団粒構造を持つ 2 種類の黒ボク土に対して,蒸発法を用いて bimodal van Genuchten(VG)モデルのバラメータを逆解析により決定した.モデルを水分保持曲線の実測値に適合した初期値を用いると,推定パラメータの数にかかわらず収束は速い.また飽和付近から −105 cm 程度の低圧力水頭までの実測データに適合した bimodal VG モデルの水分保持曲線のパラメータ値を固定すると,透水係数の 2 個のパラメータ(Ks, ℓ)のみの最適化により不飽和透水係数 K(h) の推定が可能であった.しかし階段状の水分保持曲線の平坦な中間圧力領域における正確な測定は難しいため,結果全体に対する最適な結果を得るために bimodal VG モデルのパラメータはすべて適合することが望ましい.乾燥領域の低圧力領域までの水分保持曲線のデータを目的関数に含めると,モデルの適用範囲は,−104 cm 程度まで広がった.
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