本研究は児童の社会的スキルと認知の誤りが社会不安に与える影響について検討することを目的とした。対象者は小学4年生から6年生1,163名(男子575名、女子588名)であった。対象者は、SocialPhobiaandAnxietyInventoryforChildren日本語版(石川ら,2008)、Children'sCognitiveErrorScale改訂版(CCES-R;佐藤ら,2004)、小学生用社会的スキル尺度(嶋田ら,1996)への回答を求められた。対象者1,163名のうち、無作為抽出された197名の児童の担任教師40名は小学生用社会的スキル尺度(嶋田ら,1996)を他者評定用に改訂したものに回答した。分析の結果、認知の誤りの高さが社会的スキルの自己評定と他者評定の差に関係していることが明らかになった。また、社会的スキルよりも認知の誤りの方が児童の社会不安に直接影響していることが示され、児童の認知変数への介入が有効である可能性が示唆された。
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