選挙研究
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31 巻 , 2 号
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  • 前田 幸男, 平野 浩
    2015 年 31 巻 2 号 p. 5-18
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    選挙制度改革の目的の一つは,政党・政策・首相候補を三位一体として選択する体制の構築にあった。その意味で,有権者が抱く首相イメージが,政党や政策との関係を軸として形成されるのか,首相個人のリーダーシップや人柄に左右されるのかは,重要な論点である。本研究では, JES - IV の自由回答を利用して,有権者が抱く首相イメージの形成およびそのイメージが内閣支持に与える影響について分析した。有権者の多くは政治報道を通じて内閣の好きな点および嫌いな点について明瞭なイメー ジを持っており,そのイメージが内閣支持・不支持を左右している。しかし,その内閣についての好きな点,嫌いな点の影響は対称ではなく,好きな点の影響が嫌いな点の影響を上回っている。さらに,好きなイメージの影響が直接的であるのに対して,嫌いなイメージの影響は政治的関心の媒介を必要とすることが明らかになった。
  • 首相動静データの包括的分析を手がかりに
    待鳥 聡史
    2015 年 31 巻 2 号 p. 19-31
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    現代日本の首相は,政策過程においてどの程度まで自律的に主導的な役割を果たしているのだろうか。この点に関しては,しばしば「官邸主導」「強い首相」といった語が用いられるようになっているように,近年では役割が拡大しているという理解が広がっている。本稿では,メディアに公表された首相の面会記録をデータ化し,大平首相から現在の安倍首相までの37年間の変化を検討した。この首相動静データを分析する作業を通じて,首相が官房長官や閣僚といった執政中枢部の狭いネットワークに依拠し,他のアクターとの接触をあまり行わないという意味で,自律的に主導的役割を果たす傾向を強めていることを明らかにした。政権交代に伴う与党構成の変化や首相の交代にもかかわらず,この方性はほぼ一貫しており,背景に選挙制度改革や内閣機能強化といった制度的変化があることを示唆する。
  • 人事と造反
    濱本 真輔
    2015 年 31 巻 2 号 p. 32-47
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    日本の首相は与党内をどのように統治し,議員はそれにどのように対応しているのか。1990年代の首相,総裁権限の強化により,首相や官邸を軸とした政策決定への変化が観察されている。ただし,首相や党執行部への集権化の指摘がある一方で,首相・党首の交代を意図した党内対立も存在しており,首相-与党関係の全体像は必ずしも明らかとなっていない。本稿は1980年から2014年までの政府人事と造反を分析し,首相の党内統治のあり方を検討する。分析からは,選挙制度改革後に①主流派優遇人事の増加,②造反の増加,③人事と造反の関係の変化を明らかにする。結果として,1980年代以降の自民党政権下の党内統治のあり方は,人事権を派閥に大きく委ねつつも造反を抑止する状態から,首相への委任が安定的ではないものの,首相及び首相支持グループを軸とした党内統治へと進みつつあることを指摘する。
  • 粕谷 祐子
    2015 年 31 巻 2 号 p. 48-61
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,東南アジア諸国における現行の選挙制度を概観したうえで,1990年代以降に選挙制度改革のあった3カ国をとりあげ,その改革導入の経緯と帰結を検討する。インドネシアにおける非拘束名簿式比例代表制,阻止条項,女性クオータ,タイにおける小選挙区比例代表並立制,およびフィリピンにおける政党名簿制の導入がここでの主な分析対象である。これらの制度改革に共通するおおまかな特徴として,多数決型への変更とコンセンサス型への変更とが混在していること,民主化という体制変動を契機に制度改革がおこっていること,そして,制度設計者が意図したとおりの変化はほとんどの場合おこっていないこと,の3つを指摘する。
  • 選挙権威主義体制下の選挙制度設計とその帰結
    東島 雅昌
    2015 年 31 巻 2 号 p. 62-76
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,中央アジアのカザフスタン,キルギス,タジキスタンの選挙制度改革を概観し,選挙権威主義体制下の選挙制度がどのように変更され,選挙制度選択にはいかなる要因が寄与しているのか検討する。野党が脆弱な選挙権威主義体制下では,小選挙区制は与党に有利な議席バイアスをもたらすかわりに,統治エリートの凝集性を弱め,結果的に体制運営に支障をきたす可能性をはらむ。こうした選挙制度設計のジレンマのもと,高い支持動員能力をもつ権威主義体制の指導者は,小選挙区制下の議席プレミアムがなくても選挙に圧勝できるため,統治エリートの自律性をより効果的に抑制できる比例代表制の選択が可能になる。中央アジアの3カ国の事例は,政治指導者の支持動員力が低いときに小選挙区制に依存し,その動員力が増したときに比例代表制へと選挙制度を変更する傾向にあることを示唆している。
  • Kenichiro YASHIMA, Kwanpyo BAE
    2015 年 31 巻 2 号 p. 77-96
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    This article analyzed the debates over legislative and executive electoral reforms in South Korea. An Examination of Korean politicians' political backgrounds revealed that they suffer from insecure career prospects, which may facilitate repeated reform debates. Regarding the longitudinal trend, we find that the focal point has shifted from SNTV to PR in the legislative arena, while the focus in executive debate has shifted from parliamentarism to deconcentration of power and the change in term limits. Also, over time, legislators have come to play a more significant role in both arenas. Furthermore, the actor-by-actor comparison revealed, first, that presidents’ behavior is “unpredictable” in both areas; second, the legislative debate tends to be more partisan than the executive; third, the Constitutional Court and the National Election Commission play a significant role only in the legislative debate; and fourth, civil society groups are more active in the legislative than in executive debate.
  • 近年の動向と今後の見通し
    三輪 博樹
    2015 年 31 巻 2 号 p. 97-108
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    インドにおける選挙制度改革をめぐる議論は,わが国におけるそれとは異なり,選挙の公正性や透明性の確保,政治腐敗の防止といった観点からのものが中心となっている。1970年代以降,さまざまな政府機関や政府任命の委員会によって選挙制度改革に関する提言がまとめられてきたが,そうした提言が実際の政策決定に反映された例は少ない。この背景として,選挙制度改革をめぐる議論自体が,社会政策を行う上での制約や政党政治の影響などを受けてきたことがあると思われる。しかしその一方で最近では,「ガバナンス」 に対する有権者の意識の高まりによって,市民団体による盛んな選挙監視活動など,選挙制度改革をめぐる議論に新たな要素が加わっている。こうした市民団体の活動は,インドにおいて選挙制度改革を進めていく上で,今後さらに重要になるものと思われる。
  • オーストラリア連邦上院の選挙制度改革
    杉田 弘也
    2015 年 31 巻 2 号 p. 109-122
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    オーストラリアの連邦上院は下院とほぼ同等の権限を持ち,上院がどのような構成であるかは,下院の多数を占める政党によって組織される内閣の執政行為に大きな制約をおよぼす。2013年の下院総選挙と同時に行われた上院の半数改選は,偶然や幸運によって当選した候補者が現れるような結果をもたらし,これを受けてオーストラリア連邦議会の選挙問題に関する両院委員会は,上院の選挙制度について重要な改革案を2014年5月に提示した。本論文では,上院の選挙制度のこれまでの改変を概観し,2013年の選挙結果を受けた選挙制度改革の議論を検証していく。オーストラリアの選挙制度は,下院では政党の手を完全に離れている。一方上院の選挙制度は政党が大きな影響を及ぼすことができる分野であり,1949年と1984年の二度にわたって実施された選挙制度改革は,政党の利益を図る側面があった。2015年に行われている議論も,政党の利益が見え隠れしている。
  • 堀田 敬介
    2015 年 31 巻 2 号 p. 123-141
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
    一票の最大格差を最小にすることを目的とした最適化モデルをつくり最適解を求めると,与えられた総定数のもとでの格差限界値が得られる。総定数295議席や73議席を47都道府県に議席配分する際の一票の限界格差は,それぞれ1.598倍,4.311倍である。議席配分時に格差が拡大する最も大きな要因は,総定数と都道府県を地域として採用していることである。この条件を緩める施策の一つとして合区や総定数の変更がある。本研究では,これらが最大要因であること,及び,最適化モデルによる限界値分析によって,これらが格差に与える影響を明らかにする。
  • 三船 毅
    2015 年 31 巻 2 号 p. 145-151
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
  • 2015 年 31 巻 2 号 p. 152-166
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/04/06
    ジャーナル オープンアクセス
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