Journal of Computer Chemistry, Japan
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22 巻, 1 号
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巻頭言
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  • 大古 善久, 長嶋 雲兵
    2023 年 22 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/08/21
    [早期公開] 公開日: 2023/03/05
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    メタノール4分子の環状クラスター(CH3OH)4のOH基とCを同一面内に配置した初期構造から構造最適化計算を行った.HF/STO-3Gでは,初期構造のO-O間距離が2.7 Å以上の場合に最安定構造が高い頻度で得られる.O-O間距離が短い場合には他の安定な配座異性体が2種類得られる.この約2.7 Åの距離はOH基の水素結合力の範囲を示唆する.HF/6-31G (d)では,虚振動を持つ平面構造で収束する.B3LYP/6-31G (d)では,メチル基が環面外の同じ側に向いた構造で収束する.これらの結果は,酸素の非共有電子対の軌道の広がりによる安定化とメチル基の反発力の均衡から説明でき,配座異性体同士の変換傾向を反映する.計算過程で力定数を計算(calcall)すると初期O-O間距離に関わらず最安定構造が得られる.

  • 大古 善久, 長嶋 雲兵
    2023 年 22 巻 1 号 p. 5-7
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/08/21
    [早期公開] 公開日: 2023/03/05
    ジャーナル フリー HTML

    酸化チタン光触媒の表面反応を理論計算で考察する時に,従来から用いられている平面型チタン二量体モデルの電子状態を調べた.用いた計算方法はB3LYP/6-311Gで,末端を水酸基化した初期構造(Ti2O6H4)を最適化計算した.水酸基の初期の配向によって結果が異なり,非平面構造を取り易いことがわかった.また,HOMOとLUMOのエネルギー準位の比較から,光触媒反応の酸化力と還元力に水素の位置が重要であることがわかった.チタン二量体モデルのみでは電子状態の記述に無理があり,周辺構造を含めた新しい表面モデルの構築が必要であることが示唆された.

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