肝臓の微細構造をみると,各肝細胞に血管系である類洞そして胆管系の毛細胆管が接するように配置され,各管が三次元空間に織りなされ配置する.本稿では,このような類洞網三次元パターンに焦点を絞り,われわれがこれまで行ってきた数理的研究を紹介する.まず,類洞表皮細胞の共焦点像から類洞立体構造抽出するための反応拡散系を用いた手法を紹介する.方法の紹介だけでなく,この手法を用いたアプリケーションについても言及する.次に,現在進めているフラクタル次元を用いた構造解析を紹介する.類洞の三次元構造のフラクタル次元計測と
in vivo類洞内血流速計測を通して,フラクタル数理モデル解析による類洞網構造解析の一端を紹介する.
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