電子の構造を点状と考えられる重心の運動と、ある"ひろがり"をもつと考えられる内部運動に分けることを考える。即ちDirac方程式の波動函数をψ=χ・φと分け、χを電子の内部運動、φを重心の運動に関する波動函数とし、電子の静止質量mをm=P_0=-∂/∂x_0なる演算子と考えることにより方程式を二つに分離することが出来る。これは電子が内部運動をもつことを示している。これよりローレンツ変換において不変量x^2_k-x^2_4(k=1,2,3)の代りにx^2_4-x^2_4-x^2_0(x_0は電子の半径に相当する量)を不変とするような変換を考え、電子にひろがりをもたせてcut-offにより自己エネルギーを収歛させることを試みる。
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