建築物の屋上緑化や壁面緑化では多孔質で軽量な資材として,建築物緑化培土が用いられる.本研究では壁面緑化用の建築物緑化培土を対象として,水分特性から間隙径分布を評価することとした.測定の結果,いくつかの建築物緑化培土は,あるマトリックポテンシャルで急激に排水が生じることが確認された.水分特性曲線から推測される間隙径分布から,建築物緑化培土をほとんどの間隙の相対間隙径が0.001 ~ 0.01 cmであり比較的大きな間隙のみで構成されるグループと,0.0002 ~ 0.001 cmの小さな間隙を含むグループに分けることができた.製法による分類で同じ分類に入る建築物緑化培土は間隙径分布の特徴でも同じグループに入る傾向があった.発泡により間隙を作り出している建築物緑化培土を除き,飽和透水係数の大きさの順番は間隙率の大きさの順番と同じであった.
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