日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
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12 巻, 2 号
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  • ―エビデンスの構築をめざして―
    武藤 孝司
    2004 年 12 巻 2 号 p. 64-69
    発行日: 2004/12/30
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 大竹 聡子, 池崎 澄江, 山崎 喜比古
    2004 年 12 巻 2 号 p. 70-78
    発行日: 2004/12/30
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    ヘルスリテラシーは比較的新しい概念である.本稿ではその概念と込められた意味を解明することを目的とし, 海外で発表されたヘルスリテラシーに関する文献をレビューした.
    ヘルスリテラシーは健康に関連した特定の文脈におけるリテラシーを意味する.リテラシーが一般的な社会生活能力を示すのに対し, ヘルスリテラシーはさらに発展した特有の能力を意味する.1990年代初め, ヘルスリテラシーは医療場面における患者のコンプライアンスとして, 狭義の意味で捉えられていた.ジャカルタ宣言で, ヘルスリテラシーは効果的な活動参加とエンパワーメントを達成するために極めて重要であり, その向上は健康を左右する社会的経済的環境に変化をもたらし個人と社会の健康を向上するとされている.また, 健康や医療に関する情報を取捨選択するうえで, それは批判的に評価する能力を人々に与えるという点でも注目される.
    2000年Nutbeamは, ヘルスリテラシーの向上がヘルスプロモーションの文脈で健康教育の直接の成果であると提案し, 健康教育の役割が改めて認識された.ヘルスリテラシーの測定や実地活用については発展途上にあるが, その意義から更なる研究と発展が期待されている.
    保健医療活動の要である健康教育の成果がヘルスリテラシーの向上であるという提案と, ヘルスリテラシーの概念が関係者の従来の思考を変える必要性を提起した点は示唆に富むと思われた.
    〔日健教誌2004; 12 (2) : 70-78〕
  • 高橋 浩之, 竹鼻 ゆかり, 佐見 由紀子
    2004 年 12 巻 2 号 p. 80-87
    発行日: 2004/12/30
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    筆者らは, 自己を管理するための認知的スキルを自己管理スキルと名付け, その尺度 (SMS尺度) を開発し, 保健行動との関連などを明らかにしてきた.本研究では, 年齢段階による自己管理スキルの差に関して検討を行った.
    中学生144人, 高校生402人, 大学生223人, 成人501人を対象にSMS尺度を用いて自己管理スキルを測定し, その差を分析した.
    SMS尺度の総得点は, 年齢段階を追って高くなっており, 自己管理のための認知的スキルは経験により獲得されていくことが示唆された.
    次に, SMS尺度から「問題解決的に取り組むスキル」「否定的思考をコントロールするスキル」「即座の満足を先延ばしするスキル」の3つの因子を因子分析により抽出し, 因子ごとに年齢段階との関連を調べた.その結果, 「問題解決的に取り組むスキル」は比較的早い時期からの向上が, 他は遅い時期からの向上が見られた.後者はメタ認知的スキルの一種と見なされ, 獲得が比較的難しいスキルだと考えられた.
    ライフスキル教育等の認知的スキルを重視する健康教育は, それぞれのスキルと年齢段階との関連を考慮した上で実施する必要があることが示唆された.
    〔日健教誌2004; 12 (2) : 80-87〕
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