岩手県紫波郡矢巾町の3小学校, 1中学校の児童生徒2,325名(男子1,202名, 女子1,123名)を対象に学校歯科検診を行った。 その際, 同時に咬合調査を行い, 不正咬合の頻度と加齢による推移, さらに, 第2大臼歯萌出との関係について検討した。
不正咬合者は58.8%と過半数を占めた。 このうち叢生が23.9%で最も多く認められた。 以下, 上顎前突(12.9%), 反対咬合(12.4%), 過蓋咬合(4.9%), 上下顎前突(1.8%), その他(2.9%)であった。
比較的高い頻度で認められた叢生, 上顎前突, 反対咬合については, 加齢による推移を不正要因の面から検討した。 その結果, discrepancy 型要因は上顎前突, 反対咬合に共通して加齢による増加傾向を示していた。
また, discrepancy 型要因は歯齢ⅢC以後で調査対象者全体の65.1%に認められた。
さらに, 第2大臼歯について, 上下顎4歯のすべてが完全に萌出しているのは, 正常咬合者に多かった。 一方, 上顎前突の下顎, 反対咬合の上顎に第2大臼歯の不完全萌出が多く認められた。
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