選挙研究
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31 巻 , 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 阪野 智一
    2015 年 31 巻 1 号 p. 5-18
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/03/23
    ジャーナル オープンアクセス
    選挙制度を独立変数として,政党システムや政党内組織への帰結を問題にするこれまでの選挙制度の研究に対して,近年,選挙制度を従属変数と位置づけ,選挙制度の成立や改革に焦点をあてる研究が進展している。本稿では,「選挙制度改革の政治」の事例研究として,ブレア政権による選挙制度改革とキャメロン政権下で実施された2011年国民投票を取り上げる。1990年代以降,労働党に有利な「党派的バイアス」が作用していたことを踏まえると,選挙制度改革に関するシューガート・モデルは適用しにくい。両者とも政党内政治と政党間政治の妥協の産物であることを明らかにする。地方分権化に伴いサブナショナルなレベルで多様な選挙制度が導入されている一方,ナショナルなレベルでは小選挙区制への支持が依然として根強い。ブレア政権以降のイギリスの民主政は,「二元的憲法体制」としての特徴を強めつつあることを指摘する。
  • 増田 正
    2015 年 31 巻 1 号 p. 19-29
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/03/23
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,フランスの選挙制度改革に関する最近の議論を整理する。フランスの選挙制度と言えば,最初に思い出されるのが2回投票制であろう。2回投票制は,フランスの選挙制度を理解するための最も重要な概念である。大統領選挙でも使われている2回投票制は,名簿式とも組み合わされながら,様々なレベルで活用されてきた。最近,第二の重要な概念としてパリテがこれに付け加えられた。2000年以降のあらゆる選挙制度改革は,多かれ少なかれ,パリテを巡って展開されてきたと言える。パリテは,2015年3月実施の県議会議員選挙から2回投票制にまで結びつけられるに至った。しかしながら,結論的には,これらの特殊フランス的な制度が,他国へ波及する可能性は現時点ではあまりないと考えられる。
  • 西平 重喜
    2015 年 31 巻 1 号 p. 30-43
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/03/23
    ジャーナル オープンアクセス
    ドイツの無条件降伏は日本より3カ月ほど前であったが,戦後初めての西ドイツの選挙は日本の1947年4月より2年以上遅れた1949年8月であった。その選挙の準備は占領下で始められたが,選挙の方法について,ドイツの各政党の意見が一致しなかったし,占領国の主張も食い違っていた。したがって統一的,恒久的な選挙法を制定することが困難で,各州を重視する選挙の方法を採用せざるを得ず,並立制が使われた。1957年の第3回選挙からは併用制が続いているが,各党への議席の配分法は4回変更されている。特に2013年の配分法は画期的な点もあるが,ドイツの正式報告書の煩雑な計算を簡単にできる方法についても紹介する。また配分方法がどんな結果をもたらすか比較検討する。
  • 2013年選挙結果との関連で
    河崎 健
    2015 年 31 巻 1 号 p. 44-55
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/03/23
    ジャーナル オープンアクセス
    諸外国でしばしば理想視されるドイツ連邦議会の選挙制度だが,1990年の統一以降,その構造的な問題点が研究者などの間で議論されることが増えてきた。そして2005年の補欠選挙を契機に,「負の投票価値」という制度特有の問題が露わになり,改革論議が高まったのである。その後,連邦憲法裁判所の2度の違憲判決などを受けて2013年に新制度が発足したが,選挙制度に内在する問題が完全に克服されたとはいいがたい。本稿ではこの新制度の特徴と問題点を,新制度下で初めて行われた2013年の連邦議会選挙との関連で考察する。具体的には,負の投票価値,超過議席,阻止条項そして調整議席といったドイツ特有の選挙制度の特徴について,内在する問題点について考察する。
  • 上野 俊彦
    2015 年 31 巻 1 号 p. 56-70
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/03/23
    ジャーナル オープンアクセス
    現行ロシア連邦憲法下の下院選挙制度の変化の概要について,発足時から現在に至るまで,選挙法の改正を中心に解説する。ロシア連邦の下院の選挙制度は,小選挙区比例代表並立制から純粋比例代表制へと代わり,次の2016年12月に予定されている選挙から再び小選挙区比例代表制に戻ることになっている。
  • 2013年参院選における分割投票
    飯田 健
    2015 年 31 巻 1 号 p. 71-83
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/03/23
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文では,有権者による分割投票が発生するメカニズムを新たな視点から明らかにする。具体的には,有権者のリスク態度に注目しつつ,リスク回避的な有権者ほど分割投票を行う,という仮説を検証する。政権交代はしばしば急激な政策変化をもたらし,その政策変化は経済や社会に良くも悪くも不安定性をもたらす。それゆえ,そうした不安定性を嫌うリスク回避的な有権者は選挙において,改革志向の政権が大きな力をもつことを好まず,票を分割するであろう。すなわち票を分割することは,急激な政策変化がもたらすさまざまなリスクを分散させることを意味するのである。こうした観点から,経済政策と防衛政策をはじめとするさまざまな政策分野で現状変更を目指す自民党政権にさらに強固な権力基盤を与えるかどうかが問われた2013年参議院議員選挙は,上の仮説を検証する上で最適の事例となる。Japanese Election Study V(JESV)のデータを用いて分析した結果,リスク回避的な有権者は,たとえ自民党を支持していたとしても,比例区と選挙区の両方で自民党に投票する傾向が弱いということが明らかになった。
  • 安野 智子
    2015 年 31 巻 1 号 p. 84-101
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/03/23
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,日本でも,富裕層と貧困層の経済的格差の広がりが問題視されるようになっている。経済格差の議論で特に問題とされるのは,所得格差よりも資産の格差である。資産は次世代に受け継がれることによって格差の定着・拡大を招くからである。政治参加に関する海外の先行研究では,所得や学歴,人種などによって政治参加や投票行動の程度が異なることが見いだされており,経済的格差の拡大が民主主義を損なう可能性が指摘されている。しかし日本における従来の研究では,社会経済的地位と投票参加との関連ははっきりしなかった。本稿では,2013年の参院選時に行われたCSES調査のデータを用いて,資産状況が投票行動に及ぼす影響を検討した。その結果,株・債券という資産の所持が投票参加に,また,住宅の所有が安倍内閣支持に,それぞれ正の効果を持っているという知見が得られた。
  • 2013年参議院選挙と2012年衆議院選挙の比較
    山崎 新
    2015 年 31 巻 1 号 p. 102-113
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/03/23
    ジャーナル オープンアクセス
    2013年の参議院選挙より,公職選挙法改正によって政党や候補者のインターネット選挙運動が解禁された。そこで本稿ではその影響を,有権者の情報接触と政治的認知・投票参加行動との関係を明らかにすることによって多角的に検討する。ネット選挙の解禁により可能になった選挙活動はさほど大きくないため,より広くインターネット情報の影響をインターネット調査データの分析によって検討する。分析の結果,政党や候補者によるインターネットを用いた動員はかなり少ないこと,インターネット情報が持つ政治的な認知や投票行動への影響も限定的であること,それらの影響は年代によって大きく異なり,若年層において顕著であることなどが明らかになった。しかし,2013年にネット選挙運動が解禁されたということそのものの影響はあまり見られなかった。
  • 2015 年 31 巻 1 号 p. 115-132
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/03/23
    ジャーナル オープンアクセス
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