日本ストーマリハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8806
Print ISSN : 0916-6440
7 巻, 2 号
7巻2号(通巻14号)
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
表紙・目次
原著
  • 判澤 恵, 泉 浩, 徳田 一, 西野 健一, 大島 良夫
    1991 年7 巻2 号 p. 5-10
    発行日: 1991年
    公開日: 2024/08/29
    ジャーナル フリー
     回腸導管周囲皮膚障害のためセルフケアに難渋していた2症例に,形成的手術治療を行ない好結果を得た。
     症例1では,ストーマ周囲皮膚の一部が不整に隆起し偽上皮腫性肥厚(pseudoepitheliomatous hyperplasia:PEH)をともなっていた。症例2はストーマ周囲皮膚に尿が常時接触していたことに起因しPEHを呈していた。
     2症例ともストーマケア上装具の選択,装着技術では治療に限界があり,形成外科的にストーマ周囲皮膚の形成術を行なった。
     その結果,装具装着の安定性が得られ,セルフケアが容易になった。また頻回の装具交換による精神的負担と経済的負担の軽減など,手術的療法は非常に有効であった。
     ストーマケアにおいて装具装着などが複雑で日常生活の質的低下が危惧される場合,年令,予後などを考慮した上で,積極的な手術療法は有用である。
  • 國井 康男, 高橋 直典, 斉藤 俊博, 正宗 良知, 菊地 秀
    1991 年7 巻2 号 p. 11-19
    発行日: 1991年
    公開日: 2024/08/29
    ジャーナル フリー
     最近,直腸癌に対し,器械吻合の普及とともに,肛門括約筋温存術式が多くの症例に取り入れられるようになってきたが,なお,ストーマ造設を必要とする症例が多数認められるのが現状である。今回、ストーマ造設後の合併症をとりあげ,自験例を中心に過去15年間で再手術を施行した21例について検討した。
     その結果,脱出が11例と最も多く,いずれも非経腹直筋,腹腔内法の症例であった。次に腸閉塞が6例で,すべて骨盤腔の後腹膜欠損部の創縁に小腸が嵌入,あるいは癒着した症例であった。狭窄の2例は癌性腹膜炎による癌浸潤が原因で,その他穿孔と陥凹が各々1例であった。
     以上より,直面している原疾患の治療のみにとらわれず,ストーマ造設が患者にとって精神的かつ肉体的に重大な影響を及ぼすことを考慮しながら,よりよきストーマをつくることが必要であると考える。
  • 佐藤 泰子, 森松 美和, 河野 康子
    1991 年7 巻2 号 p. 21-26
    発行日: 1991年
    公開日: 2024/08/29
    ジャーナル フリー
     これまでのストーマゲージ測定は,ノギスや市販のストーマゲージを利用してきたが,凹凸の激しいストーマの場合,正確なゲージを描くことが困難であった。そこでゲージ測定という基本的な問題に目を向けストーマゲージ用具を検討した。ストーマの皮膚粘膜移行部の「鋳型を取る」という発想の元に,それを挟み込んでゲージを測定する方法を基本とし,市販のストーマゲージを半分にした。不要な部分を取り除きストーマの皮膚粘膜移行部に合わせやすい型を試行錯誤したところ,弓型ストーマゲージができた。この用具使用により,
      ① 皮膚粘膜移行部が正確に描ける。
      ② 経験の浅い看護婦でも正確なゲージが取れる。
    という結果が得られた。
第9回学会総会プログラム・抄録集
地方会抄録(地域研究会記録)
研究会報告
feedback
Top