5種類の炭酸塩、Li
2CO
3, Na
2CO
3, K
2CO
3, Rb
2CO
3, Cs
2CO
3について、回転振動法を用いて粘度を測定した。実験は炭酸塩の分解を防止するために、50mPaのCO
2を混合したHe雰囲気を用い約1230Kまでの温度範囲で行った。粘度は全体としてはカチオン半径の増加と共に減少したが、Li
2CO
3の値はNa
2CO
3の値に近く、またK
2CO
3とRb
2CO
3の間で逆転が認められた。粘性流動の活性化エネルギーはK
2CO
3において最小となった。このような現象を主として構成粒子間の自由空間の大きさと小さなカチオンによるアニオンの分極効果に関連して考察し、さらに他の典型的溶融塩との比較を行うことにより、溶融塩における粘性挙動を支配する因子について検討を加えた。
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