わが国第2の霞ヶ浦における水質悪化の原因について1976年度からの茨城県資料を対象に解析を行い, 1987年頃から起きたアオコの優占種の異変についても考察した。解析手法には相関分析から出発した主成分分析と重回帰分析を用いた。①浄化対策進展度, ②有機物特性, ③窒素・リン特性の三つの主成分に要約され, 下水道と浚渫の規模拡大が必ずしも湖心の水質に寄与しないで, 年間降水量の多寡に影響されていることが明らかになった。下水処理場放流水質及び浚渫工事の拡大に伴う影響など固有技術面からも裏付けた。今後の課題については活性汚泥法をベースにした現行汚水処理法とは異なる新たな角度からの取組が必要との提言を加えた。