選挙研究
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最新号
選挙研究
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 笹原 和俊
    2021 年 37 巻 2 号 p. 7-12
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/12
    ジャーナル オープンアクセス
    ソーシャルメディアのエコーチェンバー化が政治的分断を促進しているという問題が顕在化してきている。エコーチェンバー化した環境はフェイクやヘイトの温床となり,民主的な意思決定の阻害要因となる危険性がある。本論文では,SNS分析によってエコーチェンバーの実態を調査し,その特徴を再現する数理モデルを構築した。シミュレーションの結果,エコーチェンバー化する速度には,社会的影響力の大きさと社会的切断の頻度が影響することが明らかになった。さらにSNSの分析から,自分の政治的態度とは逆の態度のユーザーを少数フォローすることが情報多様性を改善し,エコーチェンバー化を緩和する可能性があることが明らかになった。
  • 三浦 麻子, 小森 政嗣
    2021 年 37 巻 2 号 p. 13-21
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/12
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,人の態度や行動に影響する状況要因として,居住環境に存在する社会資本や文化資本の充実度に注目して,その指標として位置情報ゲームのPOI(Point of Interest)情報を提案し,その妥当性を,計算社会科学的なアプローチで検討した。まず「ポケモンGO」の「ポケストップ」がどの程度設置されているかを,その所在地の緯度経度情報に基づいて算出した密度で指標化した。そして,この指標と,当該地域の市民を対象とした社会調査データとの関連を検討した。空間解像度の異なる2つのデータを用いた分析の結果,解像度の粗いデータでは居住環境に対する満足度との間に有意な正の相関が認められたが,密なデータでは無相関であった。密度以外の特徴を加味した検討の必要性と,様々な人工物を環境的な手がかりとして利用することの意義について議論した。
  • 「危機における価値変容( Values in a Crisis )」国際比較調査第1波の結果から
    谷口 尚子, Plamen AKALIYSKI, Joonha PARK
    2021 年 37 巻 2 号 p. 22-36
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/12
    ジャーナル オープンアクセス
    2020年初頭から顕在化した新型コロナウイルス感染症の拡大においては,日本では被害規模が客観的・相対的に大きくないにもかかわらず,人々の政府不信が高いと指摘されていた。本研究は,筆者らが参加する「コロナ危機下の価値観に関する国際調査(Values in a Crisis Survey, VIC)」プロジェクトが2020年5月に取得した日本データに基づき,新型コロナウイルス感染症の客観的被害規模,感染等の身体的被害・仕事や収入減等の経済的被害・心理的被害(不安)が,各種のアクターへの信頼・評価にどのような影響をもたらしたかを分析した。マルチレベル重回帰分析の結果,(1)感染症による身体的被害は若年層,経済的被害は女性・低所得層・都市部居住者で経験されやすく,両者は人々の心理的被害(不安)を大きくしていた,(2)政府(国)と医療政策所管の厚労省への信頼の構造は類似し,高所得者・保守層・他者への信頼が高い人が信頼しており,また都道府県の累積感染者数という客観的被害が信頼を押し下げていた,(3)総理大臣への信頼は元々の支持層で高いことが示唆されたが,健康被害の経験が信頼を減じていた,(4) 地方自治体の首長への信頼の構造は国の機関や首相とは異なっており,医療関係者・専門家への信頼や他者への評価・連帯感に近く(やや非政治的で),不安が強い人で信頼が低かった,(5)メディア・報道機関は,女性・高齢者・世帯人数の多い人・左派イデオロギーを持つ人が信頼する傾向にあった。
  • 岡田 勇, 柳 至, 久保 慶明
    2021 年 37 巻 2 号 p. 37-56
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/12
    ジャーナル オープンアクセス
    市民が政府を信頼しているほど,政府によるCOVID-19対策の効果が大きくなるという研究が国内外で増えている。ただし,日本では政府への信頼が相対的に低いにもかかわらず,感染防止行動が遵守される傾向にあった。本稿はこのパラドクスについて,政府に助言や提言を行う医療分野の専門家や医療システムへの信頼が重要であることを主張する。その検証のために,本稿は2021年2~3月に実施された3つの調査を利用する。本稿で取り上げる感染リスク認知,緊急事態宣言が求める外出自粛の遵守,ニューノーマルの一例である結婚式参加,ワクチン接種選択といった認知・行動選択についての4つの経験的分析から,本稿の主張はある程度まで支持される。本稿の知見からは,先行研究が論じてきた政府への信頼では,日本におけるCOVID-19対策の有効性の規定因を適切に理解できない可能性が示された。
  • 山田 尚武
    2021 年 37 巻 2 号 p. 57-70
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/12
    ジャーナル オープンアクセス
    2019年12月に発生したCOVID-19の危機は日本の首都において猛威を振るった。感染症のリスクコミュニケーションにおいては特に自治体と住民との信頼関係の構築が重要であり,特に都知事は住民に対する情報発信を密接に行う必要がある。リスク回避的な人間は感染リスクを警戒し,リスク管理アクターを信頼しない傾向にある。リスク回避的な人間はメディアに接触することでリスクテイクに関わる態度や行動を実行するが,それは都知事に対する信頼関係の構築やCOVID-19感染の予防対策に関する評価においても説明力があるのだろうか。本稿の目的はリスク傾向とメディアの観点から,都知事信頼と業績評価を説明する要因について明らかにする。結果として,感染拡大の初期においてはリスク回避的な人間ほどテレビに接触し,都知事の業績を評価することで信頼関係を構築することが明らかとなった。
  • 2021 年 37 巻 2 号 p. 71-82
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/12
    ジャーナル オープンアクセス
  • 三船 毅
    2021 年 37 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/12
    ジャーナル オープンアクセス
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