日本イオン交換学会誌
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17 巻, 3 号
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  • ―複合型荷電膜の界面近傍におけるイオン輸送挙動―
    山内 昭
    2006 年 17 巻 3 号 p. 90-96
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    本研究では陰イオン交換膜にモザイク荷電膜を接合した新しい複合型荷電膜を電気透析用の膜として提案した。この膜はあらかじめ作製されたモザイク荷電膜にpolymer ge1の分散液を塗布し, さらに固定荷電基を付与した複合陰イオン交換膜として調製した。この複合膜を既存の単下一型陰イオン交換膜と比較し, その性能を吟味した。膜物性評価には電気化学的手段の一つであるクロノポテンシオメトリーを導入し, 限界電流密度を求めた。また電流―電圧測定も行ないその性能を比較・検討した。従来型のイオン交換膜との比較より, この複合型荷電膜はその限界電流密度の上昇が認められ, 電気透析用膜としての有効性を示した。
  • 古荘 三郎, 石井 節, 奥村 直行, 菊池 隆, 宮城 正司
    2006 年 17 巻 3 号 p. 97-100
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    近年, クロル・アルカリの製造方法は従来の水銀電解法, および隔膜電解法から, 環境汚染防止, エネルギーの節減, 高品質確保の面から, イオン交換膜法 (IM法) に転換されてきた。その中で, IM法は高純度の塩水供給が要求され, 塩水中のアルカリ土類金属イオンの除去にキレート樹脂を使用し, さらに硫酸イオンの除去に両性イオン交換樹脂を使用した塩水精製技術を確立したので簡単に紹介する。
  • (水蒸気収着量ならびにプロトン伝導度同時測定)
    吉田 将之, 郷本 隆之, 仲井 和之
    2006 年 17 巻 3 号 p. 101-108
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    固体高分子型燃料電池 (PEFC) における高分子電解質膜 (PEM) 開発にとって, 実際に稼動している燃料電池の作動条件に合わせて水蒸気収着量ならびにプロトン伝導度を測定することは非常に重要である。従来これらの測定を行う場合, それぞれのデータは別々の装置を利用することによって得られていたため, 多大な時間とコストを要していた。また, これらのデータを取得するにあたり安定したデータを取得するための統一的な方法がなく, プロトン伝導度においては湿度100%以下での測定や膜を水中につけた後, いつ測定を開始すればよいかという点が明確ではないため, 様々な条件下での膜の特性を高い信頼性を持って正確に評価することが困難であった。そこで当社ではこれらの問題を解決し, PEMの統一的な評価方法を達成すべく, 様々な条件 (測定温度; 298-473K, 測定湿度; 0-95%RH, 測定圧力; 大気圧-1.0MPa) での膜の水蒸気収着量ならびにプロトン伝導度の同時測定装置 (MSB-AD-V-FCTM) を開発した。この方法は, 単一チャンバー内で流通式重量法による膜に対する水蒸気収着平衡を確認後, 4端子による周波数挿引法によりインピーダンスを測定しプロトン伝導度を取得することにより安定かつ再現性の高いデータを取得するというものである。この方法により, イオン交換量の異なる膜や, 厚さの異なる膜の伝導度を平衡状態下で測定することができるばかりでなく, 膜の水分平衡収着量および平衡到達時間を同時に把握することができるようになった。また, これらの方法は全自動測定ソフト (BEL-FCETM) で制御されるため, 膜セッティング後, 任意の測定条件設定のみで前処理から測定および結果明示まで全データを取得することができる。
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