芝草研究
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48 巻, 1 号
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総説
研究論文
  • 伏見 昭秀, 長沼 和夫
    2019 年 48 巻 1 号 p. 12-16
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル オープンアクセス
    東日本大震災による津波で被災した岩手県陸前高田市のほ場復旧整備後の農村畦畔で, 2013年4月から2018年3月まで, シバ二重ネット工法による芝生畦畔造成に適する植栽時期および被覆までに要する期間を明らかにした。最も造成に適した植栽時期は入梅期の6月で, 2.5年でシバを主体とする芝生畦畔が成立した。植栽当年は9月, それ以降, 5月, 7月, 9月の年3回の草刈りにより, 次第にシバの被度の拡大とともに群落高は低下し, 2.5年でシバの被覆効果による雑草抑制が認められた。水稲収穫後の植栽では, 植栽当年のシバの生育に必要な積算温度が確保されず越冬および翌春からの生育が難しく, 植栽時期として不適であった。また, 水稲移植前の植栽は, 潅水装置を用意できる場合に限り可能であると考えられた。
  • 涌井 史郎, 浅井 俊光, 渡邉 洋輔, 堀川 朗彦, 山崎 正代, 飯島 健太郎
    2019 年 48 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル オープンアクセス
    栽培・植栽管理手法が確立しているアカザ, メンカ, トールフェスキュー, クリーピングレッドフェスキュー, ケンタッキーブルーグラスおよびバミューダグラスを供試植物として, Pb模擬汚染土壌中のファイトレメディエーションを試みた。
    その結果, アカザとメンカは短期栽培よりも長期栽培において, 植物体中Pb濃度は高まり, メンカでその傾向が大であった。一方, Pb耐性については, 統計的に有意差は認められなかったものの, メンカ, 洋芝では目視によって生育の減退が認められたのに対して, アカザでは生育被害が認められず, 高Pb濃度の実験区においても乾燥重量も大きいことから, 1ポットあたりのPb除去量はアカザが最も大となった。各種洋芝については, トールフェスキュー, クリーピングレッドフェスキューおよびケンタッキーブルーグラスの方が, バミューダグラスよりも茎葉部のPb濃度が高い結果となった。さらに, 各種洋芝は総じて, 他の供試植物よりも植物体が小さいが, 根部のPb濃度が高かったため, 茎葉部と根部を全て合せ, 1ポットあたりのPb除去量としてみると, 植物体の大きなアカザと同等のPb除去量が得られることが明らかとなった。
    また, フィールドにおいて現実的な除去年数とするためには, 植栽期間や植物体の大きさなど異なる形質をもつ植物を混植することや土壌中Pbの安全で効率的な可溶化が必須となることが示唆された。
実用記事
報告
資料
講演要旨
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