Medical Imaging Technology
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37 巻, 3 号
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特集/医用画像処理におけるGenerative Adversarial Networksの利用
  • 小田 昌宏
    2019 年 37 巻 3 号 p. 123-124
    発行日: 2019/05/25
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー
  • 日朝 祐太, 大竹 義人, 松岡 拓未, 高尾 正樹, 菅野 伸彦, 佐藤 嘉伸
    2019 年 37 巻 3 号 p. 125-129
    発行日: 2019/05/25
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    人工股関節全置換術において,立位姿勢での骨盤傾斜角は,カップの至適設置角度の術前計画で重要である.立位姿勢での骨盤傾斜角は,仰臥位で撮影されるCT画像からは解析できないため,立位で撮影可能なX線画像を用いた研究が報告されている.これまでに,X線画像と患者個別のCT画像との2D-3D位置合わせ手法が提案されているが,CT画像の撮影には高線量被曝が伴うため,通常臨床では応用範囲が限られている.この問題に対して,われわれは,畳み込みニューラルネットワークによりX線画像のみから骨盤傾斜角を推定する手法を提案し,疑似X線画像を用いたシミュレーション実験を行ってきた.しかし,実画像への適用は,画像中のノイズやX線スペクトラムによる影響のため困難であった.本稿では,敵対的生成ネットワーク(GAN)を用いて実X線画像から疑似X線画像に変換するネットワークを導入し,従来の骨盤傾斜角推定ネットワークを実問題に適用した例について紹介する.

  • 松岡 拓未, 日朝 祐太, 大竹 義人, 高尾 正樹, 高嶋 和磨, 菅野 伸彦, 佐藤 嘉伸
    2019 年 37 巻 3 号 p. 130-136
    発行日: 2019/05/25
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    医用画像は,撮像モダリティーによって異なるコントラスト特徴を示す.臨床では一般に,用途に応じて異なる複数のモダリティーの画像が撮影されるが,複数モダリティーでの撮影は時間やコストがかかる.本研究では,1つのモダリティーの画像から,別のモダリティーと同様のコントラスト特徴を有する画像を生成することを目的とする.従来,異種モダリティー画像生成には,同一患者を同一肢位で,複数モダリティーで撮影した「対応あり」の学習データが必要であったが,近年CycleGANとよばれる,対応なしの学習データでも画像生成が可能で,かつ双方向の生成が可能な手法が提案された.これまでに報告されているCycleGANを用いたCT-MR間の画像生成技術は,1種類のシーケンスで撮影されたMR画像のみを扱っていた.本稿では,CycleGANを用いて,3種類のシーケンスで撮影された股関節周辺のMR画像とCT画像の相互変換を行うアルゴリズムについて報告する.

  • Changhee HAN, Kohei MURAO, Shin’ichi SATOH, Hideki NAKAYAMA
    2019 年 37 巻 3 号 p. 137-142
    発行日: 2019/05/25
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    Convolutional Neural Network (CNN)-based accurate prediction typically requires large-scale annotated training data. In Medical Imaging, however, both obtaining medical data and annotating them by expert physicians are challenging; to overcome this lack of data, Data Augmentation (DA) using Generative Adversarial Networks (GANs) is essential, since they can synthesize additional annotated training data to handle small and fragmented medical images from various scanners―those generated images, realistic but completely novel, can further fill the real image distribution uncovered by the original dataset. As a tutorial, this paper introduces GAN-based Medical Image Augmentation, along with tricks to boost classification/object detection/segmentation performance using them, based on our experience and related work. Moreover, we show our first GAN-based DA work using automatic bounding box annotation, for robust CNN-based brain metastases detection on 256×256 MR images; GAN-based DA can boost 10% sensitivity in diagnosis with a clinically acceptable number of additional False Positives, even with highly-rough and inconsistent bounding boxes.

  • 戸澤 賢樹, 斉藤 篤, 清水 昭伸
    2019 年 37 巻 3 号 p. 143-146
    発行日: 2019/05/25
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    Generative Adversarial Networks(GAN)は,ノイズ除去,画像変換,超解像など幅広いタスクに応用され,品質の高い画像を復元できることで知られている.本稿では,医用画像処理におけるGANを用いた超解像処理について述べる.具体的には,高解像度(high resolution: HR)画像を生成するGeneratorと,生成されたHR画像か訓練データ内のHR画像かを識別するDiscriminatorの2つのネットワークから構成される.これらのネットワークを交互に訓練することによって,HR画像を生成するGeneratorを訓練する.GANを使うことによって,復元HR画像からボケが消え,視覚的に優れたHR画像が得られることを示す.

研究論文
  • 服部 英春, 柿下 容弓, 坂田 晃子, 柳田 篤
    2019 年 37 巻 3 号 p. 147-154
    発行日: 2019/05/25
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    病理医は,HE(hematoxylin and eosin)染色後の病理組織標本を顕微鏡下で目視観察し,病理診断を行う.しかし,HE染色標本による形態判断だけでは十分に診断できないこともあり,その場合は免疫組織化学(免疫染色)などの別評価も加える必要がある.そこで本研究では,HE染色画像から迅速に精度よく病理診断を行うために,HE染色画像から免疫染色画像の特徴量を推定して病理画像内の腫瘍有無を自動で識別する手法を提案する.具体的には,convolutional neural networkを用いてHE染色画像から腫瘍有無の特徴量を抽出し,さらにその特徴量が免疫染色による腫瘍有無の特徴量に近づくように識別器を作成し,その識別器を用いて腫瘍有無を判定する.本手法を用いることで,前立腺がん病理組織標本のデジタル画像を用いた実験において,腫瘍有無の識別精度の向上に有効であることが示された.

  • 津森 太亮, 木戸 尚治, 平野 靖, 森 正樹, 稲井 邦博, 今村 好章
    2019 年 37 巻 3 号 p. 155-163
    発行日: 2019/05/25
    公開日: 2019/06/12
    ジャーナル フリー

    子宮頸がん検診には細胞診が用いられるが,多数の正常細胞から有所見細胞を探すため,煩雑で時間を要する.そのため,われわれの研究の目的は,検査士の負担軽減と検査時間短縮のために,深層学習による有所見細胞の自動検出と判別が可能かどうかを検討することである.われわれは物体検出に使われるFaster R-CNNを用いて,有所見細胞の検出,および悪性度の分類を行う手法を提案した.有所見細胞の分類は子宮頸部細胞診で良悪性を分類するためのベセスダ分類に基づき,臨床的観点から「正常群」,「内科的経過観察群」,「要外科的処置群」の3群に分類した.われわれは5分割交差検証を行うために,病理データをトレーニングとテストに分けた.Faster R-CNNの結果と検査士による診断結果をF値により比較すると,「正常群」は47.9±9.0%であったが,「内科的経過観察群」,「要外科的処置群」はそれぞれ75.0±8.6%,82.3±2.9%であった.内科的経過観察群や要外科的処置群からは提案手法の有効性が示されたが,「正常群」の性能が低いことから,すべての子宮頸部細胞にアノテーションを付けることが困難であると示唆された.

講座
日本医用画像工学会
編集後記
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