日本公衆衛生看護学会誌
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9 巻 , 3 号
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巻頭言
研究
  • ―保健師が遭遇する実態と主観的困難度―
    岡本 玲子, 羅 琤, 蔭山 正子, 規家 美咲, 多田 碧樹
    原稿種別: 研究
    2020 年 9 巻 3 号 p. 136-145
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/28
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    目的:本研究の目的は,公衆衛生看護における倫理的課題について,保健師が実際に遭遇している実態と主観的困難度,改善経験を明らかにすることである.

    方法:全国の自治体保健師1,584人に,郵送による無記名自記式質問紙調査を行った(有効回答526人,33.2%).

    結果:9割近くの保健師は,過去3年の間に,10項目の倫理的課題のいずれかに,平均20件以上遭遇していた.倫理的課題の改善経験がある者はない者より遭遇件数が多かったが,困難度がより低いわけではなかった.属性別には,遭遇件数が有意に多かったのは,最終学歴では修士以上,倫理研修受講経験ではあり群,地域特性では都市中心部であった.困難度は都市中心部・郊外よりも市部が有意に高かった.

    考察:今後,公衆衛生看護における倫理教育を考える際,修士課程における実践的教育の強化や,地域特性に応じた教育プログラムの開発と展開を急ぐ必要がある.

  • 織田 遥, 菊地 眞海, 山内 菜実, 竹中 響, 阿部 弥喜, 大市 美希, 大西 竜太, 平野 美千代
    原稿種別: 研究
    2020 年 9 巻 3 号 p. 146-155
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/28
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    目的:健康づくり自主活動参加者が捉える活動参加による変化と地域活動への参加の関連を明らかにする.

    方法:A市B区の健康づくり自主活動の参加者152名を対象に,無記名自記式質問紙調査を行った.調査内容は基本属性,所属活動グループの特性,健康づくり自主活動参加による活動内での変化,地域活動への参加状況で構成し,地域活動への参加頻度を従属変数とする多重ロジスティック回帰分析を行った.

    結果:健康づくり自主活動参加による活動内での変化として,7割以上が友人の増加,友人との仲の深まり,情報量の増加,社交性の向上,主体性の向上を捉えていた.情報量の増加(OR=5.064),社交性の向上(OR=7.598),主体性の向上(OR=3.231)を認識した者ほど,地域活動への参加頻度の増加を捉えていた.

    考察:健康づくり自主活動参加者は,能動的な活動への参加を通じて社交性や主体性の向上を実感できることで,地域活動への参加を拡大できる可能性がある.

  • 小島 さくら, 青柳 道子, 佐伯 和子
    原稿種別: 研究
    2020 年 9 巻 3 号 p. 156-164
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/28
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    目的:在宅認知症療養者と近隣住民の交流の実態および関連する要因を明らかにする.

    方法:認知症療養者を自宅で介護している家族介護者または3年以内に自宅で介護していた家族介護者を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.関連要因の分析はχ2検定,Fisherの直接確率検定を用いた.

    結果:244名に配付し,回収数は118部,有効回答数は111部だった.近隣交流の程度は認知症発症に伴い44.1%が低下したが,49.5%は維持・上昇していた.認知症発症後の交流程度は,「家族構成」「発症前の交流程度」「介護者が認知症療養者に交流機会をもってほしいと思う」「介護者への近隣住民からのポジティブサポートの有無」「介護者の近隣住民からのネガティブサポートの有無」が有意に関連した.

    考察:在宅認知症療養者が近隣交流を良好に保つためには,発症前からの近隣住民との関係性の構築や家族介護者と近隣住民の交流に対する理解が重要であると考えられる.

活動報告
  • ―経験型実習教育の評価―
    河端 三惠子, 南 朗子, 波多野 浩道
    原稿種別: 活動報告
    2020 年 9 巻 3 号 p. 165-171
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/28
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    目的:保健師教育の効果を評価する「保健師教育の技術項目と卒業時の到達度」(以下,到達度)と教員の指導タイプ(経験型・指導型)および教師効力との関連について明らかにする.

    方法:大都市圏の大学教員74校222名を対象とし,無記名自記式質問紙調査を実施した.回収46件(回収率20.7%)のうち有効回答34件(15.3%)について,教員の指導タイプおよび教師効力と到達度の関連を分析した.

    結果:到達度のうち3つの大項目の一つである「地域の健康課題を明らかにする」について,経験型は【個人/家族】【集団/地域】とも学生の「到達あり」の割合と関連していた.教師効力は「カンファレンスを実施できる自信」の因子のみ,学生の「到達あり」の割合と関連があった.

    考察:経験型実習教育は,「地域の健康課題を明らかにする」について,【個人/家族】【集団/地域】とも学生の到達度向上に寄与する可能性があることが示唆された.

  • 宮﨑 紀枝, 大森 純子, 酒井 太一, 田口 敦子, 三森 寧子, 三笠 幸恵, 矢野 しのぶ
    原稿種別: 活動報告
    2020 年 9 巻 3 号 p. 172-180
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/28
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    目的:新興住宅地に居住する向老期世代を対象とした“地域への愛着”を育むプログラムを開発することである.

    方法:首都圏近郊のA市B地区に在住する50~69歳で参加申し込みがあった20名を対象に“地域への愛着”を育むプログラムを実施した.プログラムの評価は,地域への愛着尺度を含むアンケートをプログラム実施前と直後,終了後1・3・6か月後の計5回実施し,尺度得点の変化を量的に分析した.また,グループインタビューとアンケートの自由記載は質的に分析した.

    結果:地域への愛着尺度全体の平均得点は,プログラム直前に比べ直後・3か月後・6か月後の得点が有意に高くなった.参加者の気持ちは,地域や人々とのつながりの希求から,地域への貢献を望むことへと変化していた.

    考察:“地域への愛着”を育むプログラムは,健康づくりに資する参加者同士のつながりを醸成し,地域活動への関心や参加を促進することにつながった.

広報委員会活動報告
編集委員会企画
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