芝草研究
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37 巻, 2 号
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総説
研究論文
  • 福岡 壽夫, 村田 達郎, 柴田 耕平, 篠田 佳世子, 高橋 祐希
    2009 年 37 巻 2 号 p. 91-97
    発行日: 2009/03/31
    公開日: 2021/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では, 日本シバの播種造成用品種の育種方法について試験を行った。日本シバは他殖と栄養繁殖を主体とするが, 自殖も可能な特殊な繁殖様式を示すため, この特性を利用した新しい育種方法について検討した。
    まずシバの種子生産特性, 繁殖様式について調査した結果, 自殖によっても種子生産が可能であり, 1m2当り50,000粒, 150g以上の発芽可能種子を採種できると判断された。また異型接合体である生態型について, 自殖後代の分離の程度と近交弱勢を既存品種と比較調査した結果, 分離が小さく近交弱勢の程度の少ない系統を選抜することが可能であると推察された。
    育種方法としてはまず多くの生態型や保存系統を調査し, 穂数と着粒数から種子生産量が多いと推定される個体を数十個体選抜する。これらの個体に袋かけを行って, 各個体50~100粒程度の自殖種子を採種する。自殖後代を個体植えして, 特性と分離の程度を調査し, 分離が少なく, 近交弱勢の小さい有望な系統を数系統選抜する。選抜された系統の親を隔離栽培して自殖種子を採種する。比較品種とともに, 反復区を設けた散播による生産力検定と, 個体植えによる分離程度の検定を行い, 最も目標にあった系統を選抜する。最終的に選抜された系統の親個体を栄養繁殖によって増殖し, 隔離採種圃場を設けて自殖種子を生産し, 播種造成用種子として用いる。本試験の結果, この方法は日本シバにおける播種造成用品種の育種に有効に利用できることが示唆された。
短報
  • 栢原 裕之, 霧村 雅昭, 杉本 安寛
    2009 年 37 巻 2 号 p. 98-102
    発行日: 2009/03/31
    公開日: 2021/04/08
    ジャーナル オープンアクセス
    実験用農場(宮崎県宮崎市)にシバとセンチピードグラス草地を造成し, 施肥反応および季節生産性を比較する目的で, 草地の生産量, LAI, 分げつなどの調査を行い, 以下の結果を得た.
    1.年間の生産量はシバ0, 6, 12g/m2およびセンチピードグラス0, 6, 12g/m2でそれぞれ752.8~947.0g/m2および531.4~774.1g/m2の範囲であり, 両草種とも12g区で高い施肥反応が認められた.月別の生産量ではシバが年間を通してより平準的な生産量を示した.
    2.LAI調査の結果から, シバとセンチピードグラスが生長を始める月平均気温は10.1~12.3, 12.3~16.8℃と考えられた.以上から, シバの方がより生産量が一定で通年放牧に適した草地であると考えられる.
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