行動療法研究
Online ISSN : 2424-2594
Print ISSN : 0910-6529
13 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 阿部 佳織, 赤木 稔, 西川 潔, 吉岡 重威
    原稿種別: 本文
    1988 年13 巻2 号 p. 101-108
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー
    夜尿症は,排尿機構の制御が確立することなく引き続き夜尿失敗を繰り返す一次性夜尿症と,一時期排尿行動が自立した後で心理的ストレス等の原因で再び夜尿が発症する二次性夜尿症とに分けられる。この夜尿症に対する治療法として,近年では行動論の立場から道具的条件づけ療法が注目されている。その中で,Kimme1は,膀胱括約筋の排尿域値を高めることによって夜尿症の治療を行なうために,排尿我慢に対して報酬を与え行動を強化させる治療法を報告した。筆者らは,この排尿我慢の訓練に,Azrinによって創案されたロールプレイを中心としたベッド訓練をとりいれ,わが国の小児科の日常臨床場面に適応しやすいように改変した。Kimmel-Azrin変法を確立して,夜尿疾の治療を行なっている。その結果は,151例中132例に効果が認められ,有効率は,87.4%であった。
  • 岩永 誠
    原稿種別: 本文
    1988 年13 巻2 号 p. 109-117
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー
    本研究では生理指標と行動指標を用いて,Hodgson&Rachman(1974)の第一仮説を検証することを目的とした。嫌悪刺激には電撃を用い,不安の指標として,心拍と打叩を測定した。実験条件として嫌悪刺激の脅威度(high/low)とtemporal uncertainty (no-signal/countdown)を設定した。48人の被験者は条件を組み合わせた4つの実験群にランダムに振り分けた。電撃到来に至る予期期間での不安反応の対応関係を検討した結果,以下の点が明らかになった。第一・に,心拍と打叩圧の変動は,測度として比較的類似した特性を持つことがわかった。第二,脅威度の違いは,synchronyの程度の差としてではなく,対応位相のシフトという形でみられることがわかった。これまでみられた低脅威度状況でのdesynchronyは,反応間の位相ずれによって生じた見かけ上の現象であると考えられる。
  • 宮崎 真, 田畑 満子, 氏森 英亜
    原稿種別: 本文
    1988 年13 巻2 号 p. 118-125
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー
    本研究は,示範に含まれる意味内容の有無を変数として遊戯行動に対する示範や身体介助の効果を検討することを目的とする。対象児は,2名。課題Aは,指導者が音楽に合わせて動作を示範し,対象児はその動作を模倣する課題である。示範する動作は,腕,足の屈伸運動等である。課題Bは指導者の示範する動作を模倣する指導手続きの点で課題Aと同じであるが,ひとつひとつの動作が象徴的意味を帯びている点で課題Aと相違している。20セッションにわたる指導の結果は,次の通りである。(1)課題Bの遂行行動は課題Aのそれに比べ劣っている。(2)両課題で身体介助および集団離脱の量は減少し,遊戯行動は改善される。以上のことから,課題の象徴的意味の有無が示範行動の遂行に影響する。また,示範一模倣および身体介助の反復が象徴的意味の認知を促したり,課題遂行に対する動機づけを強めると考えられる。
  • 佐藤 正二, 佐藤 容子, 高山 巌
    原稿種別: 本文
    1988 年13 巻2 号 p. 126-133
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー
    本研究は,拒否児の社会的スキルを査定するために,ソシオメトリック指名法とPEI(Pupil Evaluation Inventory)の項目を用いた仲間指名尺度を6年生の児童152名に実施した。その結果,ソシォメトリック指名法によって分類された拒否児は,攻撃的な子どもと引っ込み思案の子どもから構成されているが,従来いわれていたよりもかなり多い引っ込み思案児がこの中に含まれていることが明らかにされた。さらに,仲間指名尺度の結果によると,拒否児は,他のソシオメトリックタイプの子どもに比べて好意性が低く,しかもソシオメトリック評定点も低いことが分かった。同様の結果は,攻撃的な子どもと引っ込み思案児の間でも見いだされた。この結果から,拒否児や引っ込み思案児は・仲間との相互交渉に必要な社会的スキルに欠けており,そのために仲間からの受容が悪いことが示唆された。
  • 高石 昇, 川島 恵美, 本城 千恵子, 黒木 賢一
    原稿種別: 本文
    1988 年13 巻2 号 p. 134-142
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー
    うつ症候群を有し,DSM-IIIの Major DepressionあるいはDysthymic Disorderに該当すると思われる患者20名に行動計画法を最底1ヵ月行なってその効果を検討した。行動計画法とは,目録を指標とし,快行動を促し不快行動を減ずることにより正の強化の増加,罰の減少を企て,うつ症状を緩和しようとする方法である。その結果20例中10例に臨床像の改善が見られた。有効例および無効例の経過に関与したと思われる因子を考慮しながら本法の可能性と問題点について考察した。
  • 坂野 雄二, 前田 基成, 東條 光彦
    原稿種別: 本文
    1988 年13 巻2 号 p. 143-153
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー
    獲得された無力感の解消に及ぼすself-e田cacyの効果を検討するために,24名の被験者が20試行の電気ショックを伴った解決不可能課題に従事したのち,3条件のいずれかに振り分けられた。EHS群では,遂行行動の達成と情動喚起に関する言語的フィードバックを受けながら解決可能課題が与えられ,EH群では,フィードバックなしに解決可能課題が与えられた。OH群は,引き続いて解決不可能課題に従事する統制群であった。実験の結果,(1)遂行行動の達成がself-e缶cacyと動機づけの上昇に有効であり,無力感の解消に効果的である,(2)言語的フィードバックはそれらの上昇には効果的ではない,(3)言語的フィードバックは容積脈波変動の安定化には有効である等の諸点が明らかにされた。
  • 原稿種別: 付録等
    1988 年13 巻2 号 p. 154-155
    発行日: 1988/03/31
    公開日: 2019/04/06
    ジャーナル フリー
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