今やColored Fermi Quark Model(Colored Q.M.)がハドロンの世界を記述する標準的模型(standard model)として広く受け入れられている。しかし之とは別に我々(主に日大グループ)はcolorの自由度を用いない他の統一模型(以下Bose quark modelと総称する)を,長い間推進して来た。まずHara-Gotoはdeformable sohere modelを提案し,ハドロンは拡がった或る実質の内部自由度が励起したものであり,クォークはその励起子(exciton)であると規定している。この立場では,クォークがハドロンの中でポーズ粒子のように振舞う事はexcitonが正準量子化される事から極めて自然であり,又通常の立場では問題になる,クォーク系の束縛に関する困難もない。Ishidaは,こうしたクォーク・励起子説の(具体的なモデルは離れて)特徴を反映した,ハドロンの統一的取り扱いの為の一般的な枠組-ur-citon scheme-を提案した。ここでは励起子としてのur-citonはポーズ・量子化され(第3量子化),同時にハドロンは全体として通常の「スピンと統計の関係」に従って矛盾なく(第2)量子化される。urciton schemeでは通常の立場での複合系の波動函数がmulti-local fieldとして扱かわれる事になる。他方,湯川の最初の提案以来,いろいろの視点からmulti-local fieldにっいての研究がつづけられて来ている。以下では,このM.L.fieldとしての側面に焦点を当てながら,Bose Q.M.の本質的な点,又その現状等について略説する。
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