高磁場MRIでは,照射RFパルスの生体内での波長が生体のサイズと同程度になる.このため,生体内で照射RFパルスの位相が変化し,照射RFパルスの空間的な分布(B
1分布)が不均一になる.この問題を解決する手法の一つとしてRFシミングが用いられる.RFシミングでは,RF照射コイルの各チャンネルのB
1分布の情報(以下B
1 map)を用いる.B
1 map計測では,T
1緩和の影響を排除することが必要であり,従来法では撮像時間が長いという課題があった.そこで今回,プリパルスを用いた高速B
1 map計測方法(multi Td法)を開発した.multi Td法では,プリパルス印加前後に取得した画像を使ってB
1 mapを計算する.プリパルス印加前後の画像を連続的に取得することで,2チャンネル照射コイルの場合の撮像時間は5.5秒と高速となる.また,プリパルス印加前の画像を参照した計算により,T
1緩和の影響が排除できるため,高精度なB
1 mapが得られた.
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