徒手筋力計による股外転筋力測定値の再現性と, 青年期女性の正常値を検討した.
再現性調査では, 平均的体格の20歳代健常男性15名の右側肢を対象として, 仰臥位, 側臥位, 立位の各肢位における足関節部測定を日を違えて3回反復測定した. 青年期女性の正常値に関しては, 平均的体格の20歳代健常女性20名の両側肢を対象とした. 日を違えた3回の反復測定における検定(級内相関係数およびピアソン相関係数)では, 立位測定は明らかに再現性が乏しかった. 仰臥位および側臥位測定ではほぼ同等の再現性が認められたが, 測定手技上の利便性などを考慮すれば仰臥位測定が優ると結論した. なお, 側臥位測定においては, 骨盤および大腿を固定しない場合の再現性は乏しかった. 20歳代健常女性20名の測定では, 仰臥位測定における股外転筋力の平均値は18.2kg, 左右差の95%信頼限界値は20.5%であった.
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