小児耳鼻咽喉科
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31 巻 , 1 号
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第5回 日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
総説
原著
  • 山口 宗太, 大木 幹文, 大久保 はるか, 石井 祥子, 櫻井 秀一郎, 大越 俊夫
    原稿種別: 原著
    31 巻 (2010) 1 号 p. 7-11
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      ボタン電池が異物となった場合,早期に組織障害を引き起こす。そのためより早い摘出が必要である。今回我々はボタン型リチウム電池による鼻腔異物の 1 例を経験した。症例は 4 歳女児,ボタン電池を鼻腔内に挿入し当科受診した。体動激しく外来にて摘出出来なかった。挿入後 6 時間で全身麻酔下に異物摘出術を行った。鼻中隔穿孔などの合併症は認めなかった。リチウム電池はアルカリボタン電池に比べより強い組織障害を引き起こす可能性がある。
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  • 愛場 庸雅, 中野 友明, 古下 尚美, 比良野 彩子, 松下 直樹, 植村 剛
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 12-18
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      大阪市立総合医療センターは,総合病院の中に小児専門部門を持つ高次医療機関である。「小児耳鼻咽喉科」の専門的な役割を考える時に,本院の現状を把握する事は有用であると考え,患者数,検査件数,手術件数などの臨床統計の調査を行った。
      外来においては,難聴の精査目的の患者が 80%を占めていた。新生児聴覚スクリーニングの影響もあって,遊戯聴力検査,COR, ABR などの幼児聴力検査の件数は増加傾向にあり,聴覚補償における言語聴覚士の役割は重要になっている。
      小児の手術は,術前術後管理や麻酔の点から患者の専門病院への志向が強いため,入院患者数,手術件数とも増加している。術式では,アデノイド切除術,扁桃摘出術,鼓膜換気チューブ留置術が圧倒的に多いが,人工呼吸などを必要とする重篤な合併症を持つ患児の気道管理にかかわる機会が多いため,気管切開や喉頭気管分離手術の件数が増えてきつつある。
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  • 川田 和己, 上村 佐恵子, 菊池 恒, 笹村 佳美, 市村 恵一
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 19-23
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      sialolipoma は,2001 年に Nagao らが,唾液腺良性脂肪腫の新しいカテゴリーとして提案した病理組織学診断による疾患である。境界明瞭な被膜を有し,分化の良い成熟脂肪細胞とほぼ正常な腺組織から構成される腫瘍と定義される。その組成は90%以上が脂肪成分であるが,lipoma とは異なり必ず腺組織が存在することがその特徴である。われわれが渉猟し得た限りでは,耳下腺原発 sialolipoma は全13例で,うち小児は 3 例の報告を認めるのみであった。また,小児例は全て先天性と考えられた。今回われわれは耳下腺原発先天性 sialolipoma の 1 例を経験した。症例は 1 歳 6 カ月の女児で,出生時より増大する右耳下部の無痛性腫瘤を認めた。診断には MRI が有用であり,顔面神経を温存した腫瘍全摘出術を施行し,再発なく経過良好である。術後は予後良好であるため,小児例でも腫瘤増大前に手術摘出すべきと考えられた。
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  • 吉江 うらら, 有本 友季子, 仲野 敦子, 工藤 典代
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 24-28
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      Kostmann 症候群は先天性無顆粒球症であり,新生児期から致死的な化膿性感染症を反復しやすい。今回 Kostmann 症候群の女児が上気道感染から頸部膿瘍,喉頭浮腫を呈したが,急性喉頭蓋炎に特徴的な症状である咽頭痛や流涎などを全く認めなかった症例を経験したので報告する。症例は 6 歳女児。生後 3 カ月から感染を反復し,Kostmann 症候群と診断され,外来にて抗生剤継続投与中であった。今回,上気道症状出現し当院受診。抗生剤点滴投与し帰宅したが,その後発熱,嗄声を認め,さらに右顎下部の腫脹に気付き再来した。血液検査上炎症反応の上昇,CT で右副咽頭間隙に境界不明瞭な辺縁に造影効果のない腫瘤,喉頭蓋腫脹を認め,頸部感染症と診断した。軟性喉頭鏡では喉頭蓋の右側優位の浮腫,右被裂部の浮腫を認めた。すぐに MEPM,DEX,で加療開始したが,臨床症状の改善が乏しいため,VCM,高容量の G–CSF の併用開始し,解熱した。右顎下部の腫脹や CT 上の mass の縮小,血液検査上炎症反応の低下を認めたが,喉頭蓋の浮腫は軽減したものの依然残存した。その後,喉頭蓋の軽度腫脹は変わらないが,発熱などの症状はなく外来で経過観察となっている。
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  • 北村 貴裕
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 29-31
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      病初期に咽後膿瘍類似の画像所見を呈した川崎病症例を経験したので報告する。
      症例は 5 歳男児。発熱,咽頭痛,頸部リンパ節腫脹にて発症。小児科にて抗生剤内服,点滴投与にても改善せず。頸部 CT にて咽頭後壁に low density area を認めたため,咽後膿瘍疑いにて耳鼻科紹介となった。頸部造影 MRI を施行し,リンパ節の集簇を疑わせる病変を認め,最終的に川崎病不全型と診断した。病初期に咽後膿瘍を疑わせるも最終的に川崎病と診断しえたまれな症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
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  • 服部 玲子, 伊藤 由紀子
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 32-38
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      急性中耳炎の中には複雑な経過をたどる難治例,反復例も多く治療に難渋することがある。今回は当科における小児急性中耳炎例の現状を把握し,治療経過の問題点について検討した。対象は2008年11月から2009年 5 月までに当科を受診し,急性中耳炎と診断した小児51例86耳である。軽症34耳(39.5%),中等症24耳(27.9%),重症28耳(32.6%)であった。主訴は発熱が29例(56.9%)と最も多く,次に耳痛16例(31.4%)であった。鼻症状は45例(88.2%)に認め,気管支肺炎などを合併していた例は16例(31.4%)で,当科初診前に抗生剤が投与されていた例は51.0%であった。入院を要した症例は20例(39.2%)であった。治療上,特に入院例では小児科医と連携を図ることが重要で,小児急性中耳炎診療ガイドラインは小児科医と共通の認識を得るのに有用であると考えられた。
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  • 有本 友季子, 仲野 敦子, 厳 瑩, 吉江 うらら, 工藤 典代
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 39-43
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      乳児の呼吸障害の要因の一つに頸部腫瘤による気道の圧排があるが,呼吸障害を生じた 0 歳11カ月男児で左副咽頭間隙に神経線維腫を認めた症例を経験した。初めにいびきが出現,その 1 カ月後に発熱,吸気性喘鳴が出現し,口腔内所見では左前口蓋弓の腫脹,画像診断では左副咽頭間隙の充実性腫瘤を認めた。生検の後,口腔内より腫瘤を全摘出した。病理組織診断の結果は神経線維腫であった。乳児例であるため,神経線維腫症 1 型の鑑別診断が必要で精査を施行したが,診断基準に該当するものはなく,孤立性神経線維腫の診断であった。今後,新たな病変が出現し,神経線維腫症 1 型の診断基準に該当するようになる場合もあり,慎重な経過観察が必要と思われた。
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  • 田中 学, 浜野 晋一郎, 安達 のどか, 浅沼 聡, 坂田 英明, 加我 君孝
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 44-48
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      先天性高度感音難聴児の乳児期においては平衡と粗大運動発達は遅れることが多い。難聴と診断される乳児が早期に診断および補聴器装用が開始されるようになったが,聴覚以外の発達的問題についての対応が求められることが増加した。埼玉県立小児医療センターでは,小児神経科医が難聴児の発達評価を行っている。耳鼻咽喉科で難聴の原因精査が行われており,その中で GJB2 遺伝子変異が認められ,ほかに難聴の危険因子をもたない両側高度感音難聴児 9 例の 1 歳 6 カ月までの平衡と粗大運動の発達の経過を後方視的にまとめた。全例で生後 5 カ月までに頸のすわりが認められ,1 歳 6 カ月までには独り歩きが認められた。独りすわりがみられるまでの期間には幅があり,独歩獲得以降もしばらくは歩行時にふらつきが認められた。GJB2 遺伝子変異が認められる難聴児においては,乳児期早期に筋緊張低下や独りすわりの遅れがみられても,最終的には 1 歳 6 カ月には歩行獲得する可能性が高いことがわかった。
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  • 大久保 剛, 平川 勝洋, 立川 隆治, 井門 謙太郎
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 49-53
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      若年型喉頭乳頭腫の多くは再発性気道乳頭腫症であり難治性であることが知られている。本邦における外科治療の中心はレーザー焼灼術であるが,欧米においては,マイクロデブリッダーによる手術が第一選択とされている。今回我々は,小児喉頭乳頭腫に対してマイクロデブリッダーにて手術を行ったので報告する。
      症例は 3 歳 4 カ月 男児 主訴は嗄声
      喉頭乳頭腫の診断の下,平成20年 8 月,全身麻酔下に顕微鏡下喉頭微細手術を施行した。内径3.5 mm の小児用カフ付き気管チューブを使用し気道確保を行ったのち,小児用喉頭直達鏡にて術野を確保,XPS 2000 Powered ENT System Skimmer Angle–Tip Laryngeal Blade を使用し病変の切除を行った。術直後より嗄声の著名な改善を認め,気道狭窄等生じることなく,術後 3 日にて退院となった。切除標本の病理組織診断は扁平型乳頭腫と診断された。切除標本にて施行した HPV(DNA)ジェノタイピングにては HPV は検出されなかった。平成21年11月現在,明らかな局所再発なく経過している。
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  • 仲野 敦子, 有本 友季子, 吉江 うらら, 工藤 典代
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 54-58
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      ライソゾーム病は,細胞内のライソゾームに数多く存在する分解酵素の一つが欠損するためにおこる病気で,欠損する酵素により異なる症状が出現するが,上気道病変により耳鼻咽喉科的対応が求められる疾患が多い。
      千葉県こども病院耳鼻咽喉科を受診したライソゾーム病の患者,ムコ多糖症 8 例,ゴーシェ病 6 例,ムコリピドーシスII型(I–cell 病)5 例,その他 5 例を対象として検討した。
      現在までに気管切開または喉頭気管分離を施行した症例は,ムコ多糖症 2 例,ゴーシェ病 2 例,I–cell 病 2 例,その他 1 例の計 7 例であった。ムコ多糖症の 2 例では気管内へのムコ多糖の沈着による気管狭窄が著明で気管切開後も気道管理に難渋していた。その他の例では気管切開後は現在まで大きな気道のトラブルは見られていなかった。
      ライソゾーム病患者に対する適切な気道病変の評価と個々の症例に合わせた気道管理が重要であると考えられた。
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  • 澤井 八千代, 山中 敏彰, 村井 孝行, 藤田 信哉, 細井 裕司
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 59-65
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      最近14年間に当科を受診した15歳以下の小児めまい症例61例について臨床的な特徴について調べた。症例分布は,年齢が高くなるほど増加する傾向にあり,13歳以上で半数を占めた。原因疾患はその他のめまい疾患群が最も多く約半数を占め,次いで原因不明,末梢性,中枢性めまい疾患群の順に多かった。疾患別では起立性調節障害が最も多く36.1%で,次いで心因性めまい,メニエール病が多かった。全年齢層でその他のめまい疾患が最も多く,6 歳以下で中枢性,13歳以上では末梢性めまい疾患が次いで多く認められた。随伴症状は,自律神経症状が最も多く44.3%に認められ,次に蝸牛症状が32.8%にみられた。検査施行率は純音聴力検査と重心動揺検査で高く,異常検出率は起立試験で高かった。
      詳細な問診と検査所見から得られた情報を慎重に評価し,小児めまいの臨床的特徴を踏まえたうえで注意深く診療に携わることが重要である。
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  • 余谷 暢之, 守本 倫子, 川崎 一輝, 鈴木 康之, 泰地 秀信, 阪井 裕一
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 66-70
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      6 年間に当院で経験した気管切開症例の 6 か月後の在宅移行状況と問題点について検討を行った。年齢分布では乳幼児が圧倒的に多く中央値は 1 歳 0 か月であった。6 か月以上当院で経過観察を行った47例中 6 か月以内に在宅移行できていたのは23例で,約半数の症例では在宅医療への移行ができていなかった。また死亡した 6 例を除いて 8 例(約20%)が 1 年以上経過しても在宅移行できていない結果となった。在宅移行できない理由について検討を行った結果,気管切開後の人工呼吸管理を要した症例,抜管困難後に気管切開を行った症例では在宅移行率が低い結果となった。また在宅移行できなかった原因の 4 割は介護の問題であった。在宅管理のシステムの整備が必要であるとともに,気管切開前から在宅移行を見越して家族と十分に話し合うことが重要であると考えられた。
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  • 長嶋 比奈美, 宇高 二良, 千田 いづみ, 島田 亜紀, 武田 憲昭
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 71-75
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      3 カ月以上の言語指導期間のある18歳未満の吃音児57名を対象に,介入時期と吃音の改善効果について検討した。紹介元では,他機関の専門職からの紹介が59%であり,発吃平均年齢は 3 歳 3 カ月,初診時平均年齢は 5 歳 9 カ月であった。発吃から介入までの期間は,発吃から 1 年未満の「超早期介入群」が46%を占めた。吃音に対する言語指導として,親へのコミュニケーション環境調整などの間接的言語指導法に加えて,吃音児に対しても楽な発話モデルによる流暢性発話の獲得などの直接的言語指導法も積極的に取り入れた。その結果,吃音が消失した症例は全体で11%に限られたが,「超早期介入群」「早期介入群」「普通介入群」は吃音の消失とブラッドシュタインの吃音の進展度分類の 1 層への改善が認められた。しかし,「介入遅延群」は 2 層への改善にとどまっていた。今回の結果から,吃音の対する間接的言語指導法に加えて直接的言語指導法を行うことが有効と思われた。さらに,早期に介入した吃音児ほど改善傾向が高いことが示唆された。
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  • 藤田 岳, 後藤 友佳子, 香山 智佳子, 長谷川 信吾, 丹生 健一
    原稿種別: 原著論文
    31 巻 (2010) 1 号 p. 76-81
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
      口蓋扁桃摘出術は耳鼻咽喉科において小児に対して最も多く行われる手術の一つであるが,周術期における抗菌薬投与の要否については未だ一定の結論を得ていない。今回我々は小児口蓋扁桃摘出術時の抗菌薬を,術後 7 日間の経口投与から,執刀30分前にセファゾリンを一度投与するのみで以後は投与しない方法へと変更し,それによる術後合併症への影響を検討した。
      2004年12月から2009年 1 月の間に甲南病院あるいは六甲アイランド病院で口蓋扁桃摘出術を行った 2 才~13才の小児140名を対象とした。入院期間中に観察された(1)術後の発熱,(2)術後の疼痛,(3)摂食状況,(4)二次出血,(5)その他の有害事象の各項目について比較検討を行った。
      いずれの項目の検討においても,術後投与群と術前単回投与群で統計学的に有意な差は見られなかった。小児口蓋扁桃摘出術時における執刀30分前のセファゾリン単回点滴投与は,術後 7 日間の抗菌薬内服投与と比較して術後合併症の増加は見られず,下痢などの副作用はむしろ減少する傾向にあった。
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