熱物性
Online ISSN : 1881-414X
Print ISSN : 0913-946X
ISSN-L : 0913-946X
13 巻, 3 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
論文
  • 佐藤 讓, ハ重樫 誠司, 木島 隆, 竹内 英治, 玉井 京子, 長谷部 真之, 星 政義, 山村 力
    1999 年 13 巻 3 号 p. 156-161
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/07/10
    ジャーナル フリー
    5種類の炭酸塩、Li2CO3, Na2CO3, K2CO3, Rb2CO3, Cs2CO3について、回転振動法を用いて粘度を測定した。実験は炭酸塩の分解を防止するために、50mPaのCO2を混合したHe雰囲気を用い約1230Kまでの温度範囲で行った。粘度は全体としてはカチオン半径の増加と共に減少したが、Li2CO3の値はNa2CO3の値に近く、またK2CO3とRb2CO3の間で逆転が認められた。粘性流動の活性化エネルギーはK2CO3において最小となった。このような現象を主として構成粒子間の自由空間の大きさと小さなカチオンによるアニオンの分極効果に関連して考察し、さらに他の典型的溶融塩との比較を行うことにより、溶融塩における粘性挙動を支配する因子について検討を加えた。
  • 佐藤 讓, 山崎 智幸, 加藤 秀隆, 朱 鴻民, 星 政義, 山村 力
    1999 年 13 巻 3 号 p. 162-167
    発行日: 1999/07/31
    公開日: 2009/07/10
    ジャーナル フリー
    溶融炭酸塩燃料電池の電解質として重要なLi2CO3-Na2CO3およびLi2CO3-K2CO3二成分系混合溶融塩の粘度を全組成範囲で測定した。低融点で高粘度の混合炭酸塩に対応するためにガス攪拌装置の導入と吊り線の交換によって精度の高い測定を実現した。等温粘度は両二成分系において下に凸の組成依存性を示した。粘度はLi2CO3において最も高く、Na2CO3あるいはK2CO3の増加と共に減少するが、高温では70∼80mol%で最小値を示す。この傾向はLi2CO3-K2CO3系で顕著である。活性化エネルギーはNa2CO3あるいはK2CO3の増加と共に単調に減少した。以上の結果と密度の挙動より、これらの二成分系は比較的単純な混合系であるが、混合による体積増加によって粘度の減少を示すものと考えた。溶融炭酸塩燃料電池の作動温度である923K付近の粘度は7∼9mPa·s程度である。
feedback
Top