, 堀田 幹則, 井筒 靖久
セッションID: 2K03
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
大型で高純度なセラミックスの構造部材を接合により作製するために、アルミナスラリーを用いた接合法を開発した。被接合材としたアルミナブロックの被接合面にアルミナスラリーを塗布して、両面をつき合わせて乾燥させ、中間層の厚みを30~100 μmとした。この仮接合体を1650
oCで2時間、大気中で焼結し接合体を得た。JIS R1601に準じ、接合体から曲げ試験片を作製し4点曲げ試験を行ったところ、283MPaの高い接合強度が得られた。接合断面のSEM観察から、この接合中間層は、粗大独立気孔と不十分な焼結領域と、ほぼ緻密領域から構成されており、接合中間層内を水平に横切るき裂や接合界面でのき裂は観察されなかった。
抄録全体を表示
-
関根 圭人, 熊澤 猛, 日向 秀樹, 北 英紀
セッションID: 2K04
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
低温接合プロセスは大型及び複雑形状のセラミックス部材製造において省エネの観点から注目されている重要な技術である.今回,薄いアルミニウム箔を用いることによって,低温(1000℃)にて炭化ホウ素セラミックスの接合に成功した.アルミニウムを用いた炭化ホウ素セラミックスの抗折強度は母材である炭化ホウ素とほぼ同等であり,高い抗折強度が得られた.透過型電子顕微鏡(TEM)による接合界面の観察により,炭化ホウ素とアルミニウムの接合界面には気孔や亀裂は見られず,アルミニウムと炭化ホウ素が結合していた.それにより,アルミニウムによって接合された炭化ホウ素は高い抗折強度が得られたものと思われる.
抄録全体を表示
-
牧 裕司, 田中 洋介, 熊澤 猛, 関根 圭人, 日向 秀樹, 北 英紀
セッションID: 2K05
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
炭化ホウ素セラミックスは優れた特性を示す構造用セラミックスの一つである.しかし,炭化ホウ素は高価であること,また,導電性を示すことから絶縁性の求められる部材への応用は困難であった.そこで,炭化ホウ素と酸化物セラミックスを,金属アルミニウムを用いて接合を試みた.炭化ホウ素とアルミナとの接合体は,高温での接合条件ではアルミナ中に一部亀裂が認められたのに対して,炭化ホウ素中には亀裂は認められなかった.得られた接合体の強度は,接合温度900℃で作製した試料で母材の炭化ホウ素セラミックスとほぼ同じ値を示した.これらのことから,接合により,炭化ホウ素と異種材料による部材化の可能性が明らかになった.
抄録全体を表示
-
山川 千尋, 伊藤 滋, 藤本 憲次郎
セッションID: 2L01
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ホーランダイト型複合酸化物は、一次元イオン導電体や放射性廃棄物固定化体だけでなく、近年では窒素酸化物選択還元触媒としての機能も検討されている。触媒機能を評価する上で、試料表面に対するガスの吸着サイトを解明することは重要である。本研究では、K
xGa
xTi
8-xO
16(KGTO, x~1.6)とK
yGa
ySn
8-yO
16 (KGSO, y~2.0)について、拡散反射赤外分光法を用いて構造と吸着の関連性を調査した。各粉末試料に対して室温から700℃までのNO吸着状態を観察したところ、KGTOでは200℃、KGSOでは400℃でNO脱離が完了した。また、ピークの強度差からKGTOよりもKGSOの吸着量が多いと考えられる。この違いはKGTOとKGSOの表面構造の違いに起因すると考えられる。また前処理ガスを制御することによりNO吸着に顕著な変化も見られた。
抄録全体を表示
-
増井 敏行, 辻本 総一郎, 今中 信人
セッションID: 2L02
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
還元剤の添加なしに、一酸化窒素を直接、窒素と酸素に分解可能な触媒を開発した。この触媒は、格子内に大きな隙間を有する立方晶C型希土類酸化物構造をとる酸化イットリウムを母体とし、複数の酸化数を取るTb
3+/Tb
4+及び+2価のBa
2+をそれぞれ固溶させた複合酸化物である。本研究の触媒を用いることにより、O
2非共存下900℃でNOの100%浄化を実現した。さらに、O
2、CO
2またはH
2O共存下のいずれにおいても高いNO直接分解活性が得られた。
抄録全体を表示
-
守屋 正輝, 増田 剛司, 永井 正幸, 宗像 文男
セッションID: 2L03
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ディーゼルエンジンから排出される黒煙微粒子(Diesel Particulate : DP)は、窒素酸化物と共に排出の低減が強く望まれている。現在DPの酸化除去には貴金属触媒材料が用いられているが、高価であり、低温では十分なDP酸化除去能が得られていないため、より安価で高活性の新規触媒材料が求められている。ペロブスカイト構造複合酸化物に注目し、LaサイトへSrを置換した La1.5Sr1.5Mn2O7は、低温活性が優れている事が報告されている。本研究ではさらに、Mnサイトへの部分置換元素(Mn, Fe, Ni, Cu)を検討し、Cuが最も低温活性に優れている事を明らかにした。
抄録全体を表示
-
濱本 孝一, 鈴木 俊男, 藤代 芳伸, 淡野 正信
セッションID: 2L04A
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
地球温暖化の原因とされるCO
2の排出削減や環境規制等に対する技術への関心が一層高まっている。自動車においては、ガソリンエンジンに比べて燃料の動力変換効率が高いディーゼルエンジンがCO
2排出削減の有効な手段として注目されている。しかしながら、ディーゼルの薄燃焼条件では燃焼温度や圧力の上昇に伴い大量の窒素酸化物(NOx)を排出するため、実用的に空燃比を大きくした高効率運転は難しい。NOxは、光化学スモッグや酸性雨の原因としてだけではなく人体へ直接的な健康被害を与えるため、世界的に環境排出基準が年々強化されている。近年開発されている高効率エンジンの高濃度共存酸素を含む排ガスでは、従来の三元触媒が十分に機能しないために、新たな触媒が開発されているが更なる規制強化への対応、小型化や二次的な汚染物質の排出が問題となっている。我々は、触媒に変わる新たな技術の一つとして、ガス浄化のニアゼロエミッション化に理想的な電気化学反応を利用したNOx浄化リアクター等についての検討を行っている。本発表では、従来、不可能と考えられていた高濃度酸素共存下における選択的なNOx浄化を実現した電気化学リアクターの電極開発の過程と今後の研究課題等について紹介する。
抄録全体を表示
-
藤井 亮太, 野中 俊彦, 奥谷 昌之
セッションID: 2M01
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
次世代の太陽電池として期待されている色素増感太陽電池(DSSC)の中で、固体型DSSC は耐久性に優れるが、電解液型に比べ変換効率が低いことが課題である。低効率の原因の一つとして、多孔質TiO
2 層内部におけるp 型半導体CuI 電解質の充填率が低いことが考えられる。本研究では、CuI 層堆積時に真空条件下でCuIアセトニトリル飽和溶液を滴下することにより、多孔質TiO2 層内への浸透を促進させ、セル内の電子輸送を向上させることで、変換効率の向上を試みた。
抄録全体を表示
-
村本 亮祐, 山? 友貴, 坂井 延寿, 山田 直臣, 一杉 太郎, 長谷川 哲也, 奥谷 昌之
セッションID: 2M02
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
アナターゼ型TiO
2 にNb をドープしたTi
1-xNb
xO
2(TNO)はas-deposited の状態では絶縁体であるが、還元アニールを行なうことで高い電気伝導性を示すことから、新規透明導電膜材料として注目されている。色素増感太陽電池において、透明導電膜としてTNO 膜を利用することにより、多孔質TiO
2 層とのホモ接合の実現により、電池特性の向上が期待される。そこで本研究では、TNO透明導電膜を利用した色素増感太陽電池の作製を試みた。
抄録全体を表示
-
金 長烈, 関野 徹, 田中 俊一郎
セッションID: 2M03
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
色素増感型太陽電池(Dye-Sensitized Solar Cell, DSSC)の光電極として酸化チタンが広く用いられている。特にナノロッド・ナノチューブなどの低次元ナノ構造を持つ光電極ではその低次元性や高い比表面積のため、一般的なナノ粒子からなる多孔体電極に比較して効率の改善が期待できる。本研究では低温での溶液化学プロセスで合成される酸化チタンナノチューブ(TNT)を用い、その高比表面積や長い電荷寿命など低次元ナノ構造に由来した物理的・化学的特性を活かし、プロセス条件や固溶法などを用いた構造や形態制御による高効率化を目的とし、これまで出発原料サイズの選択による多様な直径を持つTNTや、固溶型酸化チタンを原料として用いたTNTでは、これらサイズなどに依存して効率が向上することなどを見いだしてきた。本研究では更なる特性改善を目的に、水/エタノール混合溶媒を用いてTNTを合成し、形態などに与えるプロセス因子を明確にすると共に、合成したTNTをDSSC光電極として用いてプロセスおよび構造と発電特性との関連を調べた。
抄録全体を表示
-
喜々津 伸一, 宮崎 英敏, 鈴木 久男, 安達 信泰, 太田 敏孝
セッションID: 2M04
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
SmNiO
3は金属絶縁体転移を示す物質であり、この性質からSmNiO
3を薄膜として作製することにより、赤外線領域の光に対して、温度によって透過率を制御することが可能となる。本研究では酢酸サマリウム、硝酸ニッケルを出発原料として用い、シリコンウェハー、および石英ガラスを基板とした水溶液法によりSmNiO
3薄膜の合成を試みた。得られた薄膜について透過率の温度依存性を評価した。
抄録全体を表示
-
田口 富嗣, 社本 真一
セッションID: 2M05
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Si
3N
4は、優れた高温機械特性を持つだけでなく、電気的及び光学的にも優れた機能を有しているため、幅広い分野への応用が期待されている。これまでに、Si
3N
4ナノベルト等の一次元ナノ材料が合成されてきた。しかしながら、二次元構造であるナノシートの合成は、まだ行われていない。本研究では、Si粉末を窒素雰囲気で熱処理するという簡便な方法において、熱処理温度や窒素ガス流量を変化することにより、単結晶Si
3N
4ナノワイヤー、ナノベルト及びナノシートの合成に成功したので報告する。このようにして、合成されたナノシートの厚さは、1.5から4nmと非常に薄いため、両端が丸まることが可能であることから、単結晶Si
3N
4ナノチューブ等の新たな材料開発に寄与できると考えられる。
抄録全体を表示
-
苗 承昱, 山口 朋浩, 北島 圀夫, 遠藤 守信, 齋藤 直人, 樽田 誠一
セッションID: 2P001
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
カーボンナノチューブ(CNTs)は高弾性,高強度および高アスペクト比を有するため強化繊維として有望とされている。そのCNTsの一種としてカップを積み重ねた構造のカップスタック型カーボンナファイバー(CSCNFs)が知られている。しかし、CSCNFsをセラミックスと複合化した例はない。そこで、本研究では、分散性を高めるためにジェットミル処理したCSCNFSとアパタイトを複合化し、その焼結挙動と機械的性質を検討した。
真空焼成した複合体の相対密度は97%に達した。XRD分析より950℃以上でβ-TCPの小さなピークが現れ、一部のHAPが分解したことがわかった。しかし、1150℃まで温度が高くなってもβ-TCPの回折ピーク強度はほとんど変化しなかった。1150℃で真空焼成した複合体の破断面のSEM観察より、CSCNFは複合体中に均一に分散混合されていることが確認できた。研磨面では微細な気孔が観察されたが、緻密化した状態であることがわかった。しかし、破断面において多層CNFsの場合と比べると、引き抜かれているCSCNFsの長さが短く、複合体の破断の際にCSCNFsは切断しやすいことが推測された。
抄録全体を表示
-
吉田 道之, 下間 尊弘, 尾畑 成造, 櫻田 修
セッションID: 2P002
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Ti
3AlC
2の粒子はナノの厚さの平板が積層した層状構造を有しており、その焼結体は高い弾性率、耐酸化性など一般的なセラミックスに見られる性質に加えて、快削性、耐熱衝撃性、損傷許容性などの金属的な性質を有していることがこれまでの研究で明らかにされている。六方晶に分類されるTi
3AlC
2の結晶粒子の形状は板状であり、その力学特性は異方性を示す。異方性材料は配向制御などマイクロメートルスケールの組織制御によりその特性が著しく向上すると期待される。本研究では、あらかじめ合成したTi
3AlC
2粉末をホットプレス焼結することで板状粒子が配向した緻密な焼結体の作製を試みた。
抄録全体を表示
-
大須賀 匠, 橋詰 峰雄
セッションID: 2P003
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
分子厚みの接着層による強固な接着界面の形成を目指し、シランカップリング剤を利用したポリイミドフィルム-チタン板接着界面の構築について検討を行った。ポリイミドフィルムを加水分解処理して表面にカルボキシル基を提示させ、一方のチタン板にはシランカップリング剤で処理してその表面にアミノ基を提示させた。両表面を熱プレス法により接着させることで、界面のおけるアミド結合の形成による接着の実現を目指した。その結果、アミノ化したチタン板表面に交互積層法によって高分子超薄膜を導入し、その最表面に多数のアミノ基を提示させることで、十分な強度をもった接着界面を形成可能であることが明らかとなった。
抄録全体を表示
-
水野 江里子, 田中 諭, 古嶋 亮一, 加藤 善二, 植松 敬三
セッションID: 2P004
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
多結晶セラミックスの結晶方向を揃えることは種々の特性向上に有効である。磁場中成形法は、弱磁性物質の結晶配向を揃える有効な方法である。このプロセスでは、粒子をスラリーに分散させ、磁場中で乾燥させることで配向成形体を得て、さらに焼結させることで、緻密化と粒成長を経て、配向構造を発達させる。従って、焼結体での高い配向度を達成するためには、原料粒子径、スラリー分散性、磁束密度が、成形体だけでなく焼結体の配向構造におよぼす影響を検討する必要がある。そこで本研究では、アルミナを用いて、焼結体の配向構造を発達させるための粒径、スラリー分散条件、磁束密度等の作製条件を明らかにすることを目的とした。
抄録全体を表示
-
廣中 雅紀, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
セッションID: 2P005
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
炭窒化アルミニウムはAlNとAl
4C
3からなる層構造を有する化合物で、Al
5C
3N (AlN-Al
4C
3)、Al
6C
3N
2(2AlN-Al
4C
3)、Al
7C
3N
3(3AlN-Al
4C
3)などが知られている。これと類似のAlNの疑似多形であるAlN-SiO
2系ポリタイポピドでは、その結晶構造の異方性に起因して板状に成長することが報告されていることから、炭窒化アルミニウムにおいても板状結晶の成長が期待できる。そこで、本研究では焼成温度を変化させてAl
5C
3Nを合成し、その形態制御を行うことを目的とした。XRDによる構成相の同定の結果、いずれの場合もAl
5C
3Nが主相であったが、Al
4C
3が第二相として確認された。2000℃で焼成した試料は、1900℃および2100℃のものと比較してAl
4C
3の残存量は小さく、ほぼAl
5C
3N単相となった。1900℃で焼成した試料ではほぼ等軸状の結晶が多く存在しているのに対して、2000℃以上で焼成した試料では、六角板状の粗大な結晶が多く観察された。これは、Al
5C
3Nの結晶構造に由来するものと考えられる。
抄録全体を表示
-
藤森 達也
セッションID: 2P006
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
CNTをビーズミルによりエタノール中に分散した。SPSにより緻密なCNT分散AlNセラミックスが得られた。SEM写真によると、AlNセラミックス中にCNTが良く分散していた。CNT添加量が0.5wt%以下のAlNセラミックスは絶縁体であったが、1.0および1.5wt%添加したAlNセラミックスの導電率はそれぞれ0.90,164S/mであった。
抄録全体を表示
-
藤原 健志, 趙 洪栢, 中山 忠親, 鈴木 常生, 江 偉華, 末松 久幸, 新原 晧一
セッションID: 2P007
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年、小型携帯端末の高機能化に伴った電子デバイスの高密度化により放熱対策への要望が急速に増している。電子デバイスから発せられる熱はヒートシンクに導かれ放熱される。ここで、電子デバイスとヒートシンクの間には接触熱抵抗の低減や絶縁性の確保などの要因から熱伝導性シート(TIM)が用いられる。TIMはシリコーン樹脂などの絶縁性の高い樹脂中に六方晶窒化ホウ素(h-BN)などの高熱伝導性無機フィラーを充填して作製される。ここで、h-BNは大きな熱伝導異方性を有する材料であり、単純に樹脂中に充填しても期待されうる高い熱伝導率が得られていない。もし樹脂中でh-BNを規則正しく配列制御することができれば、従来よりも高熱伝導率のTIMを作製することができると考えられる。我々はそれを実現するh-BN配列制御として表面に微細なパターンを有する金型とDC電場を用いる手法を提案する。本手法は、シリコーン樹脂中のh-BNにDC電場を印加し電気泳動によりに金型の微細なパターンに規則的にh-BNを配列させるものである。
抄録全体を表示
-
加藤 善二, 古嶋 亮一, 田中 諭, 植松 敬三
セッションID: 2P008
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
単分散顆粒の配列は成形体の構造を制御する有効な方法である。2次元配列の積層化により、階層構造を持つ顆粒成形体を作製した。
抄録全体を表示
-
與那城 賢, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 福永 豊, 宗岡 孝俊, 渡辺 一孝, 金近 幸博
セッションID: 2P009
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ポリマーの熱伝導率を向上させるための無機フィラーの開発が行われている。高い熱伝導率を有するAlNの合成法の一つである炭素還元窒化法は吸熱反応であることから形態制御に有利な手法であり、各種添加物により反応が促進できることも報告されている。そこで本研究では、Al
2O
3の炭素還元窒化法により粗大なAlN粒子を合成することを目的とした。特に、反応を促進するための助剤としてCaF
2を添加した。
XRDによる構成相の同定の結果、CaF
2の添加により炭素還元窒化反応が顕著に促進されることがわかった。また、生成物の形状は、原料のAl
2O
3粒子のおおよその形状を保持しており、本手法により粗大AlN粒子の形態制御が可能であることが明らかとなった。
抄録全体を表示
-
中里 直史, 岸本 弘立, 下田 一哉, 幸野 豊, 香山 晃
セッションID: 2P010
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
SiC/SiC複合材料は航空宇宙分野や原子力・核融合分野における、次世代の高温構造材料として有力な候補の一つである。本研究で使用するNITE法において、部材作製のためのニアネット成型技術開発は実用化のための鍵である。過去の研究においてプリフォーム段階での緻密化により、加圧焼結時の体積収縮を抑えることができ、ニアネット成型技術の高度化に成功している。しかし、成型体の相対密度は88%であり、さらなる密度の向上が必要である。密度を向上させる方法の一つとして、2ステッププロセスがある。このプロセスはファーストステップ(液相形成過程)とセカンドステップ(マトリックス緻密化過程)に分けられ、マトリックスの焼結性の向上や制御が期待できる。本研究では、成型体の密度及び強度特性の向上を目指し、2ステッププロセスの実証・成立性の検討を行った。
抄録全体を表示
-
嘉山 浩章, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
セッションID: 2P011
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
TiN粒子分散Si
3N
4セラミックスは、TiNがSi
3N
4の粒界を強化して接触疲労寿命が向上することから、軸受用材料として応用されている。このようなTiN粒子分散Si
3N
4セラミックスにおいて、高硬度なTiNを微細化することにより軸受等で使用する際の相手金属攻撃性が低減することが期待されるが、これを実現するためには原料中にナノサイズのTiO
2粒子を均一に分散することが必須である。そこで、本研究では湿式ジェットミルを用いてTiO
2ナノ粒子の均一分散を図った。
その結果、ボールミルで作製された試料中のTiNは数百nmに粒成長しているのに対して、湿式ジェットミルで作製されたSi
3N
4セラミックス中にはこのような粗大なTiN粒子は確認されなかった。
抄録全体を表示
-
池田 拓之, RAZAVI KHOSROSHAHI Hadi, 齊藤 敬高, 中島 邦彦
セッションID: 2P012
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
イットリアセラミックスは高い融点を有し,優れた化学的に安定性を有するため近年工業的に注目を集めている.本研究では常温焼結によって高密度,高強度のY2O3を作製することを目的とした.原料粉末として高純度のイットリア試薬を用い,26種類のドーパントを各1 mol%添加ししたものを一段階目保持温度T1:1490℃,二段階目保持温度T2:1350℃,二段階目保持時間t2:20hの条件で二段階焼結を行った.ドーパントのカチオンのイオン半径の小さいものは粒内割れを起こし、大きいものは粒界割れを起こす傾向にあった。粒内割れを起こしたものの方が粒径が大きく、高い相対密度と硬度を得た。また、TiO2はY2O3の最も緻密化に貢献し,高強度の焼結体が得られた.
抄録全体を表示
-
下田 一哉, Clistan Colin, 早川 兼, 岸本 弘立, 香山 晃
セッションID: 2P013
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年、高温・中性子照射といった過酷環境下使用を目的とした高性能SiC系繊維を用いた複合材料開発が活発に行われている。Tyranno-SAに代表される高性能SiC系繊維は、~2000℃にも及ぶ熱処理による繊維内部の結晶化によって得られる。しかし、アモルファス繊維から結晶性繊維への変換過程における特性変化は、その場測定の困難さからこれまでほとんど議論されておらず、結晶組織制御による選択的な特性発現は明らかにされていない。本研究では、結晶化過程における特性変化を新たに開発した単繊維引張装置(MecaSiC)を用いて1800℃近くまでその場測定を行うことで結晶化過程における特性変化を明らかし選択的な特性発現を可能とすることを目的とした。
抄録全体を表示
-
松岡 光昭, 吉尾 紗良, 山川 智弘, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
セッションID: 2P014
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では、Si
3N
4の低温緻密化を促進することが報告されているHfO
2を焼結助剤としてSi
3N
4-Y
2O
3-Al
2O
3-AlN系に添加してCNT分散Si
3N
4セラミックスを作製し、高強度化及び高導電率化を図ることを目的とした。HfO
2の代わりにTiO2を添加した試料では焼成温度の増加と共に導電率が増加するのに対して、HfO
2を添加した試料ではいずれのCNT添加量でも焼成温度が低いほど高い導電率を示した。HfO
2が炭素材料の耐酸化性を向上させると報告されていることを考慮すると、このような特性の向上はHfO
2が低温焼結を促進したことと、炭素材料と親和性のよいHfO
2がCNTを高温での反応から保護したことに起因すると考えられる。曲げ強度は焼成温度1700℃にてCNT添加量0.5wt%のとき932MPa(HfO
2添加系)および842MPa(TiO
2添加系)となり、HfO
2添加系の方がTiO
2添加系よりも高い曲げ強度を示した。
抄録全体を表示
-
餘目 智, 中山 忠親, 新原 晧一, 大庭 佳久, 鈴木 常生, 末松 久幸, 金 弘大
セッションID: 2P015
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
セラミックスの機械的特性を改善する手法として、第2相へナノ粒子を分散させるナノ複合化がある。この方法では、第2相へ添加したナノ粒子がマトリクスの粒内、または粒界へ分散することによってクラック偏向、粒界強化などの効果が現れ、機械的特性が改善される。本研究では特に、添加したナノ粒子がマトリクスの粒内へ分散した場合に着目し、Al2O3/SiC系の焼結体を作製した。作製の際には、マトリクスと第2相の粉末が微細且つ均一に分散していることが必要となる。そこで、本研究ではビーズミル法を用いることにより、ナノレベルでの均一な混合を行った。作製した焼結体は、SEM、TEMを用いて微細構造を観察し、機械的特性との関係性を考察した。
抄録全体を表示
-
大竹 洋志, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 菅井 淳, 山口 宏
セッションID: 2P016
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では、Y
2O
3- HfO
2- SiO
2系焼結助剤を添加して高熱伝導率性Si
3N
4セラミックスを作製することを目的とした。相対密度はいずれの組成でも高い値を示し、緻密な焼結体を得ることができた。構成相は、いずれの試料でもβ- Si
3N
4とY
2O
3およびSiO
2を固溶したc- HfO
2が同定された。熱伝導率について同じY
2O
3およびSiO
2添加量で比較すると、HfO
2が大きく増加した場合に熱伝導率は低下した。また、同じHfO
2およびSiO
2添加量で比較した場合には、Y
2O
3の増加と共に熱伝導率は減少した。これらは、過剰な焼結助剤に起因した低熱伝導率相のガラス相とc- HfO
2相の増加で説明される。
抄録全体を表示
-
田中 迪大, 服部 美緒, 高橋 順一, 伊藤 英信
セッションID: 2P017
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
ゾルーゲル法により調製した(Ba
0.7Sr
0.3)TiO
3粉末(BST)に、組成の異なる市販のガラス粉末(GP、3種類)を添加した(4-12 wt%)成型体を900-1000
oCで焼結してBST-ガラスコンポジットを作製した。用いたGPの中では、ZnOとB
2O
3を主成分とするGP-Cが、BST粉末の低温(900
oC)焼結に有効であることが明らかとなった。GP-Cを4-8 wt%添加して900
oCで作製したコンポジット試料は、誘電率の最大値は600を示し、また50
oC以下の温度域では比較的平坦な誘電率温度依存性を有していた。各試料間の誘電特性の違いについて、生成相やBST相の結晶化度などに基づき考察した。
抄録全体を表示
-
野瀬 充史, 宮崎 英敏, 鈴木 久男, 大田 敏孝
セッションID: 2P018
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
WO3は高い誘電率を持つと同時に比較的高い電気伝導性を示す。高い導電性は、WO3中の酸素欠陥によるキャリア電子の発生のためであると考えられる。このためWO3の誘電測定は困難となっており、誘電特性についての報告は乏しい。そこで本研究では、WO3の比抵抗を大きくするべく、タングステンと価数の異なる5価のリンをドープした固溶体の合成を試みた。得られた試料の電気特性を室温で評価した。
抄録全体を表示
-
小林 雅, 熊田 伸弘, 三浦 章, 米崎 功記, 武井 貴弘, 藤井 一郎, 和田 智志
セッションID: 2P019
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
非鉛圧電体を目指して数多くの研究がなされており、マルチフェロイックを有するぺロブスカイト型構造を持つBiFeO3もその候補の一つである。BiFeO3のBサイトの一部を、他の金属で置換したBi(Fe,Ti,M)O3(M: Ni, Mg)が報告された(Angew. Chem., 119, 8941 (2007))。その中の一組成であるBi(Fe1/4Ni3/8Ti3/8)O3(BFNT)とBaTiO3 (BT)との固溶系の合成および圧電特性について報告する。
固溶体xBFNT‐(1-x)BT系においてx<0.5において単一相のペロブスカイト型化合物を合成することができた。ペロブスカイト型化合物の単一相は擬立方晶として指数付けすることができ、xの増加とともに格子定数は減少し、x = 0.5でa = 3.9995(1)Aであった。x = 0.5の焼結試料で観察されたP-Eヒステリシスループは、少し歪んでおり漏れ電流によるものと考えられた。また、誘電率の温度依存性では350℃付近に極大が認められ、キュリー点と考えられた。
抄録全体を表示
-
泉 宏和, 氏本 勝也, 吉村 武, 藤村 紀文
セッションID: 2P020
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Bi基ペロブスカイト薄膜を、その場レーザー光照射を伴うパルスレーザー蒸着(PLD)法により作製した。室温基板上への成膜では、レーザー光照射の有無によらず結晶化は起こらなかったが、その後の400℃30分間の熱処理により、レーザー光照射を行った薄膜のみが、ペロブスカイト単相に結晶化した。これは、成膜時のレーザー光照射により、微細結晶のような核が形成されることにより、低温で結晶化が進行したためと考えられる。
抄録全体を表示
-
石井 啓介, 田代 新二郎
セッションID: 2P021
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
独自に開発した圧延配向法を応用してタングステンブロンズ構造圧電セラミックスの1軸粒子配向制御法の開発をおこなった.用いたタングステンブロンズ構造圧電セラミックスの組成は(Pb
0.7Ba
0.3)La
0.08/3Nb
2O
6 (PBLN)である.針状テンプレートを仮焼粉と共に有機バインダーを加えて混合した後,生乾きの粘土状に練り上げた.円筒形状に成形されたこの粘土状グリーン材を転がしながら細く延ばす圧延過程を繰り返すことで,内部の針状テンプレートをグリーン材の長さ方向に整列させた.切りそろえられた細いグリーン材を好みの形状に積み上げて成形の上,乾燥させた後に輪切りにし,1290℃で3時間本焼成をおこなった.焼成体は圧延過程が4回のときおよそ80%の配向度が得られた.
抄録全体を表示
-
星野 晃大, 清水 荘雄, 谷口 博基, 谷山 智康, 阿藤 敏行, 伊藤 満, 稲熊 宜之
セッションID: 2P022
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
薄膜作成に多用されるPLD法における膜生成メカニズムを明らかにするため、ターゲットと基板の材質を系統的に変えて膜作製を行い、構造と物性を評価した。ターゲットとしてMno+TiO3圧粉体、イルメナイト型MnTiO3、LiNbO3型MnTiO3、基板として石英ガラス、STO(111)、サファイア(0001)を使用した。ターゲット相の構造に関係なく酸素分圧と温度が堆積された薄膜の構造を決定することが明らかになった。
抄録全体を表示
-
但住 俊明, 鈴木 俊彦, 森 大輔, 稲熊 宜之, 勝又 哲裕, 王 瑞平
セッションID: 2P023
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
化学量論組成のペロブスカイト型酸化物(Bi
1/2Ag
1/2-xNa
x)TiO
3を酸素圧下で合成した。その結果、xが1/4以上の時に、単相で合成可能、且つ
P-Eヒステリシスループ測定による分極反転の確認が可能であった。そして、(Bi
1/2Ag
1/2)TiO
3の誘電性と結晶構造の関係を調べた。誘電率温度依存性では、400-500 Kと700 Kで異常が観測された。これらの異常は、構造相転移に対応していると考えられる。
抄録全体を表示
-
矢内 剣, 北中 佑樹, 野口 祐二, 宮山 勝
セッションID: 2P024
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
NaF、Na
2CO
3-NaF、Na
2CO
3をBNT-Bi
2O
3に混合し、高圧酸素(
Po2 = 0.9 MPa)下TSSG法によりBNT単結晶を育成した。得られた単結晶を大気中アニール(950℃ 50 h)し、リーク電流(導電率)特性を評価した。また、単結晶のPt混入量を誘導結合プラズマ原子発光分光分析(ICP-AES)により定量した。
fluxにNaFを用いたBNT単結晶はリーク電流が小さく、Na
2CO
3を含むfluxで育成した結晶は1-2桁大きいリーク電流を示した。また、単結晶中のPt濃度[Pt]が高いほどリーク電流が大きくなった。[Pt]の小さい領域では、導電率はほぼ一定であったことから、Pt以外の不純物またはビスマス空孔がアクセプタとして支配的であると示唆された。一方[Pt]の大きい領域では、導電率が[Pt]
1/2に比例していたことから、Tiサイトに置換したPtが支配的なアクセプタであることが示された。NaFを用いた結晶育成により、白金不純物の少ない高品質BNT単結晶を得られることが明らかになった。
抄録全体を表示
-
野田 俊成, 久保 敬, 小牧 一樹, 脇谷 尚樹, 坂元 尚紀, 鈴木 久男
セッションID: 2P025
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
Pb(Zr
0.53Ti
0.47)O
3(以下PZT)薄膜は優れた圧電特性を有することから、各種センサ、アクチュエータへ利用されている。PZTは、その配向方向で物理特性が異なり、c軸配向制御を実現することで高い圧電性を示す。しかし、CSD法においてc軸配向制御が実現できている例は極めて少ない。そこで、新たにLaNiO3(以下LNO)シード層と、基板との熱膨張係数(以下CTE)の差を利用した圧縮応力誘起による結晶配向制御技術を開発した。Siおよびステンレス基板上にPZT薄膜素子の作製と、結晶配向性および電気特性の評価を行い、CTEと特性の関係を検討した。作製したPZT薄膜は、基板種に関わらず、すべて(001)/(100)方向に選択配向しており、CTEの大きい基板上に形成したPZT薄膜の方が、ピーク位置が低角側にシフトしていることがわかった。これは、基板とPZT薄膜のCTEの差により生じる熱応力により、CTEの大きい基板の方が圧縮方向に大きな応力を受け、c軸長が伸びたためと考えられる。一方、比誘電率については、CTEの大きい基板の方が小さい値を示すことがわかった。さらに、SS基板上のPZT薄膜については、高い分極特性を得ることができた。
抄録全体を表示
-
都竹 浩一郎
セッションID: 2P026
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では,化学量論比からずらした組成で合成した二次相類似組成物に対して化学量論組成となるように組成の補正を行い,BaTiO3が生成する過程を解析することを目的とした.さらに,異なる組成の二次相類似組成物から合成されたBaTiO3の違いも評価した.
試料は以下の二通りの手順で用意した.
BT1.5 : BaCO3・1.5TiO2組成混合物を仮焼後,0.5BaCO3を混合
B1.5T : 1.5BaCO3・TiO2組成混合物を仮焼後,0.5TiO2を混合
TiO2過剰組成から出発した試料BT1.5では1000℃の加熱で単相のBaTiO3が得られたのに対して,BaCO3過剰組成から出発した試料B1.5Tでは1000℃の加熱後も二次相によるピークが観察された.
以上の結果から,Ba過剰組成二次相の生成を抑制する事が重要であるといえる.
抄録全体を表示
-
森 林太郎, 藤井 一郎, 和田 智志, 林 寛, 長森 喜孝, 山本 裕一, 鈴木 達
セッションID: 2P027
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
環境問題の観点から、現在の鉛系圧電材料よりも性能の高い新規非鉛系圧電材料の開発が急務となっている。そこで、圧電定数の大きな非180˚ドメイン壁に着目し、化学組成を固定した状態で、ドメイン壁密度を向上させ、かつドメイン壁を結晶中に固定化させることで、環境に優しい高性能圧電材料開発を目指す。ドメインサイズの制御にはグレインサイズを、ドメイン壁の固定化には特殊な結晶方位([110]方位)を用いることで達成できる。本研究では、非鉛系圧電材料の中でも代表的なチタン酸バリウム(BaTiO3、以下BT)を用いて、[110]方位への配向度が高く、グレインサイズの小さい、すなわち、ドメイン壁密度が高い緻密なBT配向セラミックスを作製し、その圧電特性について検討を行ったので報告する。
抄録全体を表示
-
清水 茂仁, 熊田 伸弘, 中島 光一, 藤井 一郎, 和田 智志, 黒岩 芳弘
セッションID: 2P028
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
現在、環境に優しくかつ高性能な圧電材料が求められており、その候補の1つとして、チタン酸バリウム(BT)―ニオブ酸カリウム(KN)系セラミックスが報告されている。BT-KN系セラミックスの圧電特性について、0.5BT-0.5KNにおいて誘電率と圧電定数が増加したのは、界面領域の影響だと考えられている。この界面部分において化学種の拡散が進むことで圧電特性が低下することを報告した。そこで本研究ではソルボサーマル法を用いてBTを核にし、その周囲にKNをヘテロエピタキシャル成長させることで、BTとKNの界面が急峻なセラミックスを作製し、界面領域と圧電特性との関係について検討を行った。
抄録全体を表示
-
西田 貴司, 旭 健史郎, 石河 泰明, 浦岡 行治, 米田 安宏, 田村 和久, 松村 大樹, 木村 秀夫
セッションID: 2P029
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年、電子セラミックス材料は薄膜化が研究され、半導体回路との一体化や微細加工により、高性能、小型化、省資源などを目指した素子への応用が期待されている。今後は高品質化、特に微細化がさらに進み、ナノサイズの超高集積化も視野に入りつつある。我々は、これまでPZT系材料のナノサイズ化研究を行っており、原子レベル平坦基板と成膜手法の工夫(低角入射スパッタ)により、自己組織的にPbTiO3ナノサイズ結晶を均質、等間隔でサファイア基板上に配列させることができている。しかし、分極特性の解析など電気的評価のためには基板には導電性があることが望ましく、サファイア上への導電層(Pt)の堆積について前回は報告した。しかし、得られたPt層は表面の平坦性、均質性がサファイア表面に比較してかなり劣り、その上へのPbTiO3ナノ結晶成長も良好ではなかった。そこで、今回は低角入射スパッタによるPt成膜の条件の工夫をし、Pt薄層の改善に取り組んだ。結果として、サファイアとほぼ同様な原子レベル平坦性、ステップテラス構造を有するPt超平坦層を得ることに成功した。
抄録全体を表示
-
山田 英典, 澤井 真也, 田中 弘和
セッションID: 2P030
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
【緒言】NaNbO3は、その(Na,K)NbO3をはじめとする固溶体が非鉛系圧電材料として広く研究されている反強誘電体物質である。またその単結晶は温度とともに7つの相に変化することが知られている。2005年に白鳥らは、この物質が温度のみならずその粒子サイズによって異なる相に変化することを報告している[1]。彼らによると、室温において粒子サイズがサブミクロン(200-400nm)に減少すると、その結晶の空間群はPbcmからPmc21に変化する。しかしながらこの構造変化のメカニズムや、更にサブミクロン粒子の結晶構造の温度変化に関しては明らかになっていない点が多い。本研究では異なるサイズのNaNbO3粒子を作成し、結晶構造及びその温度変化を調べた。
【実験手法】本研究での試料作成方法は以下の通りである。
金属ニオブ粉末をアンモニア液性過酸化水素水(30%)に溶解させる。そのままでは水酸化ニオブとして沈殿してしまうため、錯形成剤としてクエン酸を加える。この錯体の水溶液に炭酸ナトリウムを溶かし、蒸発乾固させることで黒色の前駆体が得られる。最終的に前駆体を電気炉で5時間焼成することでNaNbO3を合成した。得られたNaNbO3試料をXRD及びSEMを用いて評価した。温度による結晶構造の変化はDSCにより測定した。
【結果と考察】焼成温度1000℃の試料のSEM像と800℃の試料のXRDパターン及びSEM像を示す。1000℃焼成試料の結晶粒径は数μmで空間群はバルクと同じPbcmであった。800℃焼成試料の粒径は300~500nmで、空間群はPmc21であった。この結果は白鳥らの報告を裏付けるものである。講演では、DSCによる結晶構造の変化についても報告する。
抄録全体を表示
-
山下 健太, 清水 茂仁, 藤井 一郎, 中島 光一, 熊田 伸弘, 和田 智志, 黒岩 芳弘, 鈴木 達, 打越 哲郎, 目 義雄
セッションID: 2P031
発行日: 2011年
公開日: 2011/09/30
会議録・要旨集
フリー
近年、誘電材料としてチタン酸バリウム(BaTiO3、BT)が用いられているが、キュリー温度(Tc)が130℃と低い。今後、高温での使用を考慮すると、200℃以上においても温度依存性が小さく、大きな比誘電率を有する新規誘電体材料が必要である。そのため、ニオブ酸カリウム(KNbO3、KN)‐BTセラミックスの誘電特性に着目して、その誘電特性について研究を行ってきた1)。0.8KN-0.2BTセラミックスは室温から300℃まで比誘電率がフラットな温度特性を示したが、比誘電率のさらなる向上が必要である。KNとBTは室温~300℃では結晶相が互いに異なる二相共存であり、この界面領域が比誘電率に影響を与えると考えられる。本研究では粒径を変化させることにより界面面積を操作し、これが誘電特性にどのように影響するかを調べるために、粒径が異なる出発原料を用いて0.8KN-0.2BTセラミックスを合成し、得られた試料の誘電特性を評価した。
抄録全体を表示