1椎間での腰椎変性すべり症に対して, 我々は前方固定術を施行し, 移植骨の圧潰予防, 早期骨癒合のため水野式プレートによる棘突起間固定を併用する術式を用いている.今回その有用性を臨床的及び力学的に検討した.
対象及び方法 基礎的研究では, ホルマリン固定した人屍体から採取したL4/5 functional spine unit 4体を使用した.臨床的研究では, 本法の手術を施行した28例を対象とした.基礎的研究では, 前方固定モデルを作製し, 水野式プレートを併用した群, しない群で万能荷重試験器を用いて, 固定強度及び移植骨の歪み量を測定した.臨床成績では, JOAスコアーの改善率, また術前, 術後のX線学的評価を行った.
結果 臨床成績は良好であり, 力学的研究でも前方固定術に水野式プレート固定を併用することは, 圧縮, 曲げ負荷において, 前方椎体間の負荷を軽減するのに有効であった.
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