異文化での適応上の困難性を分析するため,日本で生活する3群(中国,台湾/韓国,非漢字圏)の留学生を対象に,異なる社会的場面に関する困難度が測定された。社会的揚面は正式場面,自己主張,友人関係,日常生活に区分され,その順に困難度が高い傾向があった。また,4っの社会的場面の困難度は留学生の日本語の学習期間の長さに応じて軽減されたのに対して,滞日期間は日常生活の困難度の軽減とのみ関係が見いだされた。さらに,全般的な適応の度合いと関連の高かったのは自己主張と友人関係場面であった。社会的困難度は非漢字圏群,台湾/韓国群,中国群の順に高い傾向があったが,友人関係揚面での困難度は,異なった傾向が見られた。
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