日本公衆衛生看護学会誌
Online ISSN : 2189-7018
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12 巻, 3 号
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巻頭言
原著
  • ―質的記述的研究―
    田川 文, 岡本 玲子, 小出 恵子, 田中 美帆
    2023 年 12 巻 3 号 p. 162-170
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/28
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    目的:本研究の目的は,母子保健において保健師が対応している「切れ目」について明らかにすることである.

    方法:先進的事例として紹介された8市町村の保健師等を対象に,オンラインによるグループインタビューを行い,逐語録を質的記述的に分析した.

    結果:分析の結果,【母子健康手帳交付時から産後の切れ目】,【乳幼児期から就学前後の切れ目】,【転出入の切れ目】,【個別支援関係の切れ目】,【地域の支援網の切れ目】,【組織内体制の切れ目】が抽出された.

    考察:保健師が対応している「切れ目」は,時間軸上にあらわれる「とき」の切れ目と,住民を取り巻く地域資源の中にあらわれる「面」の切れ目があり,それらは,実際には様々な組み合わせ・様相で生じ,対応がなされているものであることが示唆された.今後,母子保健における切れ目を埋める保健師の公衆衛生看護技術を明確にする必要がある.

研究報告
  • ―実習指導を担う養護教諭の視点から―
    廣金 和枝, 岡本 玲子, 三森 寧子, 髙田 恵美子
    2023 年 12 巻 3 号 p. 171-181
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/28
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    目的:保健師基礎教育における学校保健実習の実習指導経験のある養護教諭が捉える学校保健実習の実習意義,望ましいと考える実習依頼・調整・展開方法を明らかにする.

    方法:学校保健実習の実習指導経験のある養護教諭12名を対象に,フォーカスグループインタビューを実施した.

    結果:実習意義は,【支援対象である子どもの理解】,【学校と行政保健の連携・協働の促進】の2カテゴリー,実習依頼・調整・展開方法は,【学校保健実習の理解の支援】,【学生の準備状況の理解の支援】などの7カテゴリーが抽出された.

    考察:養護教諭は,保健師基礎教育における学校保健実習について,自身が連携する専門職の実習としての意義を捉え,それを意図した実習を展開していた.養護教諭が望ましいと考える実習依頼・調整・展開方法には,養護実習を受け入れる養護教諭ならではのものがあり,その実現方法の検討が学校保健実習の導入と継続に不可欠と考えられた.

  • ―2年連続実施する就労者に着目して―
    丸谷 美紀, 山口 文子
    2023 年 12 巻 3 号 p. 182-190
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/28
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    目的:特定保健指導の動機づけ支援を2年連続実施する壮年期就労者に対し,アプリ活用を支援する方法を,保健指導者,及び,対象者の両面から明らかにする.

    方法:1)保健指導者のアプリ活用の支援の記録・質問紙・インタビューから「アプリ活用の支援方法」を抽出しカテゴリを作成した.2)対象者への質問紙から「アプリ継続活用の支え」「アプリ継続活用上の困難」を抽出しカテゴリを作成した.

    結果:1)アプリ活用支援方法は【対象者のアプリ活用の準備性の事前把握】等9カテゴリに整理した.2)アプリ継続活用の支えと困難は《可視化によるアプリ継続の強化》等6カテゴリに整理した.

    考察:未達の目標達成に向け,生活改善の経験を活かして段階的にアプリの学習を促し,アプリ選択を調整し,ICTリテラシーに応じて就労生活への取入れを検討し,アプリの付加価値を活かしていく,という保健指導者と対象者の協働過程である.

  • 田村 須賀子, 安田 貴恵子, 山﨑 洋子
    2023 年 12 巻 3 号 p. 191-200
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/28
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    目的:福祉部門に配置された保健師(以下,福祉部門保健師)が重要と思う支援,保健師の業務に対する意見と工夫について把握し,保健師による自由記述から捉えた福祉部門での業務の特徴と,目指す役割機能について検討することを目的とする.

    方法:全国市役所791の福祉担当課保健師に質問紙調査した.539名より回答があり,うち福祉部門保健師の業務で1)重要と思う支援,2)意見と工夫の質問に回答した370名の記載内容を分析した.

    結果:福祉部門保健師として重要と思う支援に【支援の目的が明確なハイリスクアプローチで関わる】等があった.業務に対する意見に【対象の援助ニーズが複雑で緊急度が高い】等があり,業務遂行のために【対象理解と尊重,関わり方と程度,タイミングを見極める】等の工夫があった.

    考察:福祉部門保健師は,多職種連携等で専門性の高い技術・調整能力が求められると自認し,当事者・家族が地域で生活できる支援と地域づくりを志向していることを確認した.

編集委員会企画
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