【目的】当院では従来大腿骨転子部骨折患者に対し脊椎麻酔下で手術を行っていた. しかし2005年以降体制を整備し, 準緊急外傷として全身麻酔下で入院後48時間以内の手術を目標としてきた. 体制整備前後の症例を比較し早期手術の有用性を検討した. 【対象】2003年12月から2006年6月に骨接合術を行った100例を対象とした. 内訳は早期群: 早期手術の体制下で行った50例(男性7例, 女性43例, 平均84.8歳), 従来群: 体制整備前に手術を行った50例である(男性8例, 女性42例, 平均83.5歳). 【方法】受傷から手術までの期間, 術前・術後合併症, 歩行能力を調査した. 【結果】入院から手術までの期間が, 従来群の平均2.9日に対し早期群では平均1.6日と有意に短縮した. 褥瘡発生率が従来群で10%に対し早期群は4%と減少した. 【結論】早期手術により褥瘡の発生率が低下した.
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