夜尿症は,排尿機構の制御が確立することなく引き続き夜尿失敗を繰り返す一次性夜尿症と,一時期排尿行動が自立した後で心理的ストレス等の原因で再び夜尿が発症する二次性夜尿症とに分けられる。この夜尿症に対する治療法として,近年では行動論の立場から道具的条件づけ療法が注目されている。その中で,Kimme1は,膀胱括約筋の排尿域値を高めることによって夜尿症の治療を行なうために,排尿我慢に対して報酬を与え行動を強化させる治療法を報告した。筆者らは,この排尿我慢の訓練に,Azrinによって創案されたロールプレイを中心としたベッド訓練をとりいれ,わが国の小児科の日常臨床場面に適応しやすいように改変した。Kimmel-Azrin変法を確立して,夜尿疾の治療を行なっている。その結果は,151例中132例に効果が認められ,有効率は,87.4%であった。
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