室内環境
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17 巻, 1 号
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原著論文
  • 中村 祐子, 北島 幸太郎, 長谷川 靖之
    2014 年 17 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    室内の臭気を構成する成分を明らかにすることは芳香消臭剤を開発する上で重要である。そこで本研究は,住居形態や家族構成,生活習慣が異なる5家庭((1)~(5))のリビングで臭気を捕集し,主要臭気成分について検討した。測定は一般家庭に存在していると考えられる18種の臭気成分を対象とした。
    分析の結果,すべての家庭において検出された臭気成分は,トリメチルアミン,硫化メチル,酢酸,n-吉草酸,カプロン酸,アセトアルデヒド,ヘキサナール,ヘプタナール,n-オクタナール,ノナナール,2-ノネナールであった。検出された物質の濃度を臭気指数換算し,寄与率を求めた結果,生活環境によらずどの家庭でもアルデヒド類が64.9~85.5%,酢酸が5.8~18.9%を占めていた。
    以上のことから,室内用芳香消臭剤を開発する場合はアルデヒド類,酢酸を消臭対象とすることで室内臭気のうち約80~90%に対して対処が可能であることが示唆された。
    (1)の家庭ではアセトアルデヒドの捕集・分析を実施していない。
調査資料
  • 川上 裕司, 橋本 一浩
    2014 年 17 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    一般住宅における室内浮遊真菌の日内変動を調べることを目的として,東京都小平市と埼玉県上尾市所在の2軒の一戸建て住宅を対象として調査を実施した。調査は2012年7月に,2日間に渡る調査を2回ずつ行った。室内浮遊真菌のサンプリングは,エアーサンプラー(DG-18培地使用)を用いて2時間ごとに計13回行い,時間ごとに採取された真菌を培養した。発育した真菌の集落数から浮遊真菌濃度(cfu/m3)を算出し,集落から分離した真菌種の同定を行った。
    この結果,いずれの住宅でも午前4時~8時の朝方に浮遊真菌濃度が高まる傾向が見られた。この傾向は,アレルゲンとして問題視されているアスペルギルス属菌で顕著であった。分離されたアスペルギルス属菌では,アスペルギルス・レストリクティ節に属す種が多かった。この調査結果から,就寝時にアレルゲンとなるカビを吸引することが,深夜から早朝にかけて起こる喘息の一因となる可能性が示唆された。
総説
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