音楽教育学
Online ISSN : 2424-1644
Print ISSN : 0289-6907
ISSN-L : 0289-6907
40 巻, 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
研究報告
  • 志水 照匡
    2010 年40 巻2 号 p. 1-12
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/08/08
    ジャーナル フリー

     本稿は, 三味線演奏時における演奏者の棹の角度を研究するものである。343名の演奏者を分析したところ, 平均値は32度, 最頻値は33度, 標準偏差は3.7で, 度数分布曲線は最頻値33度を頂点とする釣鐘型の対称分布であることが明らかになった。

     さらにF検定を用いて, 長唄と他の種目との検定を行った。その結果, 長唄の母分散と等しいのは一中節, 義太夫節, 清元節, 小唄, 座敷唄, 地歌, 新内節, 創作曲, 端唄, 宮薗節で, 等しくないのは上方唄, 常磐津節, 民謡となった。そしてF検定の結果をもとにt検定を行った結果, 母平均が長唄と等しいのは上方唄, 義太夫節, 清元節, 小唄, 座敷唄, 地歌, 新内節, 創作曲, 常磐津節, 宮薗節, 民謡で, 等しくないのは一中節と端唄となった。性別に関しては, 男女間で母分散は異なるが, 母平均は等しい。また, 棹の角度は服装, 座り方, 演奏方法の違いで大きな影響を受けるわけではない。

  • ―音楽家を目指してきた若者の語りから―
    武知 優子, 森永 康子
    2010 年40 巻2 号 p. 13-24
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/08/08
    ジャーナル フリー

     本研究では, 職業的音楽家を志してきた若い成人を対象に, その過程にはどのような課題があったのかを, 質的に検討することを目的とした。主に学校卒業以降の困難や葛藤の詳細に焦点をあて, インタビュー調査から得られたデータの分析をおこなった。その結果, 6つの課題が抽出された。学校卒業時には, 仕事内容や仕事の獲得方法など, 職業としての音楽についての知識や情報が不足しており, このことは職業生活への移行を漠然とさせていた。仕事を始めてからも, 志の揺らぎや, 否定的な評価を受けるといった困難が認められた。ある程度音楽の仕事が増加してきても, 音楽以外の仕事とかけもちすることによるアイデンティティの葛藤や, 音楽的充実感と収入をはかりにかけるといった葛藤が認められた。また, 職業的音楽家として自立した生活を送りつつある協力者であっても, 音楽の仕事を継続した将来を展望することは難しく, 音楽を志す若者の人生設計が, 大変不確実なものであることがうかがえた。

書評
第41回大会報告
(大会実行委員会企画)
シンポジウム
(常任理事会企画)
プロジェクト研究Ⅰ
プロジェクト研究Ⅱ
(共同企画Ⅰ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅱ) パネルディスカッション
(共同企画Ⅲ) ラウンドテーブル
(共同企画Ⅳ) ラウンドテーブル
feedback
Top