音楽教育学
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最新号
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研究論文
  • 木下 和彦, 中山 由美
    2023 年 52 巻 2 号 p. 1-12
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル フリー

     本研究は, 中学校音楽科での鑑賞活動における越境による学びの可能性とその教育的意義を明らかにしようとするものである。実践の場におけるコミュニティ間の境界を超える行為のことを指す「越境」を視点として鑑賞の授業を検討することは, 今日の鑑賞領域が有する課題に対し示唆に富むと考えた。研究方法として, X中学校2年生を対象に「自分で選んだ曲をプレゼンテーションし合う活動」を行い, 実践で選ばれた楽曲, 活動中の生徒の語り, 振り返りに関する記述を対象に分析を行った。結果, 本実践はハイブリダイゼーションの場として機能することで生徒らは音楽科と日常生活, 自己と他者の間の境界を越境し, 水平的・垂直的学習が生成されたことが見出された。

研究報告
  • ─ 敗戦直後における音楽教育政策の再検討のためのノート ─
    青柳 翔也
    2023 年 52 巻 2 号 p. 13-23
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル フリー

     本稿は, 『昭和二十二年度学習指導要領 音楽編 (試案)』の編纂過程を民間情報教育局 (CIE) 文書から検証し, それをもとに筆者が新たに発掘した3つの英文草稿を紹介・検討するものである。これらの英文草稿は, 1946 (昭和21) 年末から翌年1月半ばにかけてなされた教科課程の具体化・系統化を経て成立したものであり, そのうち2つが1947 (昭和22) 2月中旬から3月上旬までにCIEに提出されたもの, もう1つはそれに先立って作成・修正されたものと推定される。この英文草稿に加えられた修正と, それが刊行されるまでに加えられた修正は, 編纂過程に潜在した認識のずれや, そこで生じた曲折を明らかする手がかりとなる。以上の作業を通じて明らかとなった事実は, 『昭和二十二年度学習指導要領 音楽編 (試案)』の編纂が諸井三郎によって主導されたという従来の見方を一定程度相対化し, その編纂過程で生じた曲折や妥協の意味を明らかにすることの必要性を示している。

  • ─ 《トリスタンとイゾルデ》のライトモティーフに着目して ─
    結束 麻紀
    2023 年 52 巻 2 号 p. 24-33
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル フリー

     本稿は, ワーグナーが掲げた「総合芸術」の理念を整理し, その理念に基づいた鑑賞の授業構想を試みるものである。彼が理想とした「総合芸術」とは音楽と劇の一体化を図るために掲げられたものであり, その主な手法は, それまでのオペラに多用された番号オペラから脱却するために無限旋律を使用したことや, 人物や劇の内容を回想, または予感させたりするライトモティーフを劇中に使用したことである。ワーグナーは, 作曲するだけにとどまらずテキストも書き, さらには舞台上の演出にも携わるなど, 自身の理念を叶えるために徹底した取り組みを行った。そこでこれまでの高等学校の授業において多くは取り上げられてこなかったワーグナー作品の鑑賞授業を想定し, その理念を実現するために作曲された《トリスタンとイゾルデ》から前奏曲と第1幕を取り上げ, その音楽と劇の内容との関連を考察することから, 授業実践の可能性を示す。

研究動向
書評
第53回大会報告
(大会実行委員会企画)
(常任理事会企画)
プロジェクト研究
(共同企画Ⅰ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅱ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅲ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅳ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅴ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅵ) デモンストレーション
(共同企画Ⅶ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅷ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅸ) パネルディスカッション
(共同企画Ⅹ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅺ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅻ) ラウンドテーブル
(共同企画ⅩⅢ) ラウンドテーブル
(共同企画ⅩⅣ) ラウンドテーブル
(共同企画ⅩⅤ) ワークショップ・デモンストレーション
(共同企画ⅩⅥ) デモンストレーション
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