Medical Imaging Technology
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36 巻, 4 号
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特集/マイクロ解剖学のための微細解剖構造解析
  • 森 健策
    2018 年 36 巻 4 号 p. 155-156
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/07
    ジャーナル フリー
  • 本谷 秀堅
    2018 年 36 巻 4 号 p. 157-162
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/07
    ジャーナル フリー
    病理顕微鏡画像間のレジストレーション手法を概観する.病理顕微鏡画像は患者より取得した標本を薄切して撮影される二次元画像である.本稿で概観する病理顕微鏡画像のレジストレーション法は,病理顕微鏡画像を三次元化する際の核となる技術のひとつである.三次元病理画像は多数の二次元病理画像より構成される.まず患者より取得した標本を空間的に連続に薄切することで多数の切片を得て,それら切片のそれぞれを顕微鏡で撮影する.これら顕微鏡画像を積み重ねれば元の標本の三次元顕微鏡画像を得ることができる.ただし,標本を薄切する際やスライドグラスに貼り付ける際に各切片が独立に変形する.元の標本内部のミクロ解剖構造を適切に観察できる三次元画像を再構成するためには,病理顕微鏡画像同士を位置合わせしなければならない.本稿では,三次元再構成のための画像位置合わせに固有な問題点を指摘したあと,その手法のいくつかを説明する.
  • 岩本 千佳, 大内田 研宙, 橋爪 誠
    2018 年 36 巻 4 号 p. 163-168
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/07
    ジャーナル フリー
    さまざまな医用画像を時間的,空間的,病理学的情報とともにデータベース化し,早期癌の発見,進行癌の治療にかかわる予測モデルを開発する.膵癌の自然発がんモデルであるKPCマウスを用い,解剖所見,病理像,経時的なMR像を集積し,病理像はHE,Ki67,CK19,MT染色像として収集した.連続HE像を三次元構築した結果,管状構造が特定の方向に沿って伸びていることを新たに見出した.また,MR像にみられるintensityの差とHE像にみられる間質の分布との間に特定の相関を認めた.病理像とMR像を統合した新規モデルの構築により,病理像予測,悪性度診断,治療効果予測や,浸潤範囲の予測を目指す.さらに病理像を用いて,正常細胞とがん細胞の特徴量を抽出することで,細胞レベルで悪性度やがんのステージ分類を評価する指標を見出す.
  • 昌子 浩登
    2018 年 36 巻 4 号 p. 169-173
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/07
    ジャーナル フリー
    肝臓の微細構造をみると,各肝細胞に血管系である類洞そして胆管系の毛細胆管が接するように配置され,各管が三次元空間に織りなされ配置する.本稿では,このような類洞網三次元パターンに焦点を絞り,われわれがこれまで行ってきた数理的研究を紹介する.まず,類洞表皮細胞の共焦点像から類洞立体構造抽出するための反応拡散系を用いた手法を紹介する.方法の紹介だけでなく,この手法を用いたアプリケーションについても言及する.次に,現在進めているフラクタル次元を用いた構造解析を紹介する.類洞の三次元構造のフラクタル次元計測とin vivo類洞内血流速計測を通して,フラクタル数理モデル解析による類洞網構造解析の一端を紹介する.
  • 小田 紘久, 砂口 尚輝, 中村 彰太, 秋田 利明, 森 健策
    2018 年 36 巻 4 号 p. 174-180
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/07
    ジャーナル フリー
    微細解剖構造解析は,医用画像処理の分野でも注目されている.人体の解剖構造を見ると,臓器形状といったマクロ解剖構造から,その内部における微細血管構造,あるいは,病理標本画像で観察されるような細胞レベルまでのマイクロ解剖構造まで,種々のスケールにまたがって記述される.例えば,臨床CTあるいはMRIを用いれば,心臓の形状情報といったマクロ解剖構造情報を得ることができる.また,肺のマイクロCT画像からは,肺内部のマクロな解剖構造情報を得ることができる.このような高精細な画像からマイクロ解剖構造を取り出すには,イメージング後の画像解析処理が重要となる.そこで本稿では,デスクトップ型マイクロCT装置で撮影された伸展固定肺標本の画像,ならびにマイクロCTもしくは屈折CTにより得られる心臓標本画像の画像解析の例を紹介する.
サーベイ論文
  • 村松 千左子
    2018 年 36 巻 4 号 p. 181-188
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/07
    ジャーナル フリー
    眼底画像検査は医用画像の中では比較的シンプルな検査であるが,眼の病気の診断のみでなく全身の健康状態を被ばくや侵襲なく観察することが可能である.眼底画像により検出可能な病気には初期の自覚症状がほとんどみられないものも多く,検診や経過観察に非常に適した検査である.しかし,診断を行う専門医は不足しており,計算機による画像解析結果を用いた診断の効率化,高精度化が期待されている.眼底画像解析アルゴリズムの研究は活発に行われており,評価の比較のためのデータベースもいくつか公開されている.本論文では,基礎的な眼底画像解析のバックグラウンドと手法を紹介する.
研究論文
  • 宮下 充浩, 畑中 裕司, 小郷原 一智, 村松 千左子, 砂山 渡, 藤田 広志
    2018 年 36 巻 4 号 p. 189-195
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/07
    ジャーナル フリー
    糖尿病網膜症の初期所見のひとつに毛細血管瘤がある.毛細血管瘤は眼底画像上で小さくてコントラストが低いため,医師であっても目視による検出は困難である.一方で,畳み込みニューラルネットワークは,画像認識の分野で良好な結果を示してきた.そこで,本論文では,畳み込みニューラルネットワークを用いて毛細血管瘤を自動検出する手法とその成果について述べる.最初に,ヘッセ行列に基づくshape index,2重リングフィルタ,ガボールフィルタを適用して,毛細血管瘤の強調画像を作成した.そして,畳み込みニューラルネットワークを用いて毛細血管瘤を検出した.その後,畳み込みニューラルネットワークと,48種類の特徴量に基づく3層パーセプトロンによって偽陽性候補を削除した.眼底画像データベースのDIARETDB1を用いて提案手法の性能を評価したところ,先行研究の性能を上回る良好な結果を得た.
研究速報
  • 石丸 直樹, 大田 淳子, 梅原 健輔, 鈴木 崇師, 大野 隼輔, 岡本 健太郎, 石田 隆行
    2018 年 36 巻 4 号 p. 196-202
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/07
    ジャーナル フリー
    高解像度診断用ディスプレイの実用化に伴い,ディスプレイの解像度に合わせて画像を拡大し,足りない解像度を補う必要があるが,MRIの解像度をハードウェアレベルで改善するには,長時間撮像を要し,患者の負担が大きい.そこで本研究では,MRI 画像を対象にスパースコーディング超解像処理(ScSR)を適用し,その有用性を検討した.頭部MRI画像のうちT1強調画像,T2強調画像,FLAIR画像,TOF画像を用いた.それぞれScSRおよび従来の拡大補間法を適用し,得られた高解像度画像のPSNR,SSIMを計測し,評価,比較した.T1強調画像,造影後T1強調画像,T2強調画像,FLAIR画像のすべてにおいて,ScSRのPSNR,SSIMともにBilinear,Bicubic,Lanczos補間と比較して有意に高値を示した(p<0.05).TOF画像ではすべての再構成画像において,ScSRのPSNR,SSIMともにBilinear,Bicubic,Lanczosと比較して高値を示した.ScSRはMRIのT1,T2,FLAIR,TOF画像において,従来の拡大補間法よりも画像のピーク信号雑音比と構造的類似性を顕著に向上させることが示された.
講座
  • 宮内 翔子, 諸岡 健一
    2018 年 36 巻 4 号 p. 203-206
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/07
    ジャーナル フリー
    臓器統計形状モデル構築に必要不可欠なモデル間の対応付け手法として,写像に基づく臓器モデル間の対応付け手法がある.異なる個体から作成された臓器モデルすべてを,形状が単純な共通の曲面上に写像することで,異なるモデルを同一曲面上で扱える.この同一曲面上で対応付けを行うことで,特に形状が複雑なモデルを直接扱うよりも,対応付け問題を解きやすくなる.本稿では,曲面上に写像した結果を用いて,信頼性の高い臓器モデル間の対応付けを効率的に行うために,写像法が満たすべき4つの要求を示し,各要求との関係を考慮しつつ,さまざまな写像に基づく臓器モデル間の対応付け手法の概要を述べる.
編集後記
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