Medical Imaging Technology
Online ISSN : 2185-3193
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36 巻, 1 号
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特集/被ばく線量管理技術
  • 鈴木 秀宣, 村松 禎久
    2018 年 36 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
  • 庄司 友和
    2018 年 36 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    近年,computed tomography(CT)装置は診断や治療方針の決定において重要な役割を果たしている.一般的に放射線検査はAs Low As Reasonably Achievableの原則に従い,実施されなければならない.しかしながら,日本のCT検査による医療被ばくは世界第1位であり,撮影条件の最適化および線量管理の重要性が高まっている.そのような背景の中,2015年に日本初の診断参考レベルが公表され,現在では各施設が撮影部位ごとのプロトコルを見直し,医療被ばくの最適化に大きく貢献している.本誌では,診断参考レベルに用いられているCT dose indexの変遷と最新の測定法および線量指標を用いた線量管理について述べる.
  • 坂本 肇
    2018 年 36 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    Interventional radiology(IVR)の手技の高度化や複雑化に伴い,長時間に及ぶ治療が行われるようになっている.このため,IVR領域では患者皮膚線量が紅斑や脱毛のような確定的影響の閾値を超えて,実際に放射線障害が発生している.IVR領域での医療被ばく線量管理は,確定的影響である放射線皮膚障害防止に関係する患者入射皮膚線量の管理と確率的影響の発生を減少させ最適化を目指すDRLの活用が重要となる.本稿では,IVR領域での医療被ばく線量管理の考え方,臨床中にリアルタイムで簡便に入射皮膚線量を推定する手段として装置表示値と面積線量値を利用する測定方法と,DRLs2015での装置基準線量の測定方法を概説する.
  • 古場 裕介
    2018 年 36 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    医療現場において放射線を用いた撮影は有用な診断技術として広く普及しているが,放射線を用いた撮影に伴う個々の患者被ばく線量は必ずしも十分に把握されていないのが現状である.現在の医療被ばく管理では撮影条件や線量指標を対象として行われているが,各患者の被ばく線量の評価も重要である.しかし,一般的な患者被ばく線量評価ツールは各施設の全撮影に対して利用するには膨大な時間と手間が生じることが問題である.このような問題点を解決するために,放医研ではRDSRなどの管理情報を応用し,CT撮影の患者被ばく線量を自動的に計算するシステム開発を進めており,将来的にはCTだけでなく他のモダリティーへの展開を目標としている.
  • 小田 雄二
    2018 年 36 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    製造業者・業界団体は機器・機能の標準化活動を行うことで,使用者の主導する最適化活動をサポートしている.標準化は国際規格だけでなく,NEMA規格といったローカル規格に対応することで線量管理につながる機器取扱の安全性等が向上している.
  • 山内 宏祥
    2018 年 36 巻 1 号 p. 26-31
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    国内外におけるさまざまな団体から,医療被ばく管理の必要性が説かれている.米国内の一部の州では線量情報の電子記録が義務化され,欧州においても診断参考レベルの活用や患者被ばく線量を管理することが推奨されている.世界的に線量管理システムの重要性が説かれ,日本においても徐々に普及しつつある線量管理システムだが,具体的な運用方法がまだまだ周知されていない現状がある.バイエル薬品株式会社が販売するRadimetricsは,放射線検査装置におけるさまざまな線量指標を管理するシステムである.診断参考レベルを活用した線量の最適化を支援し,CT検査における実効線量,血管造影手技における患者皮膚入射線量等の,従来算出することが難しかった線量指標の自動算出を行うRadimetricsは,放射線検査装置の精度管理や患者ケア,さらには大量の線量情報を収集・解析することで放射線医学分野の発展に寄与すると考える.
研究速報
  • 李 鎔範, 飯島 祐希, 大村 知巳, 長谷川 晃, 高橋 規之
    2018 年 36 巻 1 号 p. 32-35
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    4D-CT画像をもとに得られる灌流画像(CT perfusion; CTP)は,脳虚血性疾患の診断に広く利用されている.しかし,CTPはソフトウェアによって解析方法が異なるため,診断結果がばらつく可能性が指摘されている.そこで,本研究で頭部4D-CTの原画像から脳虚血領域を自動検出するアルゴリズムを提案する.対象画像より基底核を含むスライスを決定した後,エッジ保存型平滑化フィルター(adaptive partial median filter; APMF)を適用した.APMF処理後画像に対してマスク像をサブトラクションし,造影剤を含む血管領域のみを抽出した.最後に左右脳実質に複数の関心領域(ROI)を設定し,対比するROI内の血管面積に左右差(統計的有意差)があり,かつ,血管面積が小さい領域を虚血候補領域として検出した.検出結果をCTP画像と比較した結果,提案手法は虚血領域の一部を正しく検出することができ,患側と健側を同定することができた.したがって,提案手法は4D-CTの脳虚血性疾患の診断支援に有用であると考えられる.
書評
日本医用画像工学会
編集後記
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