目的:就労者でも参加しやすい健康教育支援プログラムを開発するために,携帯電話の写真付きメール機能を利用した個別食事相談が,食事摂取量や体重減少へ与える影響について探索することを目的とした.
対象:禁煙を3年以上継続している男性6名で,平均年齢49.3(SD5.6)歳,平均喫煙期間26.8(SD7.2)ケ月,平均禁煙期間43.0(SD17.0)ケ月である.
方法:評価項目は体重,腹囲,食事摂取頻度調査票による食事摂取量とした.携帯電話のメールで1日2回食事と運動についての情報提供を含む,1ケ月間の減量支援プログラムを提供した.参加者は写真付きメールを利用して支援期間中に3日間の食事の写真を送付し,管理栄養士による個別食事相談を受けた.また,参加者から支援者への相談は期間中随時可能とした.検定はWillcoxonの符号付き順位和検定を用い,有意水準は5%とした.
結果:体重は平均で2.3kg,BMIは0.4kg/m
2 有意に減少し,腹囲も有意ではなかったが2.6cm減少した.総摂取エネルギー量の平均は開始時の2,945kcalから終了時には2,072kcalに有意に減少した(p=0.03).また,タンパク質,脂質,炭水化物,カルシウム,ビタミンB
2 および食塩の摂取量,アルコールおよび油脂類からのエネルギー摂取量は有意に減少した(p<0.05).
結論:写真付きメールによる食事相談と携帯電話のメール機能による情報提供を取り入れた減量支援プログラムは,食事摂取量を減少させ,体重コントロールに有効であることが示唆された.
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