われわれはこれまでプロペラ法を中心にMR画像のノイズパワースペクトル(NPS)計測の検討を行い,その二次元NPSはサンプリング密度を反映し,
k空間軌跡どおりの周波数分布を示すことを報告してきた.一方,X線イメージング領域では,扱いも容易で数値解析がしやすい一次元NPSが使われることも多い.そこで本研究では,2つの代表的な一次元NPS計測法を用いて,プロペラMR画像の一次元NPSを検討した.「円周平均法」から求めた一次元NPSは,二次元NPSの同一空間周波数域のNPS値を平均化した特性を示し,「仮想スリット法」から求めた一次元NPSは,スリット走査方向のみのNPS値の周波数特性を表していた.また,NPS値の計測精度について検討を行い,円周平均法では低周波領域で計測精度が低いが,仮想スリット法と比較して精度のよい一次元NPS計測が可能であることがわかった.
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