回腸導管周囲皮膚障害のためセルフケアに難渋していた2症例に,形成的手術治療を行ない好結果を得た。
症例1では,ストーマ周囲皮膚の一部が不整に隆起し偽上皮腫性肥厚(pseudoepitheliomatous hyperplasia:PEH)をともなっていた。症例2はストーマ周囲皮膚に尿が常時接触していたことに起因しPEHを呈していた。
2症例ともストーマケア上装具の選択,装着技術では治療に限界があり,形成外科的にストーマ周囲皮膚の形成術を行なった。
その結果,装具装着の安定性が得られ,セルフケアが容易になった。また頻回の装具交換による精神的負担と経済的負担の軽減など,手術的療法は非常に有効であった。
ストーマケアにおいて装具装着などが複雑で日常生活の質的低下が危惧される場合,年令,予後などを考慮した上で,積極的な手術療法は有用である。
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