本研究の目的は,嫌悪状況における心理・生理的反応に及ぼす対処行動の影響を検討することであった.男子大学生40名が,effort対処群,distress対処群,effort-distress対処群,統制群に振り分けられた.そして,対処実行中,および電撃の到来予期中のHR,血圧,皮膚コンダクタンスレペル,心理的ストレス反応が比較された.主な結果は以下の通りである(1)effort型の対処行動は,対処実行中の心臓血管系の反応を強めるが,電撃予期中の心理・生理的反応を鎮静した.(2)distress型の対処行動は,対処実行中の皮膚電気活動や心理的反応を強めるとともに,電撃予期中の皮膚電気活動も上昇させた.(3)Effort-Distress型の対処行動は,対処中,および電撃予期中の心理・生理的反応を比較的高い状態に維持させた.
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