岩手医科大学歯学雑誌
Online ISSN : 2424-1822
Print ISSN : 0385-1311
ISSN-L : 0385-1311
4 巻, 3 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
総説
特集
原著
  • 佐藤 方信, 竹下 信義, 野田 三重子, 鈴木 鍾美
    1979 年4 巻3 号 p. 190-194
    発行日: 1979/11/30
    公開日: 2018/12/26
    ジャーナル フリー

    ラット舌の網内系細胞の分布を病理組織学的に検索した。 材料は体重250夕前後のWister系成熟雄ラットを使用し,これを2群に分け,それぞれに2.5%リチウムカルミン(L.C.)と4%トリパンプルー(T. B.)を投与し,色素貧食細胞を円形細胞と紡錘形細胞とに大別して観察した。

    ラット舌においては上皮下結合組織層および筋層,とくに血管周囲の結合組織にこれらの色素を貧食した細胞を多数認めたが,粘膜上皮および血管内皮細胞などには貧食されていなかった。L.C.投与群よりもT.B.投与群の方が貧食細胞数は著しく多く, T. B.投与により増加したのは主に円形細胞で,しかもこれらの細胞数の増加は上皮下結合組織層では舌体部で,筋層では舌根部で目立った。また貧食細胞の舌内分布では有意の差(P<0.05)をもって舌尖部に多かった。

  • 平 孝清, 松本 範雄, 鈴木 隆
    1979 年4 巻3 号 p. 195-205
    発行日: 1979/11/30
    公開日: 2018/12/26
    ジャーナル フリー

    口腔内体性感覚の大脳皮質投射野の局在と機能を明らかにするため,ネコの口蓋,歯肉,舌などの表皮および歯牙に電気または機械的刺激を与え,金属ボール電極を大脳皮質体性感覚野SI,SHを含む冠状回および前ジルヴィウス外回上に装着して誘発電位を記録し,その陽性primary responseの振幅を指標に解析を行った。口腔内投射は冠状回上で,十字溝の延長線近傍に存在し,顔面部分(毛,ヒゲ)の投射とオーバーラップしているが,両側性でかつ対側優勢であった。口腔内の部位的刺激効果について比較すると,上顎からの投射は下顎からのそれより優勢で,口唇部に近いほど皮質応答電位は大きく,刺激部位が咽頭方向へ移動するに従い,応答電位は小さくなった。刺激の種類によって投射部位に差があり,機械的刺激に対する投射部位は,同一部位に与えた電気刺激の投射部位よりも2-3mm吻側に位置していた。これらの結果は,他の研究老の成績と比較され,さらに咀噛,嚥下の現象に占める生理学的意義について討論され た。

症例報告
  • 小川 光一, 松本 断, 佐々木 正道, 関山 三郎
    1979 年4 巻3 号 p. 206-210
    発行日: 1979/11/30
    公開日: 2018/12/26
    ジャーナル フリー

    今回われわれは,頬脂肪体の口腔内への herniation を伴った右側頬粘膜部裂創の1例を経験した ので報告する。

    症例は1歳2ヵ月の男児で、昭和54年1月15日午後7時歯ブラシをくわえて転倒し、歯ブラシの先端が右側頬部に突き刺さり、口腔内に赤色を帯びた腫瘤が露出し、同日午後8時急患として当科を受診した。現症は右側頬部にびまん性腫脹が認められ、腫瘤を咬むために閉口障害が見られた。口腔内所見は,右側耳下腺乳頭部の遠心下部より栂指頭大棍棒状の形の、有茎性、表面は赤褐色・平滑・桑実状を呈し、弾性軟の軟組織の醜を認めた。基部に一致して裂創が存在し、D/Dに一致した圧痕が腫瘤に見られた。現病歴および現症より外傷による頬脂肪体の herniation と診断し,ただちに全身麻酔下に頬脂肪体の組織隙復位・裂創縫合術を実施した。術後経過は良好であった。

トピックス
例会記事
岩手医科大学歯学会第8回例会抄録
feedback
Top