目的:今後の保健事業での活用に向けて,向老期世代の“地域への愛着”と健康関連QOLとその他の要因との関連性を明らかにする.
方法:首都圏近郊のA県B市に在住する50~69歳の住民1,000人を対象に,郵送法による自記式質問紙調査を行った.調査内容は,“地域への愛着”の他,属性や地域との関わり・交流等を把握した.分析方法は,各変数と“地域への愛着”尺度の合計点および4つの下位尺度得点との関連性を検討した.
結果:“地域への愛着”は,性別,居住形態,居住年数,地域住民との付き合いの程度,地域のサークル等での趣味活動の経験,望ましい地域住民との付き合いの程度,地域の活動への参加意向,ソーシャル・サポート,健康関連QOLとの関連があり,下位尺度では異なる関連性も認められた.
考察:住民同士の交流を図り,下位尺度に関する地域への愛着を育むことで他の関連要因と相乗的に作用し,向老期の健康維持に寄与する可能性が示唆された.
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