日本外傷学会雑誌
Online ISSN : 2188-0190
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27 巻, 3 号
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臨床検討
  • 王 耀東, 黒住 健人, 井口 浩一, 新藤 正輝
    原稿種別: 臨床検討
    2013 年 27 巻 3 号 p. 297-301
    発行日: 2013/07/20
    公開日: 2020/06/30
    ジャーナル フリー

     2010年7月~2011年10月に, 比較的広範囲の皮膚欠損に対してNPWT併用の分層植皮術を施行した5例に関し, 治療成績の検討を行った. 全例男性で, 平均年齢は46.8歳 (20〜78歳), 皮膚欠損創の大きさは平均140cm2 (75〜200cm2) であった. 全例にKCI社製V.A.C.®を用い, 術後3〜5日まで持続陰圧125mmHgとした. 術後2週時点での生着率を評価した. 軟部組織損傷が高度であった2例の生着率は約90%であったが, その他の3例は生着率100%であった. 簡便さ, 滲出液の管理の容易さから, 患者側だけでなく医療者側のストレスも非常に少ないことが印象的であった. また, 移植片の初期生着時期を考慮し, 初回包交日が, 術後3日目の早期となる場合には移植片とフォーム剤の間に非固着性ガーゼを使用した方が安全であり, 術後4〜5日目となる場合には非固着性ガーゼの使用は原則必要ないと考える.

  • 大森 貴夫, 村田 厚夫, 田中 公章, 斎坂 雄一, 石原 潤子, 原 文祐, 徳丸 哲平, 野島 剛, 杉本 和彦, 金丸 明博, 小松 ...
    原稿種別: 臨床検討
    2013 年 27 巻 3 号 p. 302-306
    発行日: 2013/07/20
    公開日: 2020/06/30
    ジャーナル フリー

     多発外傷を伴った下肢骨折 (開放骨折) や不安定型骨盤輪骨折は, 初期治療として創外固定を行うことが多い. しかし内固定までの期間は全身状態の問題や創外固定を行っているため, 深部静脈血栓症の予防が困難である. 今回, 創外固定を行った骨盤輪, 下肢骨折において内固定術前に発生した深部静脈血栓症について検討した. 2009年1月から3年間で, 内固定までの期間に深部静脈血栓症の評価を行った44例を対象とした. 年齢は平均52.0±17.8歳, 性別は男性31例, 女性13例, ISSは平均24.2±16.5であった. その内, 深部静脈血栓症は5例 (11.4%) に認めた. 骨盤輪骨折3例, 脛骨開放骨折1例, 下肢多発開放骨折1例であった. その内, 術後塞栓症を1例発症した. これらの症例は高齢で, 外傷の重症度が高い傾向にあった. 重症度が高いほど予防は困難となるため, 術前に深部静脈血栓症の診断を行い, 肺塞栓症の予防処置を行うことが重要であると考えた.

症例報告
日本の外傷外科の夜明け
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