日本ハンセン病学会雑誌
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76 巻 , 3 号
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  • 石田 裕, San SHWE, LeLe WIN, Kyaw MYINT
    2007 年 76 巻 3 号 p. 197-206
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    ハンセン病による障害の予防・悪化予防とリハビリテーションはミャンマーの三つのハンセン病対策の戦略の一つである。著者らはハンセン病コロニーに在住している若者達の収入向上の技術研修のニーズを明らかにするために、調査を行った。この調査から対象のヤンゴン管区マヤンジャウン村の若者達は、何らかの収入獲得のための技術研修を受けたがっていることが判明した。また彼らは短期間の研修では十分ではないことを知っており、研修終了後に可能な機会を得て技術を高めるための更なる訓練の機会を得たいと思っていた。彼らは収入向上の技術面は良く理解できたが、しかし、研修後の更なる訓練のための材料の調達、市場獲得、就職の機会の獲得に関しては、良く想像出来なかった。彼らは、村と外部の顧客や小売商人の間を取り持つ仲介者が彼らの助けになると考えていた。一方、障害を持つ年寄り達は、若者達に村にいて彼らの世話をしてくれることを望んでいた。この結果に基づき12日間の縫製研修 (基礎コース) を行い、32名が受講した。研修後、村落内に12台のミシンで縫製所を新設、小学校の制服の受注し作業を順調に行っている。ニーズに基づいた研修は、社会的リハビリテーションを促進させる過程で重要であることの例と考えられる。
  • 尾崎 元昭, 石川 牧子
    2007 年 76 巻 3 号 p. 207-218
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    1991年から1992年にかけて ofloxacin (OFLX) を主にした多剤併用療法を行った14例 (再発LL 6、再発BL 1、増悪LL 1、治療抵抗・治癒遷延LL 2、消褪期LL 1、消褪期BL 1、未治療LL 1、未治療I 1) の臨床効果と長期追跡結果を報告した。治療終了後の効果は著明改善10例、改善3例、悪化1例であった。治療に関係しない死因で死亡した3例を除いた追跡調査では著明改善10例、改善1例であった。悪化例はクロファジミンとミノマイシンの併用で治癒した。重篤な副作用はみられずOFLXの長期にわたる有効性、安全性が確認された。この結果は日本ハンセン病学会のニューキノロン使用指針 (2006) を支持するものである。
  • 石田 裕, Saw LWIN, Kyaw MYINT
    2007 年 76 巻 3 号 p. 219-226
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    ハンセン病による障害の予防・悪化予防のサービスを拡大することは、社会のハンセン病後遺症障害による負担軽減に取って重要である。下垂足に対する後脛骨筋移行術 (TPT) は、確立された手術法であり、郡病院レベルで比較的簡単に施行することが出来る。この手術で機能の再建を行うことにより罹患肢障害の悪化を防止することは、ひいては患者の社会的な負担を軽減することにもつながる。JICAハンセン病対策・基礎保健サービス改善プロジェクト (Jan/2002-Jan/2006) は、期間中に70例のTPT手術を人材養成研修目的で行った。2006年11月に手術成績のフォローアップを中部ミャンマー9タウンシップで行い、この内33例 (男性22例、女性11例) を調査し得た。フォローアップ期間は、29.1ヶ月 (SD=7.1, 10-48 months) であった。結果は、良好25例 (76%)、まずまず: 4例 (12%)、不良: 4例 (12%) であった。良好とまずまずの患者は、手術の結果に満足していると答え、TPTは、生活の質を向上すると考えられた。ほとんどの症例で (32/33, 97%) 足底潰瘍は見られなかった。最も重要な合併症は、長趾伸筋腱に縫合した外側の後脛骨筋腱の弛みによる足の内反変形 (4 cases, 12%) であった。TPT手術成績のフォローアップの結果は概して良好であり、この手術は下垂足を持つ患者に非常に有益で、資源が許せば多くの場所で通常の医療サービスとして施行すべきである。
  • 石井 則久, 鈴木 幸一, 竹崎 伸一郎, 永岡 譲
    2007 年 76 巻 3 号 p. 227-232
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    今回、ハンセン病検査のひとつである皮膚スメア検査の現状を知るためにアンケート調査を行った。
    皮膚科医院 (クリニック)、病院・大学病院の各皮膚科、ハンセン病関連施設の合計43施設を対象とし、40施設 (93.0%) から回答を得た。皮膚スメア検査は殆どの施設で実施していた。しかし、マーカー付きスライドグラスの他に通常のスライドグラスを用いる施設があった。臨床検査技師が Ziehl-Neelsen 染色ないしその変法の染色を実施していた。蛍光染色を実施している施設もあったが、少数であった。検鏡は主治医と臨床検査技師の両者が行う場合が多かったが、ハンセン病関連施設では臨床検査技師のみの場合も半数以上認められた。検査項目は殆どの施設で菌指数を実施していたが、菌の有無のみの検討も5施設あった。
    皮膚スメア検査は簡便であるが、手技、使用プレパラート、染色法、検鏡などで精度が異なる。今後、マーカー付きのスライドグラスの供給、染色法の普及、検鏡の技術向上が求められる。
  • 永岡 譲, 石田 裕, 竹崎 伸一郎, 森 修一, 鈴木 幸一, 石井 則久
    2007 年 76 巻 3 号 p. 233-236
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    ミャンマーは2003年1月にWHOがハンセン病制圧の目標とした、登録有病率1/10,000人以下を達成した。達成を記念し、また、今後もハンセン病のさらなるコントロールを行うために、毎年2月の上旬に「ハンセン病制圧記念行事」を行っている。今回は2007年2月5目に第4回ハンセン病制圧記念日 (The fourth anniversary of leprosy elimination commemorative day) の行事を行った。その模様と、当日保健大臣の発言の要旨をまとめ、ミャンマー国としての、今後のハンセン病対策について紹介する。
  • 石井 則久, 竹崎 伸一郎, 野上 玲子, 尾崎 元昭
    2007 年 76 巻 3 号 p. 237-240
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    開発途上国では世界保健機関 (WHO)、海外の政府機関 (GO)、非政府機関 (NGO) などの指導・援助・協力などでハンセン病制圧活動が展開されてきたため、多額の資金がハンセン病活動につぎ込まれてきた。一方、皮膚科診療は、死にいたる疾患が少なく、またWHOなどの国際機関が力を入れる疾患がないため、マイナーな診療科目として、少数の皮膚科医で行われている。
    ハンセン病の制圧が多くの途上国で達成され、ハンセン病に対する注目度・資金・協力などすべてで関心の低下が続いている。そのなかでハンセン病が単独で歩むことは、かつての日本のハンセン病医療行政がそうであったように、他の一般の医療の進歩から取り残される可能性がある。また、ミャンマーでハンセン病対策に従事する保健省および各州の担当医師は、ハンセン病鑑別のため一般の皮膚疾患の知識も必要とされている。
    今回、国際医療協力研究において、ハンセン病の皮膚科診療への統合 (integration) を促進するためのひとつの試みとして、ミャンマーのハンセン病対策担当医への皮膚科研修を行ったので、その成果について報告する。
  • 山口 猛, 石井 則久, 石田 裕, 畑野 研太郎, 朝戸 裕
    2007 年 76 巻 3 号 p. 241-244
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    2006年9月13日より16日まで、フィリピンのセブ島においてハンセン病の障害予防 (prevention of deformity: POD) に関する「Consensus Development Conference」が開かれた。これは American Leprosy Missions (ALM)、World Health Organization (WHO)、International Federation of Anti-Leprosy Associations (ILEP) 三団体の共催によるもので、ハンセン病による後遺障害の予防または悪化予防に関するストラテジーについて合意を形成すべく企画されたものである。
    参加者は34ヶ国から108名に及び、わが国からは山口、石井、石田、畑野、朝戸の5名が参加し、活発な討議をしたのでその概要について報告する。
  • 中永 和枝, 鈴木 幸一, 谷川 和也, 岩本 朋忠, 後藤 正道, 斎藤 肇, 石井 則久
    2007 年 76 巻 3 号 p. 245-250
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    Although Mycobacterium shinshuense and M. leprae infections are relatively rare in the fields of dermatology, an early diagnosis is one of the important prognostic factors of these infections. Applications of the genetical examinations such as PCR and 16S rDNA sequencing are helpful in early diagnosis with culture nagative cases. Short target PCR tests are available to detect DNA of M. shinshuense or M. leprae from clinical specimens including formalin fixed-paraffin embedded samples. A partial 16s rDNA sequencing is functional with enough intact bacterial DNA. A similarity search based on the partial 16S rDNA sequences using RIDOM database is an easy and powerful tool to estimate the species of mycobacteria, however, it is not enough for the identification in some cases. For instance, a clinical isolate of M. shinshuense is clearly discriminated from M. leprae (92.75% sequence identity), however, difficult to be identified from M. marinum and M. ulcerans (99.77% sequence identity). The phylogenetic tree based on 16S rDNA sequences is illustrating that both M. leprae (closely related to M. haemophilum) and M. shinshuense (closely related to M. marimum and M. ulcerans, and also M. tuberculosis) are relatively related species and distantly related to rapidly growing species among 30 species of pathogenic mycobacteria which have been isolated in Japan.
  • 榊原 康文, 長名 保範, Kris POPENDORF
    2007 年 76 巻 3 号 p. 251-256
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    近年の急速なゲノム配列の決定により、さまざまな生物種のゲノム配列データが利用可能になった。その結果、ゲノムを比較することにより、ゲノムから生命の普遍性と多様性を共に読み取ることが可能になった。また、種の違いをゲノムに生じた遺伝子種類の違いや遺伝子構造の変化によって明らかにすることが可能になった。
    現在開発を行っている比較ゲノム解析システム Murasaki は、複数種のゲノム間での保存領域を高速に検出するシステムである。Murasaki が検出するのはアンカーと呼ばれる数十から数百塩基ほどの相同性の高い保存領域であり、エクソンや短い遺伝子くらいの単位である。Murasaki は徹底した高速化と高スケール化によって、(1) 3種以上の複数種のゲノム配列の比較が可能、(2) 微生物ゲノムだけでなく、高等真核生物のゲノム比較も実用時間内で可能、(3) 配列パターンの出現頻度に基づくゲノム配列の統計言語的解析が可能、などの特徴を有している。また、Murasaki の出力を可視化するツールGMVを用いて、アンカーと既存のアノテーション情報や発現解析データなどを重ねて表示することができ、さまざまな比較ゲノム解析が簡単な操作で可能となる。
    本稿では、比較ゲノム解析システム Murasaki の紹介を行い、次に Murasaki を適用して M. tuberculosis CDC1551 (ヒト型結核菌)、M. leprae (らい菌)、M. avium (非定型抗酸菌) などのマイコバクテリア数種のゲノム比較を行い、オーソログ遺伝子の解析や偽遺伝子探索などを行った応用事例について紹介する。
  • 松田 朱実
    2007 年 76 巻 3 号 p. 257-259
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 石井 則久
    2007 年 76 巻 3 号 p. 265-266
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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