音楽教育学

研究論文

異文化理解における「わかりにくさ」の効用

―わからない自分への気付きへ―

谷正人

2007 年 37 巻 2 号 p. 1-12
発行日: 2007年
公開日: 2017/08/08

DOIhttps://doi.org/10.20614/jjomer.37.2_1

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

　近年, 学校の内外を問わず, 異文化理解を謳った民族音楽イベント (教育) が, 世界の様々な音楽文化を題材として数多く実践されるようになっている。しかしその内実を見てみると, なかには学習者の許容範囲 (理解し得る幅) に沿いながらただ表面的なエキゾティシズムを掻き立てるだけのようなものもしばしば見受けられる。本稿は, 少なくとも「異文化理解」と銘打つのであれば, ただ単に「音楽を楽しむ」ということとは違う水準で音楽を捉えることも時には必要という立場から, 異文化理解には「わかりにくさ」が不可欠であることを主張する。すなわち, 「わかりにくさ」をあえて提示することによってこそ, 本当の異文化理解―「わからない」自分を問いなおす (自己の内省へと結びつく) 何らかの契機を提供することができるのではないか, 「わかりにくさ」不在の多様性は, 「わからない」自己を問う契機とはならないという意味で, 決して他者の理解に繋がることもないということを主張してみたい。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (606K)

研究報告

ブリッジウォーター・ステート・カレッジに現存する「伊澤修二」資料の全容

田中健次, 小藤隆

2007 年 37 巻 2 号 p. 13-20
発行日: 2007年
公開日: 2017/08/08

DOIhttps://doi.org/10.20614/jjomer.37.2_13

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

　本報告では, ブリッジウォーター・ステート・カレッジ (Bridgewater State College) が保存する伊澤修二に関連する全資料を提示するとともにそれら資料に対する注釈や新たな疑問を述べる。伊澤に関連ずる資料は, 次の三つに区分できる。1「伊澤の自筆資料, 写真等」 (5点), 2「ブリッジーウォーター・ノーマル・スクールが記録として残していた資料」 (9点), 3「その他 (例 : 伊澤の調査にきた日本人のリスト8点, 研究者が後に大学におくった手紙や文献, 最近の新聞記事等)」である。本報告に関連する資料は, 写真データとしてインターネットからダウンロードできるようにした。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (426K)

第38回大会

第一部講演, 第二部パネルディスカッション

髙須一, 小泉英明, 片寄晴弘, 冨田篤, 松永洋介

2007 年 37 巻 2 号 p. 21-33
発行日: 2007年
公開日: 2017/08/08

DOIhttps://doi.org/10.20614/jjomer.37.2_21

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (677K)

プロジェクト研究1 (常任理事会企画)

日本音楽をどのように捉えたらいいのか (その2)

―言葉と音楽・音楽科と国語科―

伊野義博, 加藤富美子, 澤田篤子, 藤田隆則

2007 年 37 巻 2 号 p. 34-44
発行日: 2007年
公開日: 2017/08/08

DOIhttps://doi.org/10.20614/jjomer.37.2_34

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (509K)

プロジェクト研究2 (常任理事会企画)

音楽系大学のイノベーション

西島央, 柴田篤志, 掛谷勇三, 鈴木清, 山下薫子

2007 年 37 巻 2 号 p. 45-55
発行日: 2007年
公開日: 2017/08/08

DOIhttps://doi.org/10.20614/jjomer.37.2_45

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (555K)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）